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Tokyo GendaiもVIPに選ばれたので行ってみた

 前回、国内最大規模のアートフェア、アートフェア東京になぜかVIPとして参加できた。おそらく富裕層の方は無料noteなんて殆ど書かないと考え、体験レポートとして記述すれば、少しでも美術に興味を持ってくれる人が増え、米粒程でも美術市場が活性化するのではないか?と考え下記記事を記述した。見ていただいた方は本当にありがとうございました。
 実際にアート購入に関して興味がわいた!と報告してくださった方もいた。コレクター冥利に尽きる。

 今回、大変ありがたいことに別のルート(私営美術館のショップ経由)で現代アートの大規模なアートフェアであるTokyo Gendai(以下、東京現代)のVIPパスを頂いた。そのため、今回も美術業界に還元するべく、体験を記述したい。


東京現代とアートフェア東京の違い

 東京現代もアートフェアであるが、アートフェア東京とはどこが違うのだろうか。一応確認しよう。ご存じの方は飛ばしてください

立地

 まず立地である。アートフェア東京は東京駅が最寄りの東京国際フォーラムで行われるが、東京現代はみなとみらい駅が最寄りのパシフィコ横浜で行われる
 東京駅が最寄りどころか東京都でもない。とはいうものの、東京駅からパシフィコ横浜までは1時間かからないで行けるはずなのであるため、ギリ東京と言えるかもしれない(言えない)。千葉にある遊園地も東京を名乗っているのでこれくらいは許されてほしい。

規模

 東京現代はアートフェア東京に比べて規模が小さい。2023年開催のアートフェア東京の参加ギャラリーは144軒で来場者数は約5.6万人、売り上げは30億円だった。一方東京現代の参加ギャラリーは79軒で来場者数は約2.1万人だった(売上は確認できず)。

 また、アートフェア東京は2003年から開催されているが、東京現代は去年(2023)から始まったものである。そこから見ると出だしは好調であると思われる。まだ歴史は浅いが頑張っていただきたい。

展示物

 アートフェア東京は現代アートが多いものの、古美術や西洋画なども置いてあった。しかし、東京現代はその名の通り、現代アートのみである。
 投資対象として現代アートは流行ではあるため、それに絞ったとしてもそこまで問題はないだろう。もちろん古美術や西洋美術も投資対象であるが。

VIP待遇

 今回一番違うと感じたことはVIPの待遇である。美術館が無料になったりラウンジが使えること、プライベート(VIP)ビューへの参加券などは一緒であったが、東京現代にはVIPプログラムというものがあった

 プログラムの具体的に内容を書いていいものかはわからないので詳細は省くが、県外へのアートツアーや大物アーティストのトークショー、ライブ、レセプション、大物コレクターのコレクションを見せてもらう機会などがあった。平日のものが多かったがどれも魅力的である。

実際に東京現代に行ってみた

 勤務先が神奈川県東部のため、午後のみ休んで向かうことができた。14時開催はありがたい。昼ごはんも事前に食べられる。

 15分前についたが大量に人がいた。アートフェアとは到着時間が異なるが、それ以上の数がいるのだろうか。結構VIPパスをばら撒いていそうである。ではなければ私はこの場にいないと思うので当然である。

アートフェア東京のVIPと比べて人も多いが、女性や若い人が多い。嬉しい事である。

 私の目当てはネルホル(nerhol)である。そのため、いの一番にYutaka Kikutaka Galleryに向かった。ちなみにnerholは千葉市美術館で個展が9月から行われる。興味深いアーティストなのでぜひ見て欲しい。

購入した作品について

 正直最近絵を買い過ぎている。そのため東京現代では購入する気はなかった。が、購入してしまった。
 絶対すぐに売れると思ったので最初に訪れてホールドしておいた。しかしその後、4人待ちになってしまったようで予定より早く購入を決断しなければならなかった。

 nerholの作品がこの値段で購入できるとは思わずびっくりした。ボーナスの羽振りが良かったので購入してしまった。円安ありがとう。人気も知名度も前より出てきて、もうそろそろ買えないような値段になるだろう。今のうちに買えて良かった。

nerhol (untitled)
nerhol はタイムラプスのように写真を撮り、それを重ねて削る彫刻のような作品を作る。そのため、同じ作品でも時間経過が分かる様になっている。
今回購入した作品はヒナギクかな?中央下部のところが分かりやすいだろう。日陰と日向の時が混在している。そして時間をかけて花が踊っているようだ。小さい自然。小さい生命。土色の額に入れて床に近いところに飾りたい。
この作品は相当人気だったようである。関係ないが本当に境界をテーマにした作品ばかり買ってしまう。
他の作品も良かったよ。一番左はモンシロチョウらしい。

その他気になった作品

安藤忠雄のドローイング。安藤さんのドローイング本当にいいよね……。
鈴木ヒラク。白井屋ホテルで泊まった際にも作品は飾られていた。
淺井裕介。犬島でみた作品が印象深かった。他作品と比べるとちょっとまどマギっぽい。
宮永愛子の作品。この作風のものは初めて見た。
同じく。類似品は弊社のお客様ロビーにもある。従業員も自由に見せてほしい。後写真撮らせてほしい。
リー・キット。原美術館での展示が懐かしい。絵画とプロジェクター。映り込む影まで作品である。とても繊細な作品。
サイゼリヤ。冷たいパンプキンスープの復活を待つ。
ユーイチロー・E・タムラ(田村友一郎)の作品?来たときは絨毯が敷いてあっただけだったような…。え?人形だよね?

