ありふれた恋について
南風が吹いた春の日に
まばゆいばかりの恋に落ちた
毎日が生まれたての光であふれて
やわくやさしいものにふれて
踊りだしたくなるような
歌いだしたくなるような
あらわしたいと思う
つたえたいと思う
でもその発露の仕方がわからない。
仕方がわからないのだもの、仕方がない。
どんな言葉が、どんな動きが、どんな旋律が、
このハートのかわりになるんだろう?
このハートを切りとって渡せたらいいのに。
色を、形を、温度を、脈動を。
君のために毎日歌おうか
君のために毎日踊ろうか
手紙を書こうか
花を贈ろうか
それが君に伝わるんだろうか
気味悪がられたりしないだろうか
疼くもどかしさが心をなでる
結局あなたの前では口をつぐむ
進む方向がわからずちぐはぐと右往左往する
恋することは自由であり
生まれてこのかた
これ以上のない新しい不自由。
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