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近況報告のようなもの

前回の日記で、ばあちゃんとの近況を数日中には書くと言いながら、全く日記の更新ができない期間が続いてしまった。
その間に何をしていたのかと書き出せばとんでもない文量になってしまうので、大きな事柄をいくつか。

NEO POGOTOWNのこと

昨年の4月頃から意気込んでいた改装作業が大分進んで運営メンバーも増えた。

現在、服屋のmzizm、刺繍のアトリエ兼ショップのexistence、TattooスペースAlchemy tattooの改装が完了しており、僕の持ち場だったBARスペースはヤマザキOKコンピュータに譲り、喫茶店として生まれ変わった。

それにより、今まで僕が続けた"お客さんが自分自身でドリンクの値段を決める"自由価格システムではなくなったが、代わりにヤマちゃんがフェアトレード、産地や生産者など、丁寧に気遣っており、安心して飲めるドリンクが中心となった。

ただし、以前のようにお金に余裕のない人でも受け入れられるスペースとしては機能しておきたいので、バーカウンター以外でのテーブル席では引き続き持ち込みでの飲食は自由としている。
なので、金がなくてもヒマな人はいつでも遊びに来て欲しい。

そして僕はと言うと、もう一つ別にNEO POGOTOWN内に新たなエリアを作ることにした。
缶バッジやカッティングステッカーをお客さんが自由に作ったり、シルクスクリーンプリントのワークショップを行ったり、照明や撮影機材、プロジェクターなどのレンタル、映像やデザインの依頼を受ける窓口を開設した。

このスペースはSouth Nerd Filmのコウヘイくんと共同でやっている。
コウヘイくんは僕らアルカシルカの2度のヨーロッパツアーに帯同してツアーの記録とともにヨーロッパで不法占拠された建物"スクォット"の記録映像も撮っている(こちらは未だ正式には発表していない)。
ちなみに彼は、個人的に日本で一番僕好みのライブビデオを撮っている男(空気感や生々しさが伝わって本当に素晴らしい)なので、県内外問わず、是非彼にライブビデオやミュージックビデオの制作を依頼して欲しい。

South Nerd Film】←Youtubeチャンネル

なお、音楽スタジオの騒音舎はスタジオの部屋をもう一つ増やす予定だが、まだ完成はしていない。(僕のスペースも改装自体は途中)


ばあちゃんのこと

COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に罹患した祖母は、2度の脳梗塞になり、父親からは「もしものことを覚悟しておいてくれ」と言われたが、次第に時間をかけて意識は明瞭になってきた。
しかし、後遺症として半身不随になってしまい、よりによって左半身が動かなくなっていた。

ばあちゃんは、第二次世界大戦中に利き腕だった右腕を失ってしまったため、現在では右足しか自由に体が動かせなくなった。
そのため、COVID-19が治った後も関係者以外出入りができない施設に入所しており、そこでリハビリを行う日々を続けている。


ぼくのこと、バンドのこと

僕は1月頃から生活の中心を東京へ移した。
とは言え、月の3分の1は沖縄にいるのだが。

そんな中で、アルカシルカのメンバーをサポートではなく、正式に探すことになり、募集をかけてみたところ東京からギターNOKが、沖縄からドラムスKPが名乗りをあげてくれた。
セカンドアルバム用の曲が10曲近く用意されていたためそのままアルバムの制作に取り掛かろうと考えていたが、次回作は12インチレコードであること、ファーストよりもややこしい作りのアルバムになるため制作費がとんでもなくヤバそうなのに加え、NOKは元々バンドはやっているが、ギターはほとんど初心者だという事もあり、一旦シングルのデモを作ることにシフトした。

そこで、またばあちゃんの話に戻る。
父親には以前から「ばあちゃんの話を聞いておきなさい。そして出来ることならその記録を残しておいてほしい」と言われていた。

その言葉もあって、ばあちゃんから話を聞こうと思ったものの、記録したものをどういった形で伝えていくべきか考えた末に、その記録の一つとして自身のバンドを通した表現が最も人に届けられるものなのかもしれないと考え、なんとはなしにアコーディオンのマリに相談してみた。
すると、彼女も丁度「戦争体験者は減っていく一方で、自分たちの世代が彼らの言葉を伝えていかなきゃいけない」と危惧していた事もあって、僕の非常に個人的な事情を「アルカシルカとしてやりたい」と他のメンバーにも伝えてくれて、僕らはこれまででやったことのない「他者から話を聞いてそれを歌にする」という音楽の作り方に、挑戦した。

今までやった事の無い作り方に加え一人の人生を一曲にまとめるのはとても難しかったものの、「忘戦歌」というタイトルの曲ができた。
これは、これから作るZINE(自費出版物)の収録音源となる。

この他に、アルカシルカとしては初めて、僕が育った米軍基地に隣接するコザという街についての歌も収録予定だ。

なんでもかんでも賛成や反対、敵や味方だけの二極のみで切り分けられるほど物事は単純ではないという僕のモヤモヤとした感情や葛藤、あるいは矛盾などが入り混じった、自分の正しさを指し示せるような歯切れの良いものとは言えない作品になるとは思うのだけど、誰もが血の通った人間であるということを思い返せるものにはしたい。
来月の梅雨明けには発表を目指している。



ちなみに新しいメンバーは22歳と24歳で、バンドの平均年齢がフレッシュになったなあと思ってたら、GEZANの新しいベーシストのヤクモアくんは18歳だった。とんでもねー。

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