異次元ってなんだろう。
昨年くらいから「異次元」という言葉が政治やメディアで飛び交うことが多くなり、とても耳にひっかかっています。
異次元の緩和、異次元の少子化対策など、岸田首相の口からは異次元という修飾語がよく出てきます。
そもそも異次元とはなんでしょう。広辞苑のサイトで見てみます。
い‐じげん【異次元】 ①異なる次元。 ②日常的な空間と異なる世界。
私たちの生きている世界は3次元の世界です。平面であれば2次元、ドラえもんの世界は4次元。いや、今の3次元で生きる世界に「時間軸」を加えると4次元とも言えます。それでも、今よく語られている「異次元の・・・」はそういう文脈ではないので、②の日常的な空間と異なる世界、つまり今まで語られてきたこととは異なる次元で行う、ということなのでしょう。それでもいまいちわかりづらい。
どうして、過去最大の、とか、積極的な、といった量や質を表現する修飾語ではなく、異次元の、という修飾語を使うのでしょうか。政治の裏側にいるスピーチライターや官僚などが、キャッチーな表現として提案した、というのが大方の見方でしょう。
結局のところ、異次元では量や質も表現していないので、その成果を問いただそうとしても、異次元なので何も言っていないに等しく、責任逃れな修飾語とも取ることができます。せっかく国民へ発するメッセージなのですから、もっと伝わる表現を考えてみてはどうなのでしょう、と思う今日この頃です。コピーライティングの重要性を再考した方がよいですね。
それではまた。
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