20代未婚で子宮頸癌になった話

初めまして。ギリギリ20代のいそです。
30歳を目前にして子宮頸癌になった話をしようと思います。
発覚までの経緯や治療の流れをはじめ、周囲のサポートや声かけで嬉しかったもの、反対にちょっと凹んだもの、などなどシェアしますので、私の経験がどなたかの参考になれば嬉しいです。
*「子宮頸癌って何?」って方はこちら。絵とかあって分かりやすい↓
<公益社団法人 日本産婦人科学会のウェブサイト>
http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=10#:~:text=%E5%AD%90%E5%AE%AE%E9%A0%B8%E3%81%8C%E3%82%93%E3%81%A8%E3%81%AF,%E5%89%B2%E7%A8%8B%E5%BA%A6%E3%82%92%E5%8D%A0%E3%82%81%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

発覚から検査・手術まで

超健康優良児の私はこれまで大した怪我や病気もしたことがなく、学生時代はほぼ皆勤賞。「寝れば治る」精神で生きてきたし、それは今も同じ。
そんなある日、不正出血したんですね。
正確な時期は記憶していませんが、2021年1月頃だったかな。
まぁほっときゃ治るっしょ、と思っていました。
が、やたらしょっちゅう出るもんで、さすがに何?面倒くさっ、とは思いました。洗濯とか洗濯とか洗濯とかね。
しばらく様子を見ていましたが、お付き合いしているパートナーがあまりにも心配するもんで、しゃぁない行くかって感じで家から徒歩5分の激近クリニックに行ったのが2021年4月14日(水)。
症状を説明したら「子宮頸癌の検査をしましょう。体癌はまだ年齢的に大丈夫だと思うけど、頸癌の検査は絶対やった方がいい」とのこと。
ちなみに私は20歳頃からピルを服用していることもあり、産婦人科を受診することへのハードルはゼロでした。産婦人科へ行くことに抵抗がある方は、女性の医師が検診担当してくれるクリニックをお勧めします!

子宮頸癌の検診は2年に1回が推奨されていますが、おそらく私は3年くらい間があったと思います。
検査内容は子宮頸癌検診を受けたことのある方ならご存知の脚パッカーン&内部を診るための超音波やら何やらと、その部位を綿棒みたいなので軽くこすって細胞を採取する細胞診。どちらも痛みゼロです。
検査結果は2週間後とのことで、4月28日(水)に改めて受診。
結果は「中等度もしくは高度の異形成」とのこと。異形成は前がん状態を指します。
好ましい結果ではないので、とりあえず精密検査しましょう、ってことでこの日にそのまま精密検査をしました。
精密検査の内容はコルポ生検というもので、こちらもまた脚パッカーンして器具を入れ(そんなに大きくない金具みたいなやつ)、3ヵ所くらいバチーンと組織をとりました。少しだけ痛いですが、大したことはないです。余裕で耐えられます。
その後は止血のためにガーゼを詰めて別部屋で待機して、30分ほど安静にしてから帰宅しました。
結果はまた2週間後。また2週間待つんか~と思いましたが仕方ないですね。

組織を取った箇所から出血があるかも~と言われていました。検査後から微量の出血は続いていましたが、5月1日(検査3日後)に少し血の量が増えたかな~?という感覚あり。
翌日5月2日から3日に日付が変わる頃の深夜、お風呂から出た後に大量出血。昼用のナプキンが1時間弱で全部染まり、かなり外にまで漏れていました。血の気引きましたで。
とはいえ夜中で休日ということもあり、具合も悪くないので一晩寝て様子を見ることに。
朝も多少の出血は続いていたので、祝日でも病院を受診すべきか判断を仰ぐために東京消防庁の救急相談センターに連絡をしたところ、受診してくださいとのことで自宅近くの女子医大に行きました。結果、組織取った場所からの出血なので問題なしとのことで止血してもらって帰宅しました。ちなみに東京消防庁に電話をしたのはこれが初めてでしたが、電話はすぐに繋がりました。「どうされました〜?」みたいな感じではなくて、現場はめちゃくちゃ逼迫してるんだろうなと雰囲気がしました。症状を伝えて受診を勧められた後は、自宅近くの祝日診療している病院をいくつか教えていただきました。その後は自分で各病院に電話をし、症状を伝えて診ていただけるか確認します。一箇所目は初診ということで断られた、二箇所目で受け入れていただけました。