VIPラウンジについて

 酒は飲めないがとりあえず休みたいので、ラウンジに来た。今回はVIP人数が多いためかなり混雑していた。というか座れない…。
 一番びっくりしたのはドリンクがすべて有料であったことである。アートフェア東京の時はシャンパンを含めフリードリンクだった。
 しかし、有料になったところで皆気にせず酒を飲んでいた。金持ちならそれはそうだろう。他のところにお金を回してくれるのであれば私にとってもありがたい。

ラウンジ。ほとんど知らない人と相席状態である。

 また、サントリー響も売っていた。100周年限定ボトルらしい。酒は飲めないがかっこいいので一つ購入した。ディスプレイ用である。

これで急遽総理大臣訪問などがあっても大丈夫(?)

東京現代で改善してほしいところ

 東京現代は今年で2年目である。そのため、私からみてもまだ少し足りない点がある。その部分を記述したい。もちろん一人のサラリーマンコレクターの未熟な視点かもしれない。

作品の掲載について

 アートフェア東京とは違い、サイトに作品の画像を載せる所が無いようで、事前に探すにはギャラリー毎のサイトに行くしかない。これは結構手間であると同時に、新たな素晴らしい作家を見つけにくい。これではギャラリーについている客がそこの作品を購入するという構造になってしまうのではないか。
 知っているギャラリーを中心に作品をサイトに行って調べたが簡単には東京現代の告知にたどり着けないものもあった。ここもなかなか不満である。もしかしてギャラリー側は東京現代に力入れてないのかな………。

VIPプログラムについて

  一番最初に募集を開始したときは6/1(土)当日だった。早速応募しようとしたが…

思わず藤原竜也になった

 ど゛う゛し゛て゛な゛ん゛だ゛よ゛お゛お゛ぉ゛お゛!゛!゛!゛

 当日朝起きてすぐ(6時)確認したが、まだ募集はかかっていなかった。いつ募集開始したのか。メールは届いていなかったはずだ。
 その後逐次確認するべきだったと思うだろう。その日は✨ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン Dream Live 2024✨に参加していた。私にとってはVIPプログラムよりドリライや他のファンの方と会話をすることの方が大事だった。とても実りのある経験あったため、後悔はない………が、残念無念また来週……。
 正直ドリライが終わってからでも応募できると思った。無理だった。VIPがかなり多いのだろう

 その日が過ぎてもプログラムはちょこちょこ増えていき、増えた際はメールで教えてくれる。そのため申し込めるだろうと思うだろう。こちらもほとんど無理だった。なぜか。更新されるのが大抵ド平日の真昼間だったからである。
 確かに高価なものを購入する方は大抵資産家であり、平日動くことができる人かもしれない(もしくは平日休みの方もいるだろう)。しかし、サラリーマンである私たちも微力ながらアート業界に貢献しているはずである。すべてとは言わないが、できれば1/3くらいは土日祝に流してほしい。勿論VIPが多いため枠もかなり少なく競争になるだろうが…。
 また、平日開催のものも多かったこともつらいところである。勿論利益のために行っているものであるため、仕方がない。仕方がないのはわかっているが、サラリーマンも現代アートを購入することを忘れないでほしい…。こちとらボーナス突っ込んでんだ…。年休取るからさぁ…。
 ただし、プログラムの情報が前日に出たものもあった。有休は1週間前には言わないといけないので、もう少し早い開示もお願いします…。

 因みに美術界隈の皆さまにも2.5次元はお勧めである。キャラの同一性など考察するところはたくさんある。

客のマナー

 これに関しては人数が多いため仕方ないところもある。しかし、主宰側でも改善できるところがあると思うので出来れば工夫してほしい。

・ラウンジ場所取り
 40分以上誰も座っていない4席を物を置いて場所を取っている人がいた。おそらく商談に使うのだろう。大事な客だったのだろう。しかし、他の人も使用するため出来れば止めて頂けたらと思う。
 東京現代側も、そういう人のために他にも席を有料で用意してくれたらうれしい。また、フリーではなく、席の案内も出来れば行っていただきたい。席がないのに来たもの拒まずだと机もなしに立っている人もいた。ラウンジの意味は…?

・待機列割り込み
 開場前に列に並んで待機していた際に、列の中に知り合いがいた人が割り込んで話してそのまま待機列へ入っていった。おいおい。
 個人的に実物を見るまではどうしても欲しい作品があったわけではないため、そこまで気にしなかったが、目当ての作品があり朝早くから待っていた人もいただろう。せっかく5列に並ばされているのだから、6列になっていないか確認してほしかった。

おわりに

 まだまだ課題が多いところではあると思うが、アートフェア東京より若年層が多く、入りやすい雰囲気もあった。また、作品もお手頃価格のものも多いため、これからもこのアートフェアは続いてほしい。一層のご活躍を祈念いたしております。


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