石森のぶ

創作童話やNY駐在生活記録。目指せ!童話作家📖🖋ゆうゆうお話創り通信講座受講📕二児の母…

石森のぶ

創作童話やNY駐在生活記録。目指せ!童話作家📖🖋ゆうゆうお話創り通信講座受講📕二児の母 https://twitter.com/isinobu21

マガジン

  • ニューヨーク駐在記録

    ニューヨーク駐在の備忘録

  • 3組シリーズ

    ポプラ社主催の #こんな学校あったらいいな に投稿した、児童文学小説をまとめました。

最近の記事

ニューヨーク駐在記録「チックの再発」

 新学年開始直前に始まった息子のチックはだいぶ落ち着いていた。クラスに仲の良い友達ができて、週に何度も放課後に遊んでいたし、以前よりは英語を理解できるようになっていたからだと思われる。  でも、いつの間にかチックが再発していたのだ。ちょうどそのころ、息子が私によく話していたのが、学校の休み時間でのトラブルだった。 息子はクラスの男の子たちと毎回サッカーをしていたらしい。しかし、そのうちの数名がチート(いわゆるズル)をしているというのだ。息子はそのたびに注意をするらしいのだが、

    • ニューヨーク駐在記録「緊急入院!NYのER~後編」

       モルヒネを打たれて痛みが軽減したものの、待ち時間の長さは相変わらず。超音波検査とCTスキャン、血液検査をして、すべて終わって診断結果がでたのが17時すぎ。ERに着いてからすでに7時間以上経過していた。その間はほとんど待ち時間。日本のように次々検査にまわしてくれるわけではないのだ。1つ検査が終わったら数時間待って、次の検査が終わったら数時間待っての繰り返し。本当に長い。(たまたまこの日はシッターさんが息子のお迎えに行ってくれる日だったので助かったけど、そうでなければどうなって

      • ニューヨーク駐在記録「緊急入院!NYのER~前編」

        2018年某月のある晩。 なんだか右腹部が痛い。しかも一過性ではなく、鈍い痛みが続く。これは夫に相談すべきか?でも、今話したところで何も変わらない。それに、明日になれば治っているかもしれない。そう考えて、私は布団に入った。 しかし翌朝も良くなるどころか、痛みは増すばかり。これは嫌な予感がする。CityMD(近所のUrgent Care)に行くべきか?いや、これはCityMDでどうにかなる痛みではない。 私はすぐに寝ている夫を起こし、昨晩から腹痛が続いていること、とりあえず息子

        • ニューヨーク駐在記録「フードフェスティバル」

           息子のクラスで「フードフェスティバル」というイベントがあった。アメリカは移民の集まりだ。それぞれの人にそれぞれの国のルーツがある。そこで、各家庭の食べ物を持ち寄り、親やクラスメートたちとシェアして、互いの文化を知ろうというわけだ。  私は息子と何を持っていくかを考えた。日本らしい食べ物って何?お寿司?卵焼き?肉じゃが?おにぎり?  でも、お寿司はスーパーでも売ってるし、魚介のだし入り卵焼きがアメリカ人に受け入れられるのか、肉じゃがは冷めたら美味しくないかも…とか色々考え、結

        ニューヨーク駐在記録「チックの再発」

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        • ニューヨーク駐在記録
          27本
        • 3組シリーズ
          3本

        記事

          ニューヨーク駐在記録「息子と煙草とホームレス」

          NYでは歩きたばこをする人がいる。私も息子もたばこの煙が嫌いなので、たばこを吸っている人を見つけるとよけるのだが、ある日息子が「なんで、身体に悪いのを分かっているのに、たばこを吸うの?」と聞いてきた。私は「それくらい、たばこが美味しくて、やめられないからじゃない」と答えた。すると「そもそもなんで身体に悪いものを売ってるの?そんなに悪いものなら売らなければいい」と言うのだ。確かに…。たばこは百害あって一利なしだわ。とりあえず「国の法律で売ってもいいって決まっているから」と答

