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科目修得試験(かもしゅう)の攻略法について

(たぶん)最後のかもしゅうを受け終わったので、1年ちょっとで確立した私のかもしゅう攻略法を記録しておきます。


この記事の想定読者

 かもしゅうで単位を取りたいけど苦手意識があり、対策方法がわからない人を対象にしています。試験に自信がある方、自分なりの対策方法を既に確立できている人にとってはあまり役に立たないと思います。
 また、この方法は単位の取り方としては邪道だと思いますが、テスト対策としては正攻法だと思います。このため、時間と労力をほぼゼロにできるかというとそうではなく、ある程度の時間はかかります。科目によりますが、1科目最低数時間はかかると思いますので、そういった裏技的テクニックを期待してきた人にも役に立ちません。

戦績

 偉そうな事を語る前に、てめえの実績はどうなんだというツッコミが入りそうなので、最初に戦績を載せておきます。

16受験、14合格、2不合格(打率.875)
<内訳>
1年目第二回:3合格、1不合格
1年目第三回:4合格
1年目第四回:3合格、1不合格
2年目第一回:3合格
2年目第二回:1合格(たぶん)

 はい、普通に2回落ちてます。ただ言い訳をさせてもらうと、このうち1つについては今でも納得しておらず、自分の中では合格だと思ってますので実質打率は.9375です。もう1つは準備不足で納得の不合格ですが。
 この打率が高いのか低いのかはわかりませんが、普通に仕事しながらまあまあうまく立ち回れたのではないかと自分では思っています。「てめえの話なんぞ聞かなくても打率9割超えくらい余裕だわ」という方はそのまま勉強に戻っていただき、それ以外の人はこのまま読んでくれたら嬉しいです。
 あと、過去問は最悪去年のものだけでもいいので丸沼書店で買っておいてください。クレジットカードは使えませんが、地方の方でもネット注文・代金引換で買うことができます。

かもしゅう問題のパターンについて

 かもしゅうを分類する軸は大きく2つあると思います。それは、「出題の規則性の有無」と「問い方(記述式/論述式)」の2つです。出題の規則性とは、一言で言うと過去問と同じ問題が出るか出ないかという事です。
 これらの組み合わせによって、かもしゅうの出題パターンを簡単なものから順番に示すと、こうなります。

  1. 出題の規則性有り・記述式

  2. 出題の規則性有り・論述式

  3. 出題の規則性無し・論述式

  4. 出題の規則性有り・記述式

 このうち、1については攻略法を示すまでも無いと思います。ただ出そうな問題と答えを丸暗記するだけです。そして、4については単純にあまり出題されません。あったとしても、論述との組み合わせで少しだけ出題されるケースがほとんどで、合否を分けるポイントにならないため、そこに多くの時間を割くのは効率が悪いと思います。
 すなわち、かもしゅうの合否を分けるのは、圧倒的大部分を占める2,3の論述問題をどう捌くかという点に集約されます
 これより、この2つのパターンについて、私なりの攻略法を紹介します。

「2.出題の規則性有り・論述式」のパターンの攻略法

 このパターンは例えば、「去年はA・B・C・D4つの問題が出題されていて、前回の第1回ではDが出題されている。従って次回の問題はA・B・Cのどれかだ」というようなケースがあてはまります。
 まず思い付くと思うのが、「A・B・C全てに対しての解答案を作り、それを丸暗記する」という方法です。ですが、これがいきなり問題無くできる人は結構優秀だと思います。私の場合、いきなりテキストから答えを引っ張り出そうとしてもトンチンカンなものになってしまうし、丸暗記しようとしても全然頭に入りません。そのため、次のようなステップを踏んでいます。

  • 出題されたテーマを含むテキストの章をざっと読む

  • その章の内容を箇条書きでノート片面1枚にまとめる

  • ノート片面から、問題の答えになりそうな部分を抜き出し、必要に応じテキストから情報を足しながら、ノート片面半分くらいの回答メモにまとめる
    (この際、極力文章ではなく単語でまとめるように心がけ、矢印などを使って視覚的に論理構造を明らかにする)

  • 作成した回答メモを何度も眺めて、(部分的にでも良いので)自分で再現できるように覚える

 これで終わりです。もし余裕があったら回答作成練習をしてもいいですが、基本的にメモの内容が頭に入っていれば回答作成をするのは簡単ですし、なんといっても回答作成は時間がかかります。私は、出る問題が絞れていても、いつも完全な回答作成をするのは本番が初めてです。これで本番困った事は一度もありません。
 一般的な人間にとって、構造的に理解できていない文章を丸暗記するのは負荷が大きいと思います。ただ、論理構造まで頭に入れて極限まで無駄な情報を削った回答メモを覚えるのはそれと比べてかなり負荷が小さいと思います。
 実例が出せていないので本当に分かりづらくて申し訳ございません。後で余裕があれば過去のテストのときに使ったメモなどを使って説明し直したいと思います。

「3.出題に規則性無し・論述式」のパターンの攻略法

 このパターンは、過去問を見て絶望する方が多いと思います。ただ、これも上に書いたメモ暗記法を応用すれば対策は思ったほど無理ゲーではないです。1つ1つ順を追って説明していきます。

①過去問(できれば2年分以上)を分析して、過去に出題されているテーマの上位テーマを分類する

 言葉で書くと少し分かりづらいですが、言い換えると、問われているテーマが書いてあるテキストの節や項を見つけ、どの章から問われているかをチェックし、問われやすい章がどこなのかを突き止める作業です。これをやると、過去問の出題傾向が見えてきて、法則性が無さそうな出題でも一定の法則があることに気が付くと思います(もし何の法則も見つけられなかったら、、、真面目に全範囲勉強するか、スクで取ってください笑)。例えば、毎回新しい問題が出される科目であっても、「過去問では○章の1節、3節、5節から出されているから次は2節、4節から出そうだな」などとアタリを付けることができます。
 これが終わったら、傾向から出題されそうな章に絞って対策を進めます。