コルポ生検から2週間後の5月12日(水)に検査結果を聞きに受診したところ、「上皮内癌」と診断されました。高度異形成のもう一段階上のやつです。
いつか自分が癌と診断されたら「ガーン」って言おうと決めていたのですが、その時がくると意外と言えないもんですね。これは今でも後悔しています。

円錐切除の手術を勧められ、担当は院長先生に。その日は院長不在のため、手術日や注意事項を伺うためにその週の土曜日に再受診しました。
この日までに術式とか色々調べまくったんですが、結果私にはやっぱり円錐切除が最善と納得したので、そのまま手術を受けることにしました。
ちなみに円錐切除の他にはレーザーとかあるみたいです。レーザーの方が妊娠のことを考えると影響が小さいようなのでそっちのがいいやん!と思いました。が、円錐切除の手術は悪いところを切除する治療的側面と、切除部分を病理検査にまわして更に調べる検査的側面があります。私には検査が必要だったんですね。
色々説明を受けて、5月25日(火)に日帰りの全身麻酔での手術が決まりました。
ちなみにここまで食事や運動等、日常生活の制限は一切なしです。
この日から手術当日まではピルの服用を中止するようにと言われたくらい。
手術の前日は21時から食事禁止だったかな。
全身麻酔ということもあり、当日の帰宅時は公共交通機関で帰りましょうとの注意を受けたのと、顔色を見るためにノーメイク・爪も何も塗るな、髪は結わくように、カラコン禁止、と言われました。カラコンかー、高校生の頃つけてたけど「どこ見てるかわかんない」って言われてやめたなー。笑
ネイルやっている方、普段カラコンつけてる方はご注意ください。

円錐切除術(浅め)

前置き長くなりすぎた。焦
5月25日(火)円錐切除術を受けました。
ちなみに切除する深さについて「今後妊娠を希望するなら浅めに切ることもできるけど、癌細胞を取りきれないリスクもある。深めに切ることもできるけど、流産・早産のリスクは上がる」と説明を受けていました。
私は将来的に子どもが欲しいな~と思っていたので、再手術を覚悟の上で浅めに切ってもらいました。
生まれて初めての手術で少しドキドキしましたが、手術時間は15分~30分くらい。麻酔をしているので一ミリも痛くありません。
手術が終わって手術室で起こされて、謎に気分がハイになっていたので「皆さん本当にありがとうございました」としっかりめに全員に感謝の言葉を述べました。笑

手術の後はしばらく休みます。切った場所は多少痛みましたが、鎮痛剤は無くても耐えられるレベルです。
生理痛の弱~中くらいかな。
ちなみに私の生理痛は激重で、本当に辛い時は外でうずくまって一歩も歩けなくなり親に迎えに来てもらうレベルです。
汚いトイレでも床に寝てのたうち回ります。
生理痛に比べれば何のその、ですね。
手術直後が痛みとしてはピークだったので、翌日は若干の違和感があるかな?程度で痛みは引きました。

手術で切り取った部分の病理検査の結果はまた2週間後。

ちなみにこの後もまた大量出血かましました。
5月5日(術後10日)、3時間くらい集中して出血しました。
1時間弱で昼用(多い日用)のナプキンが全部染まるのを3回繰り返しました。
外出中で電車乗ってたのでまじでヒヤヒヤしました。要注意です。

