酒ブラ~大洗~ 月の井 純米吟醸 彦市

家で飲む酒もいいが、外で飲む酒はよりうまい。歩きながら飲む酒はさらにうまい。ということで今回は茨城県にある大洗へ。

意気揚々と大洗に来たものの、5月にも入ってないのというのに半袖でも歩けるぐらいの暑さにまずはお風呂へ。

ゆっくり健康館

温泉にスポーツジム、プールに飲食店も入っている複合施設。ということでまずは温泉へ。時間は13時過ぎ、人が少ないだろうと入ったものの人生の先輩方がちらほら。どこの銭湯も同じだが、お昼からお風呂を楽しむ方々は全国にいることを改めて実感させてもらいました。ありがとう先輩方。

長湯ができないので15分ぐらいでゆであがり、フロントで休んでいるとふとカウンター横にある四角いボックスに目がいった。よくコンビニのレジにおいてある焼き鳥や何チキとかが入っている保温ボックスだ。これはいいと物色していると私の大好物が鎮座していた。

メンチカツ。悩むことなく1個注文するとお箸にソースを透明な使い捨て用のケースに詰めてくれた。これはとてもありがたい。

この健康館だが横にファミリーマートがある。私のような温泉帰りやジム帰りのお客さんを狙ってのことだろう。手にはメンチカツ、目の前にはコンビニ、買うものはもちろんハイボールだ。

誰が言ったか知らないが揚げ物にはハイボールがよく合う。個人的には揚げ物にはビールよりハイボールが一番だと思っている。ビールだとさわやかさが足りず味が喧嘩してしまう。喧嘩の末、ビールが勝ち揚げ物が去るような切なさがある。おいしいのはおいしいのだが。

そんなことで今日の1本目「ジムビームハイボール」

ロング缶がなかったので350ml缶を選択。これが救いにつながるとは思いもよらなかった。

早速、メンチカツを一口、めちゃうまい!とはならない出来合いのメンチカツ。予想通りの味だが、それが安心感を生んでいる。余韻を残しつつハイボールを口に入れる。

これだ。間違いない。うまい・・・が

一つだけ残念なことがある。ハイボールだ。これがまずかった。

口に含んだ瞬間あれ?っという不安感に襲われた。おいしいのだけど飲んでる感じがしない。おいしい日本酒は水のように感じてしまい、知らず知らずのうちに飲みすぎてつぶれてしまうということはよく聞くが、これはそんないいものではない。

一番近い感覚はハイボールを注文して時間が立ち氷が解けて薄くなってしまったハイボールだ。ハイボールに限らず氷が解けた飲み物ほど不味いものはない。あの感覚に襲われたのだ。缶なのに。

なかなか得られない感覚に新鮮さを覚えながらさっさと飲み干す。なぜなら目の前には大洗の名造り酒屋「月の井酒造」があるからだ。

飲み干した缶をカバンにしまい、いざ入店。昔ながらの木造建築、すこし硬めの引き戸をあけ、中に入ると少し薄暗い店内だが、とても味わいのある空間が広がる。足早に冷蔵庫を覗く。何度か月の井さんには来店しているので今回は迷わずに1本の日本酒を手に取った。

「月の井 純米吟醸 彦市」

緑のラベルが特徴でとてもデザインがかわいい。購入した酒をカバンに詰め込み急いで今日の宿へ。

狭いながらもよい場所ですということで今日はテント泊なのだ。何はともあれ日本酒だ。

このために買ってきたカツオのたたきを準備し、さっそくいただきます。

グラスに注ぎ、まずは匂いを確認。林檎を思わせるフルーティーな香りだ。匂いから期待が持てる。香りを楽しみつつ口にふくむ。甘い。甘さがこんにちはするとすぐに足早に消えていく。せっかちなやつだ。癖のない甘さとキリっとした味わいでいやらしさがない。飲みやすい日本酒だ。

それゆえにすこし物足りない。なら次にやることは決まっている。お燗をし、まずは匂いをかぐ。広がりが変わった。アルコール感は増すが穏やかだ。飲むと甘みがさらに増しうまさが口いっぱいに広がる。これは冷酒より熱燗にすることで真価を発揮する日本酒なのかもしれない。

いい酒だ。

大洗は少しさびれている感じはあるが、ポイントポイントですごい熱気がある。こういう場所を酒飲みながら散策するのも一つの楽しみ方だろう。お勧めします。

次はどこにいこうか。

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