マッツ・ミケルセンの沼で思い出すネイバーまとめ
「まとめサイト」なるものは今やオワコンである。
昨年、かつて一世を風靡したまとめサイト界の大金星、「ネイバーまとめ」がひっそりとその幕を閉じた。
それを悲しんだ人はどれくらいいただろうか。
往時はかなりのPVを稼ぎ、それがゆえに責任の所在が曖昧なまま誤発信を頻発していた医療系サイト「WELQ」など、問題が噴出しまくっていたまとめサイト。メディアの片隅に身を置く私自身も、勝手に自分の記事の写真や一部テキストがまとめサイトに使われ、イラっとしたことは何度かあった。しかしそんな私の周りですら、「ネイバーまとめ」が無くなることは大した話題にならなかった。完全に過去のモノとなっていたんだなぁ。
「時代の徒花」という表現は、まさにああいうモノのためにあるのかもしれない。ただ、近年では完全にオワコン状態だったまとめサイトだが、その全てを否定するのは惜しいと思う部分もある。なんてことを言うと「こいつはメディア人の風上にも置けねぇぜ」みたいな議論を巻き起こしそうだが、まーどーせこんなnoteなんて誰も読んじゃいないので、まとめサイトの墓標としてここにこれを記す。
他サイトからのキュレーションゆえグレーさが必ず付きまとったまとめサイトだが、その中にもごく一部、編集力がキラリと光るものがあった(少なくとも私の琴線には触れたものがあった)。「このワーディング、面白過ぎる!」「この組み合わせの順序、めっちゃセンスある!!」というように、まとめ作成者のウィットが溢れまくっていたシビれる作品(…作品?)があった。
個人的に今でも「あれがもう一度読みたい」「魚拓を取っておけばよかった」と思い返すネイバーまとめが2つある。1つはデンマーク人俳優、マッツ・ミケルセンについてのまとめ。
007シリーズの「カジノ・ロワイヤル」(ダニエル・クレイグがボンドになって1作目の007)で悪役ル・シッフルを演じていた超スーパークール&セクシー(薄い唇がめっちゃセクシー!)な”北欧が生んだ至宝”こと、マッツ様である。ル・シッフル役しかり、サイコパスでヤベェ奴を演じるとめっちゃはまる彼(最近だと、ジョニデがアンバー・ハードとの離婚にまつわるいざこざでグリンデルバルド役の降板を余儀なくされた「ファンタスティック・ビースト」でジョニデの代役に選ばれていた。それもハマってるね!)だが、その“北欧の至宝”を紹介するネイバーまとめのタイトルが、
【私服が】おいでよ!マッツ・ミケルセンの沼【ジャージ】
だったことが忘れられない。そしてそのタイトル通り、あのお美しい顔と逞しい体躯とは全くもってチグハグな、休日のお父さんと言えばまだいいけど、90年代フーリガン風(なんていうの?オアシスのファンにいそうな感じとかとでも言うの?世界一周旅行中で安宿にいるヨーロッパの若者風な若干こぎたない感じ。とか言ったらオアシスファンにもマッツファンにもマジ切れされちまいそうだぜ!)なテキトーなジャージ姿の写真が並んだあのユルい感じ…。思い出しただけでご飯三杯食べられそうなくらい面白いわ。
しかも、結構イイ感じの映画イベントとかの場(共演者はちゃんとタイドアップ&ドレスアップしてる)にも薄緑(だったように記憶。違うかも)のジャージ姿で現れている写真とかもあった。
ま、正直これはまとめの出来云々の前に、マッツ・ミケルセンの仕事とプライベートの落差そのものが面白い、という話ではある。という話ではあるのだが、いやーじゃあ貴方はマッツ・ミケルセンでまとめを作る時に
【私服が】おいでよ!マッツ・ミケルセンの沼【ジャージ】
というタイトル付けられますか?っていう話ですよ。このインターネッツ的ワーディングは本当にチャーミングだったわ。それゆえ今でも思い出せるわ。しかし、キュレートされた側の映画情報サイト運営者さんとかの中には、勝手にPV稼がれて怒り心頭だった人もいたんだろうなー。写真の権利関係も明らかに曖昧だったし、やっぱ許されないよね。
というわけで、個人的忘れられないネイバーまとめ第1弾、マッツ・ミケルセンの沼篇でした。長くなってしまったのでもう一つの方はまた次回語ります。
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