②出題されそうな章をざっと読み、ノート片面1枚に箇条書きでまとめる

 2のパターンの時と大体同じですが、ここで気を付けるべきなのは「出題される可能性の低い節も含めた章全てをまとめる」ということです。一見、もう出題されない範囲も含めて対策するのは無駄に思えますが、私は絶対この方が良いと思います。なぜなら、範囲を絞りすぎると作成できる回答が薄くなり、合格確率が下がるからです。例えば、1節の内容が出題された時に、1節だけの内容で書くよりも、2節・3節の内容も含めて書く方がボリュームも内容の厚みも格段に増します。かもしゅうは、問われた内容に正確に答える事だけが求められているのではなく、同時に、「自分がテキストの内容をしっかりと勉強してきている」とアピールする事も求められていると思います。なので、ヤマを張る場合もヤマそのものではなく、周辺を含んで対策することをおすすめします。

③まとめたノートから、次に出題されそうなテーマの候補を複数出し、そのそれぞれについて回答メモを作る

 2のパターンと同じように、出題テーマ候補それぞれに対して回答メモを作っていきます。この時も気を付けるのは、文章ではなく単語(体言止め)と矢印の組み合わせで視覚的に論理構造をまとめることです。対立構造や因果関係、時系列などを視覚的に表現することで、文章よりも数倍頭に入ってきやすくなります。ボリュームとしては、1テーマに対しB5ノート1/2ページくらいが目安です。

④当日まで、作成したメモを何度も眺めて頭に叩き込む

 メモを何度も眺めて、最重要なポイントにはラインを引いたり、補足情報を後から書き込んだりして少しずつ頭の中に入れていきます。重要なのは1回に時間をかけず、何度も眺めることです。夜に30分まとめてやるのではなく、5分のチェックを1日の中で何回もやることで、すぐに使える記憶になっていきます。
 2のパターンの時と同じですが、回答作成は時間がかかるので私はやりません。よほど時間が余った時か、文章作成に不安がある方はやってもいいと思いますが、お薦めはしません。

「論じなさい」問題の回答の仕方について

 「論じなさい」や「説明しなさい」という雑な問われ方の試験が結構ありますが、このタイプは高校までの試験ではあまり出ないので、苦手意識がある人も結構いるんじゃないかなと思います。確かに、「論じなさい」と問われている以上、論理立てて文章を書かなかればならず、それを短時間で組み立てて1時間以内に書き切るなんて無理だと思うかも知れません。
 ただ、私としてはこの問われ方が来たらラッキーです。なぜなら、回答フレームワークを事前に持っておき、そこに情報を入れていくだけで簡単に回答が完成しするからです。惜しげもなく紹介しますが、そのフレームワークはこれです。

 ○○○(出題テーマ)について、A,B,C3つの観点から論じる。
 まずAについて~~~~。
 次にBについて~~~~。
 最後にCについて~~~~。

 ABCの分け方は、重要なポイントだったり、時間軸だったり、色々あると思いますが、自分が書きやすい分け方で書いてください。例えば、法学の試験で象徴天皇制について問われた場合であれば、「天皇の地位」「天皇の権能」「皇室経済」の3つというような具合です。2でも4つでもなく、3つが少なすぎず多すぎずベストです。上で紹介した回答メモを、予め3つのポイントで構成しておくのも良いと思います。
 また細かいテクニックとして、一番量が書けそうなポイントを最後の3つ目に持ってくることで、時間ギリギリまで答案を書き続け、ボリュームをかさ増しする事ができます。

終わりに

 軽い気持ちで書き始めたら、リポート2冊分を超える超大作になってしまいました。もうちょっとコンパクトにできた気もしますが、私のナレッジを過不足無く盛り込めたかなと思います。
 意見・感想・わかりづらい点・具体例が欲しい点などあれば是非コメントで教えてください。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

おまけ(単位修得の王道・邪道)

 ここは「そもそも大学とは」というようなお説教的内容を含み、場合によっては気分を害されるかも知れないので、興味のある方だけ読んでください。

 大前提として、科目修得試験は単位認定に足る知識を持っているかを判定する試験です。ということは本来、「テキストによる学修が充分身に付いていれば、試験対策など不要」なのです。私も含め、「テキストを拾い読みしながらレポート執筆→かもしゅう対策」というステップを踏んでいる人がほとんどだと思いますが、本来であれば「テキストを熟読→ノートなどにまとめる→テキストとノートを繰り返し読んだり講師に質問したりして学修→リポート→かもしゅう」のような流れがあるべき姿なんだと思います。逆に言うと、今回私が紹介したものも含めて、多くの人がやっている方法は邪道です。cheatingとまでは言いませんが、cutting the cornerである事は間違いないと思います。
 「は?何言ってんの?」という感じかもしれませんが、私は真面目に言っています。単位というのは、学士資格取得に必要となる神聖なものです。本来、数時間のテキスト拾い読みとテスト対策だけで与えられてはいけないものなのです。
 きちんと学修が身に付いていなくても書けてしまうリポート、解けてしまう試験問題を作っている大学にも責任はあるとは思いますが、少なくとも自分がしていることが邪道であるという自覚は持っているべきだと私は思っています。
 この点についての意見・反論もコメント欄までどうぞ。

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