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サンドキャッスル

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連載小説「サンドキャッスル」です。
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#小説

塀

 その人は、突然私の目の前に現れたんです。

 「塀を作れば良いんだよ」
 「塀?」

 その男の人は、崩れてしまった私のお城の周りに砂で塀を作り始めました。

 「ほら、こうして塀を作れば、直接お城に波が当たらないから、お城を守ることができる」
 そう言って、にっこりと笑います。

 「僕が塀になる。そして君を守る」
 ああ、なんでそんな歯が浮くようなセリフを平気で言えるのか。

 そしてまた、

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サンドキャッスル

サンドキャッスル

 海辺で砂のお城を作ったんです。
 とても立派なお城ができたんです。
 でも波が押し寄せて、崩れてしまいました。

 この世の中のすべてのものは、必ずいつか壊れてしまいます。
 それが今、目の前で壊れてしまっただけ。
 ただそれだけ。

 またやり直せばいいんだ。
 またはじめからやり直せば。

 砂のお城を作ります。
 いつか壊れてしまうもの。
 だから大切にしたいのです。

 私はまた、砂のお

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