          ニューヨーク駐在記録「息子と煙草とホームレス」

          ニューヨーク駐在記録「現地校1年生の宿題」

           息子の学校では、毎週月曜日にプリントしてホチキス留めされた宿題(英語、数学)が出されて、翌週月曜日に提出するというスタイル。宿題の中には必ず読書が含まれていて、読んだ本の絵と、その本に書かれてある事実(感想文ではない)を記載しなければならない。息子はそれに追加してELLクラスから週に何度か宿題がだされていたので、息子はアップアップしながらこなしていた。 と、そこへイレギュラーな宿題が出された。それが以下の課題。 「食品関連の時事問題についてのレポート」 ①ウエブサイトで調

          ニューヨーク駐在記録「現地校1年生の宿題」

          ニューヨーク駐在記録「息子の成長~アメリカの誕生日会」

          息子のチックは相変わらずだった。これは私の悩みの一つだったが、かかりつけの小児科医に相談した結果、もう少し様子を見ることになった。 そんなある日曜日、息子がクラスメイトの誕生日会に参加することになった。場所はこの界隈では定番の92Yというカルチャーセンター。アメリカではこのような施設を数時間借りて、施設の係員が用意したアクティビティーで遊んだ後、みんなで軽食やケーキを食べてお祝いをするのが定番。今回はそこで息子の2つの大きな成長を目にすることができた。 まず、1つ目は、息子の

          ニューヨーク駐在記録「息子の成長~アメリカの誕生日会」

          ニューヨーク駐在記録「2度目のハロウィーンパレード」

          2018年10月。再びハロウィーンの時期がやってきた。 昨年の息子の姿がトラウマではあったが、学校生活を知るためには見に行かないわけにはいかない。でも、今年はちょっとだけ自信があった。というのも、息子は新学年が始まってから習い事などの予定がない日は学校近くの公園に寄って、同じ学年の子と遊んだり、新しいクラスメイトのクリスチャンにプレイデートに誘われたりすることが何度もあったからだ。 私は「今年こそは独りぼっちじゃありませんように!」と祈りながらパレードに向かうと、ちょうど息子

          ニューヨーク駐在記録「2度目のハロウィーンパレード」

          ニューヨーク駐在記録「現地校~手探りからの脱出」

          9月になり、息子は1年生になった。キンダーから小学生になったとはいえ、校舎も同じのため、4クラスから3クラスに編成されたこと以外は特に変わりはなかった。(1クラス約30人の生徒に対して、先生二人なので日本より手厚い!)そして、私もこの頃ようやく息子の学校に慣れた気がした。 というのも、最初の1年間は学校からのお便りに目を通すだけでも精いっぱいだった。息子の学校は、設立されてから5、6年しか経っておらず、先生も親たちも学校を盛り上げようと、活気に溢れていた。学校行事も多く、遠足

          ニューヨーク駐在記録「現地校~手探りからの脱出」

          ニューヨーク駐在記録「USオープンテニス」

          突然、夫が「USオープンテニスの決勝戦を観に行こう」と言い出した。それも試合前日に。というのも、大坂なおみ選手が決勝に這い上がってきていたからだ。自分たちがアメリカにいる間に日本人が決勝に出ることなんて滅多にない。こんな直前にチケットなんて取れないだろうと思っていたが、調べてみると一番安い席が空いていた。しーんと静まり返ったテニスの試合会場で子供達が大人しくしていられるだろうか?と一瞬考えたけど、息子も娘も大人しい性格で、外出先で騒ぐようなことはしないタイプ。そんなわけで、チ

