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日大通信 教職科目 科目修得試験の攻略法

 つい先ほど、6月に開催された科目修得試験の結果が発表されました。私は教育相談1科目のみの受験でしたが、無事合格を頂き、これで日大通信で取得予定の単位は夏スクで取っている英語科教育法Ⅰ・Ⅱの2つを残すのみとなりました。
 今回の記事では、教員免許取得予定の方が必ず取ることになる教職科目(正式名称では、『教育の基礎的理解に関する科目』・『道徳、総合的な学習の時間等の指導法及び生徒指導、教育相談等に関する科目』の2つに該当するもの)について、そのかもしゅうの攻略法について簡単にまとめたいと思います。
 最初、リポートの作成方針についてもまとめようと思いましたが、記事がとんでもなく長くなってしまうのでやめました。リポート編は気が向いたら後で書きたいと思います。


戦績

 最初に、教職科目に絞って戦績をまとめておきます。

  • 1年目第2回かもしゅう

    • 教育原論 合格

  • 1年目第3回かもしゅう

    • 現代教職論 合格

    • 教育課程論 合格

  • 1年目第4回かもしゅう

    • 発達と学習 合格

    • 特別支援教育概論 不合格

  • 2年目第1回かもしゅう

    • 特別支援教育概論 合格

    • 生徒指導・進路指導論 合格

  • 2年目第2回かもしゅう

    • 教育相談 合格

<注>
教育の社会学は10月スクで取得、特別活動・総合的な学習の時間の指導法は1年目後期メディアで取得、教育制度論及び道徳教育の理論と方法は履修なし(高校1種免許のみのため)

ということで、8戦7勝という結果でした。個人的感想としては、とにかく退屈なテキストが多く、なかなか勉強する楽しさを見いだせない科目が多かった中、自分としてはまずまずの結果だったかなと思います。

この記事の活用の仕方

 上の戦績に書いた教職科目について、かもしゅう合格の難易度を低・中・高で示した上で、それぞれの攻略方法を私の雑感として述べていきます。ご自分がこれから取る予定の科目の対策や、スクーリング受講との検討の際に参考にしていただければと思います。
 なお、かもしゅうの作問者が変わり、私が履修した時と傾向が変わる可能性もありますので、その点についてはご容赦ください。(既に傾向が変わっている科目があれば訂正するので、教えてください)
 対策方法として、前に書いたかもしゅう対策の記事の方法を前提としているので、こちらも合わせて参考にしてください。

1.現代教職論(合格難易度:中)
【もこみち不可・出題に規則性有り】

 教育実習受講条件になっており、教職入門的な位置付けの科目として、早い段階で履修される方が多いかと思います。
 リポートは「”本気さ”を読み取る」という何とも主観的な基準が書かれていて戸惑いますが、かもしゅうは5パターンの問題からのみ出題され、その全てについて回答をストックしておけば問題無いので、対策は簡単です。
 なお、出題サイクルはランダムですが、問題のパターンが5パターンしか無く、年度内に同じ問題が出題される事は無いので、第1回、第2回、第3回と回を追うごとに出題される問題が絞られてくるという手抜き親切設計となっています。
 このため、5つの問題パターンから既にその年度に出題されているものを除いた問題の回答メモを作成し、試験日までにそれを頭に叩き込んでおけばOKです。

2.教育原論(合格難易度:低)
【もこみち可・出題に規則性無し】

 出題に規則性はありませんが、テキストもこみち可で、テキストだけで回答可能な問題しか出題されないので超簡単です。この科目の対策に時間を使うのは無駄なので、他の科目の対策に時間を使いましょう。
 具体的には、毎回、一人の教育思想家の思想について説明せよという問題が出ます。テキストの構成も思想家ごとになっているので、出題された思想家の項目を1時間で要約すればOKです。
 どうしても万全を期したい人は、テキストを一通り読んでそれぞれの思想家の思想の特徴を箇条書き3つくらいでメモしておくと良いと思います。教員採用試験を受ける場合は、テキストに書いてある思想家は後で勉強することになると思うので、全く無駄にはならないと思います。

