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春は東より到る。

今日の茶道のお稽古で床の間のお軸に飾られた歌が、和漢朗詠集に収められた菅原文時(菅原道真の孫の)の漢詩でした。

誰言春色従東到
露暖南枝花始開

春は東から来ると言われているが、
暖かくなると梅の花は南を向いた枝から咲き始めている

といった意味だという。

そこで、ふと疑問に思ったこと。
春は東ではなく西から来るのではないのだろうか、と。
梅も桜も開花前線は西から東に向かってくるではないか。

素直な疑問を宗匠に口にした。
そうすると、宗匠からは、そもそもは中国の考え方で東からなのではないかと教わりました。

中国であろうと日本であろうと春は西や南から来るものではないのだろうか。
そして何より菅原文時は日本人なのだから中国の例えが自分には腑に落ちなかったのです。

なんか喉に小骨がつかえたような感じで、気になったので帰り道にネットで調べてみました。すると、疑問は解決。

中国の陰陽五行説に基づくと春夏秋冬を東西南北に当てはめ、春は東となっているのです。だから文時は漢詩で、春は東からくると故事に倣って詠んだのです。

これを知ったとき、フィジカルに気象現象を捉えて疑問に思った自分がちょっと恥ずかしくなりました。教養というか、風情をもっと学び、身につけないとせっかくの良い漢詩や和歌の本質を理解できないままになってしまうので、やはり学びは何才になっても大切なものですね。。。

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