見出し画像

【映画】3月4日(4日):PERFECT DAYS@シネピピア売布

こんにちは。お出かけ先生エンタメ英語塾代表のケンジです。
エンターテイメント分野(映像・音声・活字)のレビューやトレンドを中心に記事をエントリーしています。
本日は、WIM VENDERSの最新作「PERFECT DAYS」について、その感想をお伝えします。

はじめに

竹箒を掃く音で男は目覚める。

布団を上げ、歯を磨き、植木に水をやり、いつもの缶コーヒーを片手に「職場」に向かう。

渋谷のトイレ清掃に向かう道すがらかけるのは、ずっと昔の洋画カセット。「朝日のあたる家」だったり、「ドック・オブ・ザ・ベイ」だったり、「ブラウン・アイド・ガール」だったりする。

すみからすみまできっちりと磨き上げる。公園でサンドイッチを食べ、なじみの顔に会釈をし、「友だちの木」を写真に収める。

帰りがけにロックとつまみで軽く一杯やったら、銭湯に一番乗りして仕事の疲れを流す。

寝しなに文庫本を読んで灯りを消し、平山の「PERFECT DAY」は完結だ。

★★

僕らは欲やしがらみに惑わされ、タカシのように自分勝手に行動してしまうかもしれない。

あるいは友山のように、過去を悔いて元の妻に会いに行ってしまったり。

そんな市井の人間の性と生きざまを演劇のように描き出しているのが「PERFECT DAYS」なのだ。

★★

平山のように「完璧な人生」を生きるのは難しいと感じるだろうか。

しかし一発逆転を望まないのなら、あなたなりの「PERFECT DAYS」はきっとある。むしろ完璧な毎日を積み重ねることで、ずっと多くのものが手に入るはずだ。

あなた自身の「PERFECT DAYS」を知りたいのなら、この映画を見るべきだ。見終わった帰り道、自分の心の奥底にある深い淵をのぞいてみよう。

その水面に映る自分の姿こそが、あなたの目指すべき道程なのだ。

映画情報:PERFECT DAYS

公式Webサイト

note:映画配給会社ビターズ・エンド

「PERFECT DAYS」の映画館(上映館)


この記事が参加している募集

映画感想文

関西在住のWebライター/文筆家のタマゴです。私の書く文章があなたの人生を豊かにすることができていれば、ぜひサポートをお願いいたします。