術後10日~14日後くらいに出血あると思います、と言われていたので焦らず対応できました。ちなみに術後2週間ずっとナプキンつけてました。常に微量でも出血は続きます。

大学病院への転院

手術から2週間後の6月8日、切除部分の病理検査の結果を聞きに行きました。
この時点で初診から約2ヶ月です。
結果としては「あまりよくない結果で、浸潤が見られます。大学病院に転院しましょう」とのこと。
なんとな~く嫌な予感がしていたので的中です。
浸潤癌は、上皮内癌のもう一つ上の段階ですね。
その先生の出身大学の病院を紹介してくださるとのことだったのですが、次の円錐切除で癌を取り切れなかった場合は子宮全摘になってしまうため、それは避けたいな〜と色々調べました。病院のウェブサイトとか論文読み漁ったりとか。すると、ある大学病院だと子宮頸部のみの摘出が可能と分かりました。
もちろん患者さんや術後の状態によってその術式が適用されるかどうか異なりますし、メリット・デメリットあることは承知の上です。
が、そうなった場合のことを考えて、院長先生の出身大学病院ではなくそちらに紹介状を書いてもらいました。

翌日6月9日に紹介状を受け取りに行き、帰宅後すぐに大学病院の初診外来受付に電話しました。
「早い方が良いですよね、明日はどうですか?さすがに急ですか?」と聞いてくださり、翌日の6月10日に紹介状とプレパラートを持って伺いました。

とりあえず内診してもらって、超音波と拡大鏡で確認してもらいましたが、まだ手術した箇所の傷が治っていないので見づらいとのこと。
手術から一ヶ月経ったあたりのタイミングで精密検査をしましょう、とのことで、6月21日と22日にMRIとCTとPETCTを受けました(血液検査は初診の時に済んでいます)。
MRIとCTは検査中に注射で造影剤入れるんですが、気持ち悪かったです。なんとも言えない気持ち悪さです。吐き気とかはないんですけどね。
PETCTでは注射担当してくれる看護師さんと生年月日が一緒だったので「20代もあと少しですね~」なんて話をしてちょっとほっこりしました。

6月24日、検査結果を聞きに行きました。
画像診断の結果、明らかな癌細胞は見当たらないので子宮の全摘および子宮頸部摘出の必要はなし。ただし円錐切除の再手術が必要かはまだ分からないので、7月末に再度受診して組織をとって、その結果を見て決めましょうということになりました。
「前回の円錐切除でもう少し取ってれば、と思っちゃうけど、まぁ結果論だからねぇ」みたいな感じで言われたので「浅く取るか深く取るか希望を聞かれたので、再手術覚悟で浅く取ってもらいました。私の希望です」と伝えたら若干苦笑いしてました。
「俺だったらもうちょっと取ってたな」みたいな意味を含んでるのかな?と勝手に思いました。
手術前に浅く取るか悩んでいろいろ検索したのですが、これに関する情報はほぼ出てこなかったので、おそらく選ばされることなくお医者さんが決めてるんだろうなぁと想像します。

診察・治療については一旦ここまで。

精密検査の結果を聞く際に腹はくくってたつもりなんですが、さすがに結果を聞く前夜にめちゃんこナーバスになりました。
年齢的に友達から今後妊娠・出産の報告を受けることが増えると思いますが、もう心から100%でおめでとうが言えなくなってしまうんじゃないか、とかね。
転移してると命にもかかわるので、それももちろん不安でしたが、どちらかというと全摘への恐怖が圧倒的でした。
子どもを産めなくなるという現実を背負いながら生きていく将来を受け止める自信がなかったんですね。
いやー、本当、結果聞く前夜は久々に号泣しました。てへぺろです。

