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フジコ・ヘミングさんと私と息子の思い出

こんにちは。湯です。

今でこそ、様々なクラシックコンサートに楽しく行けるようになりましたが、私が大学3年時にクラシック音楽を聴くようになってから、初めて行ったのがフジコ・ヘミングさんのピアノリサイタルでした。会場は、忘れもしない、横浜みなとみらいホール大ホール。緊張したのを覚えています。

フジコ・ヘミングさんが私のクラシック音楽の、水先案内人となってくださったのは間違いありません。
その後、奏でる人により、こんなにも楽曲の表情は変わってくるものなのかと知り、実感もし、現在はピアノソロで言うと、サンソン・フランソア演奏のものは好きで、よく聴いています。 


あれから時が流れ、フジコ・ヘミングさんもご高齢になられたこともあり(当時90歳)、今から2年前に息子を思い入れのあるフジコ・ヘミングさんのコンサートへ連れて行くことにしました。

共演はモーツァルトハウス・ウィーン弦楽四重奏団


写真の通り、前から2列目、中央の座席でした。フジコさんのお顔がよく見えました。それで、これは!!という出来事が起こったのです。
曲と曲の間、確か、子どもの施設を訪れた時の話をされていて、子どもたちが音楽に興味を持って聴いてくれるのは、とても嬉しいこととおっしゃっていました。その直後、フジコさんの視線が確かに息子へ向けられら、今日はー、演目にはないですが「トロイメライ」を演奏します。と弾いてくださったのです。
それがちょうど数日前に、宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」を子どもと一緒に読んでいたばかりで、話の中に「トロメライ、ロマンチックシューマン作曲」という場面があるのですが、思わず子どもとそれを思い出し、顔を見合わせて興奮してしまいました。

実際のところ、フジコさんが息子のことを認識してくださっていたかどうかは分かりませんが、息子とは、「あれは絶対にあなたの為に、特別に弾いてくれたんだよ!」と話を大きくして、今でも二人で盛り上がっています。

フジコさん、沢山の思い出をありがとうございました。
フジコさん自身、母子家庭となり苦しい時期も過ごされています。波瀾万丈な半生にも共感しますし、その精神力には大変励まされるものがあります。
これからも演奏聴き続けます。

どうぞ安らかな眠りにつかれますよう、心よりお祈りいたします。



↑ 上記アルバムの1曲目が「トロイメライ」です。


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