【英語の格言】Saint Francis of Assisi：不可能な目標を達成するには？
このコラムでは、英語の格言を紹介しながら、心が折れそうな時の立ち直り方や、成功するための心構えを思いつくまま書いてみます。みなさんが自分自身を見つめ、満ち足りた人生を送るための支えになれば幸いです。
あなたは、実現不可能だと思われることにチャレンジしたことがありますか。
「こんなの自分には『無理ゲー』だよ」として最初からあきらめる人もいれば、「なんとしても実現してみせる」という情熱をもって挑戦する人もいるでしょう。
実現不可能と思われることに対する対応のしかたで、その人の器が決まってくるのではないでしょうか。
今日は、「高い目標の達成方法」についてのこんな格言を紹介します。
不可能を可能にするためのステップ
Start by doing what's necessary; then do what's possible; and suddenly you are doing the impossible.
― Saint Francis of Assisi（Italian Catholic friar and preacher, 1181 - 1226）
自分にとって必要なことから始めなさい。次に、今自分ができることをやってみなさい。するといつの間にか、これまで不可能だったことができるようになっているものだ。
アッシジの聖フランシスコ（イタリアのカトリック修道士）
誰でも、一生に一度や二度は「無理かもしれないけれど、どうしても実現させてみたい」と思える夢や目標を見つけるものです。
そのような時、あなたはおそらく次の３通りのいづれかの行動を取ったのではないでしょうか。
１．自分にはとても無理だと思い、最初からあきらめる
２．その場の勢いで力任せに猪突猛進、正面突破を図る
３．ゴールまでの道のりを正確に把握し、逆算して少しずつ進む
まだ自分に自信のない10代ならば、立ちはだかる壁に圧倒されてすぐあきらめてしまう人も多いでしょう。また、血気盛んな20代であれば、根拠のない自信を持ってぶつかっていき、何度も跳ね返されてしまうかもしれません。
この格言では、まず自分の足元をじっと見つめ、今すぐ行動すべきことから始めるように説いていますが、これは確かにうなずけることですね。
当座の生活や仕事などを地道に行って足元を固め、目標へ向かうための基礎作りがまず大切になってきます。
ビジネスパーソンの間ではよく知られている「重要度×緊急度マトリクス」では、「重要で緊急なことをまず片付ける」というイメージですね。
可能なことにとりかかる
必要なこと、緊急に処理すべきことを片付けたら、心にも余裕が出てきますね。それは、次のステップに移る準備ができたことを意味しています。
人は誰でも、得意なことや好きでずっとやってきたことがあるはずです。
例えばあなたは、小さい頃から習い始めたピアノの演奏だったり、勉強は苦手でもサッカーではいつもストライカーとして活躍していたりしているかもしれません。そうした「いまできること」にとりかかってみましょう。
可能なことが不可能なことに変わる瞬間
自分のできることや得意なことを続けていると、より効率的により速く物事を処理できるようになります。
それは、自分の中に「未知なるレベルに到達する潜在能力」が育ちつつある証拠なのです。
ここまで来たら、自分の行動に限界を設けず、思い切ってできるところまでどこまでも走っていきましょう。こうした何も自分を邪魔するものがなくなった状態を人は「ゾーン」と呼ぶのかもしれません。
日本にも伝わるフランチェスコの教え
アッシジの聖フランチェスコは、安土桃山時代（1568~1603、諸説あり）に
日本に布教を行ったフランシスコ会の創設者です。
安土桃山時代とは、おおざっぱにいうと織田信長が京都に上洛し室町幕府を滅ぼしたころから、徳川家康の江戸幕府開幕までの時代をいいます。
フランチェスコは裕福な商人の家庭に育ち、若い頃は享楽的な生活を過ごしていました。
しかし、大病を経験したあとに経済的に恵まれた生活をむなしく感じ、神の道に進むことを決心し、ハンセン氏病患者や貧しい人たちの奉仕をおこないました。
日本ではあまり知られた存在ではありませんが、イタリアにおいては中世イタリアにおける最も著名な聖人のひとりとされています。
豊かさと貧しさの両面を知り、苦難の末に信仰の道を志したフランチェスコ。今回の格言は、人々のためというよりもむしろ、自分に向けての励ましの言葉だったのかもしれません。
東京都練馬区にある「コンベンツアル聖フランシスコ修道会」では、今も多くの学生がフランチェスコが創立した「兄弟会」の教えを学ぶために通っています。
それでは、またあした。
関西在住のWebライター/文筆家のタマゴです。私の書く文章があなたの人生を豊かにすることができていれば、ぜひサポートをお願いいたします。