周囲の協力や声かけについて

まずは仕事。
いつ治療が終了するかもわからない状態でちょこちょこ休むことになってしまったのですが、私のチームは年明けからコロナの影響で人数減っていまして、少数精鋭でやってきたんですね。
なので、大して使い物にならない私ですが、やはり一人欠けるとめちゃくちゃ迷惑かけるので。
変に濁しても仕方ないので、全てありのままを伝えて相談しました。
上司は私の許可をとったうえですぐに上に報告・相談してくれて、「しばらく休んでもいいし、働いた方が気が紛れるならもちろん働いてもらってOK。週休4日とか5日が良ければそれでも良いし、時短でもいいよ。仕事の内容も、顧客対応が精神的にきつかったらやれるものだけでOKだから。とにかく自分の身体のことだけ考えてね。仕事はどうにでもなるから」とのお言葉をいただきました。すごくないですか?すごすぎますよね。感謝の言葉もありませんでした。

もう一人の女性の上司は、仕事はもちろん、母親のように心配してくれました。毎日のように体調はどう?と連絡をくださり、「仕事のフォローはもちろんするし、たとえば病院調べるとか、通院に付き添うとか、そういうのも含めてなんでもするから言ってね!」と声をかけてくれました。
また、私の性格もよく分かってくれていて「辛い時は辛いって言っていいんだよ。大丈夫って言わないで。泣いていいの。頼ってくれるのが嬉しいんだよ」と言ってくれました。
女性上司の存在は非常に大きかったです。皆さんもこの声かけ、是非参考にしてください!

あとは、オーストラリアの仲良しのお友達に話した時に、一通り伝えた後にとりあえず大丈夫よ!みたいな意味合いで "I'm fine, though"と言ったら"Yeah, but I'm not fine"と自分のことのように心を痛めてくれていたのが印象的でした。良い友達を持ったな~と思いました。

そして近くで支えてくれたパートナーには感謝してもしきれません。最初は心配かけるし伝えるか悩んだのですが、今後の妊娠に関わる様々な影響を考えたら伝えるべきだと思い、全て話しました。彼にも彼の人生があり、子どもを持ちたいという希望も知っていましたし、彼にも選択の自由があります。情報を開示しないということは、相手に選択をさせないこととイコールだと考えているので、振られるの覚悟で伝えました。が、変わることなくずっとそばにいてくれました。せっかく素敵な人に出会えたのに何で今なの?と何度も運命を恨みましたが、彼が心配してくれていなかったらそもそも病院にも行っていなかったと思うので、命の恩人ですね。

そしてお次はちょっと凹んだ声かけです。

もちろん皆心配してくれるんですよ。一緒に頭抱えてくれるんです。でも、「最後に検診受けたのいつ?」「定期的に検診受けてた?」「なんで(子宮頸癌に)なっちゃったんだろうね」と言われたのはキツかったですね。
分かるんですよ、単純に疑問に思ったから聞いてるだけで他意はないんです。
でも、「え、なんで癌になったのかは私が知りたいわ」「仮に全くこれまで検診を受けてなかったとて、私が悪いので癌になろうが手遅れだろうが自業自得ですとは割り切れんわ」と思ってしまいましたね。
特に「子宮頸癌」という病気の特性から、異性と奔放に遊んでたんか?みたいなこと言いたいのか?とか思っちゃいましたね。これは完全に私の被害妄想です。すみません、心に余裕がなかったもんで。
たぶんこの質問と声かけは、治療が全部終わった後なら何も思わなかったと思います。今後どうなるか分からなくて不安でいっぱいの時に言われたからキツかったんだと思います。
声のかけ方とタイミングには気を付けましょう。

最後に

まだ最終結果は分かっていないので、検査は続きます。
再手術するかもしれないし、しないかもしれないし。
ただ、癌が発覚したときに同じように罹患した方のブログ等がすごく参考になったので、私も発信しようと思った次第です。

健康第一ですね。皆さん是非定期健診受けてください。
そして子宮頸癌は撲滅できる癌です。
小さなお子様がいる方は、癌の原因となるHPVのワクチンもあるので是非接種を検討してください。

それでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?