あるはずの一日
今日は本当になにもなかった。
いや、しなかったという方が正しい。
少し自分をよく見せようとした気がする。
起きたのも遅かった。前日が37.5度まで熱が上がったということもありしっかりと休もうということで9時半ぐらいまでだらだらと寝ていた。
熱のせいだ。俺のせいということは断じてない。そう思いたい。
そこからだ。
昼飯を食べ、よし、今日は本を2冊読むぞ!
読みたい本も買ったある!これはいけるぞ!
気持ちは昂っていた、鼻息を荒く、ふんふん!
よし、読むぞ!さあ、読むぞ!
リビングの机に本を置き、椅子にザッと座ると右手に持ってたウィスキーのロックをグイッと。
あ。
これがまずかった。本を読むときはコーヒーだろ。なぜその手にウィスキーを持っているんだ。
そこからはジェットコースターのような時間が過ぎていった。読むはずだった本は机の端に追いやられ、目の前にはYouTubeを流しているスマホが鎮座している。
怠惰様の御成だ。怠惰様が一度いらっしゃったらもう誰も逆らえない。ズッと頭を垂れ、シズシズと命令に従うしかないのだ。
気がつけば日も暮れて、19時。
鉄腕DASHが始まり、画面の向こうでは太一くんと、ニノ、岸くんが楽しそうにカブトムシを探していた。
今日はどんな日だったの?と聞かれたらこう答えるしかない。
1日を捨てた日だよ、と。
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