3.発達と学習(合格難易度:低)
【もこみち可・出題に規則性無し】

 こちらも、教育原論と同様にもこみち可で難易度低です。
 教員採用試験のいわゆる教育心理の分野の問題がランダムに出題されます。かもしゅう対策として時間を掛ける必要は無いですが、教育原論と同様、教員採用試験の知識として重要な部分でもあるので、その対策を兼ねて試験前にテキスト全体をざっと読んでおいても良いと思います。忙しい方はぶっつけで大丈夫です。

4.特別支援教育概論(合格難易度:中~高)
【もこみち不可・出題に規則性無し】

 この科目は結構難しいと思います。ナメてかかった結果、私は一度落ちました。回答欄も1枚目の2/3くらいまでは埋めてたので、採点が甘いという事も無いです。
 過去問と全く同じ問題は出ません。ただ、問い方が違っていでも根拠となる知識は同じである場合も多いため、出そうなトピックについて回答メモを作成しておく戦略が有効です。
 特別支援教育という科目の論点としては、「通常の学校における特別支援教育」と「特別支援学校における教育」の2つに分かれますが、かもしゅうでの出題は前者の方に大きく偏っている印象があります。具体的に言うと、身体・知的障がい者教育よりも、発達障害者・学習障がい者や、それらの前提となるインクルーシブ教育といったトピックからよく出ます。
 なので、戦略としては過去の出題トピックを5,6個くらいに絞り、そのうちから同年度に出題されているトピックをのぞいたものに対して回答メモを作って頭に叩き込むという方針で良いと思います。
 また、メタ的な視点として、”インクルーシブ教育”、”合理的配慮”といったトピックは、特別支援教育全体の前提となっている考え方であるため、そこを確実におさえておけば、どんな問題が来てもその知識で回答を水増しして部分点を稼ぐことができます。
 あくまで私の主観ですが、個別トピックの回答メモ作成+インクルーシブ・合理的配慮の合せ技で回答を埋められれば、B・C評価はあっても不合格にはならないと思います。

5.教育課程論(合格難易度:低~中)
【もこみち不可・出題に規則性有り】

 4パターンの問題が毎年規則的に出題されます。こちらも現代教職論と同様、同年度に同じ問題は出題されない省エネ親切設計です。
 4パターンの回答メモを作って頭に叩き込みましょう。

6.教育の方法・技術論(合格難易度:中)
【もこみち不可・出題に規則性有り】

 問題は4パターンで、出題はランダムですが同年度内に同じ問題は出ません。
 ただ、問題文の指示がざっくりしていて出題意図が読みづらいので、かもしゅう対策の記事に書いた「論じなさい問題の回答の仕方」を参考にして、しっかりとした構成でボリューム多めに書くことをおすすめします。