          ニューヨーク駐在記録「USオープンテニス」

          ニューヨーク駐在記録「HSC~ひといちばい敏感な子」

          当時、私はオンライン講座「妊婦と子供の睡眠コンサルタント」を受講していた。息子が幼少の頃に寝かしつけが全くうまくいかず、寝不足と仕事の両立で毎日ぐったりだったため、娘は息子の二の舞にはさせたくないという思いと、せっかく専業主婦になったのだからその分の時間を勉強にあてようという理由だった。 息子は赤ちゃんの頃、寝かしつけに数時間かかったのに、30分しか寝なかったり、ちょっとした物音ひとつでも途端に起きてしまったりするような子だった。0歳から保育園に通っていたが、クラスで最もベテ

          ニューヨーク駐在記録「HSC~ひといちばい敏感な子」

          ニューヨーク駐在記録「夏休みとチックの始まり」

          夏休み。息子は昨年同様に日系幼稚園のサマースクールに参加した。久しぶりの日本語環境は楽しくかったらしく、自ら新しい友達を作って、休みの日にプレイデートをするまでになった。また、娘と同様にスピーチセラピーを受けるようになっていた。私がスピーチセラピーの先生に息子のことを相談したところ、息子にも療育が必要だと判断されたためだった。でも嫌がる様子はなく、娘と一緒に遊び感覚でセラピーに通いだした。 息子はマーシャルアーツもオンライン英会話も続け、精力的に夏を過ごしていた。そうした夏休

          ニューヨーク駐在記録「夏休みとチックの始まり」

          ニューヨーク駐在記録「娘のスピーチセラピー」

          ちょうどこの頃、数か月後に2歳の誕生日を控えた娘は、週に数回のスピーチセラピーに通っていた。定期検診で言葉の遅れを指摘され、スピーチセラピーによる療育を勧められたからだ。 娘の言葉の遅れの原因は色々あったと思う。まず、息子が情緒不安定だったため、私は息子の都合を優先してしまった。日本の学校と違って送迎が必須だし、息子の帰宅後は空手の習い事、プレイデートや宿題などがあり、息子に付きっきりだった。学校に行っている間は、家事やスーパーへの買い出しをこなさなければならず、娘と向かい合

          ニューヨーク駐在記録「娘のスピーチセラピー」

          ニューヨーク駐在記録「続く暗黒期」

          物事はそう簡単には進まない。息子が学校を楽しめるようになるには英語力向上が必須だった。中には、英語がわからなくてもあまり気にせず、楽しく学校生活を送れる子もいる。しかし、息子は違う。息子は自分が置かれている状況をよく理解していたし、確かな自信がないと発言できないタイプだった。 キンダーガーデンの宿題はオプションだった。やってもやらなくてもどちらでもよいのである。しかし、息子は必ず提出していた。週に数回、通常クラスを抜けてESLクラスに行っていたため、そちらからも宿題がでていた

          ニューヨーク駐在記録「続く暗黒期」

          ニューヨーク駐在記録「初めての給食」

          私たちは、クラスメイトから誘われた誕生日会には必ず出席するようにした(大体、誕生日会はクラス全員か同性のクラスメイト全員を誘うことになっている)。誕生日会は主に土日に行われるため、可能な限り夫に行ってもらい、そこで他の父兄と交流をもつようにした。私はクラスの行事でスナックや飲み物などを募集しているときには、必ずサインアップした。これらの行動はすべて、まずは親が学校というコミュニティに溶け込まなくてはならないと感じたからだ。 また、私は学校帰りに学校近くの公園に息子を連れて行く

          ニューヨーク駐在記録「初めての給食」

          ニューヨーク駐在記録「一筋の光」

          私と夫はこの問題について担任の先生に相談することにした。まず、夫から夫婦名義で先生にメールを送ってもらった。なぜかというと、夫婦連名にしたことにより家族一丸となってこの問題に取り組んでいるのが伝わるし、メールにしたのは証拠を残したかったからだ。 先生からはすぐに返事がきた。遠足ではクラスで大きな輪になって食事をし、決して一人にしていないこと。クラスメイトが息子と話すときは、ゆっくりはっきり話すようにさせること。クラスでペアを作るときは息子に相手を選ばせるようにすること。息子

          ニューヨーク駐在記録「一筋の光」