7.生徒指導・進路指導論(合格難易度:中~高)
【もこみち不可・出題に規則性無し】

 出題に決まったパターンが無く、テキストも2冊あって範囲が広いので、合格難易度は高めです。しかし、合格率を高める戦略は立てられると思います。
 問題は毎回2題出題され、1問は生徒指導、もう1問は進路指導に関するものです。正攻法ならば出題の可能性があるトピック全てに対し回答メモを作るという方策になりますが、テキストの量が膨大であるため非現実的です。
 ではどうすればいいか。戦略を一言でまとめると、「どんな問題が来ても対応できる汎用的なトピックを確実に頭に入れておく」となります。生徒指導・進路指導それぞれについて具体的に説明します。
 まず生徒指導について、過去問では生徒指導の各論トピックまたは発達障害に関する問題が出題されています。生徒指導各論については、「集団指導と個別指導」「児童生徒理解」「生徒指導の3パターン」の3つの回答メモを作って確実に頭に入れておきましょう。この3つは生徒指導全ての範囲の前提となっているテーマです。従って、生徒指導の各論に関してはどんな問題が来てもこれを書いておけば全くの的外れとなることは無いと思います。これを使って文字数を稼ぎ、あとは有り合わせの知識でなんとか形にすれば合格ラインには到達すると思います。一方、発達障害については、本来生徒指導の主要トピックではないため、出題範囲はかなり限定されます。テキスト(生徒指導提要)の第6章第2節の回答メモを作って頭に叩き込んでおけばどんな問題が来ても困ることは無いと思います。過去問分析をすると一見発達障害の問題がイレギュラーに見えますが、実はこちらも問題が出たほうがラッキーです。
 進路指導分野の戦略は、「進路指導の変遷」「これからの進路指導」2つの軸で回答メモを作りましょう。進路指導の変遷に関しては、「昭和の進路指導の反省→キャリア教育の登場」という流れを基本として、どういった反省のもと、どういった教育の形を目指しているのかという形で回答メモを作りましょう。これからの進路指導については、「基礎的・汎用的能力」を確実に頭に入れ、説明できるようにしましょう。これら2つの武器があれば、とりあえず回答用紙は埋められると思います。更に万全を期すのであれば、テキスト(キャリア教育の手引)の1章だけでいいのでざっと読んで気になったポイントの回答メモを作っておきましょう。第2章・第3章の内容は各論過ぎるのでおそらく試験には出ないです。

8.教育相談(合格難易度:中)
【もこみち不可・出題に規則性有り】

 問題は5パターンで、同年度内に同じ問題は出ないため、その年に出てない問題の回答メモを作って頭に入れておけば問題ありません。範囲が生徒指導・進路指導論と結構被っているので、同じ回で受けると対策の効率が良いと思います。
 出題形式は全て「論じなさい」なので、かもしゅう対策の記事の「論じなさい戦略」も参考にしてください。

おわりに

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。
 個人的には、教職科目は他の科目と違って学問としての面白みに欠け、興味を持って学びに向かうのが結構難しかったです。ただ、教員免許取得には絶対に避けて通れない部分なので、この記事を参考にして効率的に対策を進めて頂ければと思います。
 次回記事は、リポートの書き方応用編か、教職科目の履修戦略について書きたいと思います。他にも記事でまとめて欲しいトピックがあれば、コメント欄でもTwitterでも構いませんので是非お寄せください。

ご批判に対して

 こういった記事をアップすることに対して、学修の効果を下げるから良くないというようなご批判もあるかもしれません。それに対する私の考えを書いておきます。
 まず第一に、上に書いたような内容は誰でもちょっと過去問を分析すれば書ける内容であり、こういった情報があった上で「試験に出そうな範囲だけに絞って勉強するか」「試験に出なさそうな範囲も勉強するか」という選択はこの記事を読んでも読まなくても学生側ができるので、殊更この記事によって学修の効果が下がるという事は無いと考えています。
 更に言うと、前の記事でも書きましたが日大通信のリポートや科目修得試験はだいたいの場合において簡単過ぎるものばかりです。言い換えると、もともと単位取得に求められる学修のレベルが低く、そのライン以上の学びをするかしないかは常に学生に委ねられています。そして、ほとんどの学生はこのラインを超えた学修はしていないと思います。
 では、こういった試験対策情報が出回って、学生の見かけ上のレベルが上がるとどうなるでしょうか。おそらく、試験やリポートの要求レベルが上がります。そうなると各科目が要求する学修レベルが上がり、結果として学生全体の学びの水準が上がります。
 したがって、逆説的ではありますが、長期的に見るとこの記事は学修レベルの向上に貢献することになります。しかし実際は、この記事が届く範囲など知れていますので、良い意味でも悪い意味でも全体への影響はほぼ無いと言えます。
 と、最後は詭弁で煙に巻いてみましたが、いかがでしょうか。

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