メモ:コンピテンシー評価&レベル

俺の会社がコンピテンシー評価やらCBT(コンピテンシーベースドトレーニング)やら何かやるとかやらないとか言っているので、自分の勉強用。

コンピテンシー評価とは

 人材の「強み」や「弱点」をその人が持っている能力だけでなく、行動やその行動に至った思考過程も分析し、最終的に成果や結果につながるかに着目した人事評価制度。

 これまでの人事評価制度ではその人が持っているスキルや経験(保有能力)だけに着目していた結果、「勤続年数が長い程(経験があるので)業務遂行できる」とか「あの人はあの資格を持っているから能力がある」といった評価となり、実体と乖離する問題があった。

 そこで、その人の保有能力だけではなく行動特性も分析することで、本当に成果や結果につながる評価をしようということで生み出された。

 この評価の大きな特徴は、人材の過去や現在を評価するのではなく、未来への期待(将来成果を出してくれるか)を評価するものだというのがこれまでの評価制度大きくことなる。

コンピテンシーレベル

 コンピテンシー評価において、ある業務におけるその人の取り組みの達成度を段階的に示したもの。

 場面特異性により同じ人でもレベルが変動するので、ある業務における評価で全ての業務のコンピテンシーレベルを評価できるわけではないし、たまたま1度だけ高いレベルを発揮できた(逆もしかり)ということもあり得るので、継続的な分析が必要。

 正式には5段階だが、理論上どおりの段階の人よりその間位の人が現実的には多いので、勝手に作る。

レベル0.5 無能段階

状態:指示されたことを理解できない。あるいは実行できない段階。   

特徴:業務を実行する以前の問題。新しい環境、新しい業務、など全くの初体験のような状態で与えられた情報が処理しきれていない状態。通常は新社会人など社会人としての経験が全くない人が緊張したり、不安になったりすることで、頭がいっぱいいっぱいになるか、自信がなく行動が取れないような状態。本当に無能で学習能力がなくただただ歳を食っただけでこの段階の奴もいる。

教育方法:心理的安全性を確保する。手本を見せる。一緒にやる。
活用場面:新人を相手にするときなど

通称:完全ド素人  

レベル1 受動行動段階

状態:ひとつひとつの動作に対して、指示を出さなければ実行できない段階。

特徴:自分で業務について判断が全くできないし、そもそも業務内容を完全に把握できていないような状態。まず何をすれば良いのか、次に何をすれば良いのか、指示してもらえないと何もできない。初めて行う業務の場合、皆最初はこの段階から始まる。

教育方法:マイクロマネジメント、ティーチング

活用場面:初めての人に業務を教えるときなど

通称:指示待ち人間

レベル1.5 確認行動段階

状態:一つ一つの動作に対して、実施していいか確認(許可)してもらわないと実行出来ない段階。

特徴:なんとなくどうしたら良いのかは分かっているが、自信がなかったり、判断する力がないので、都度実行してよいのか確認しないと実行できない。完全な指示待ちではないものの、自己判断出来ず、当事者意識の低い状態。肌感覚では多くても2~3回同じような仕事をすればこのフェーズはすぐに抜けるものだが、働かないおじさんおよびその予備軍はこのフェーズで停滞する。

教育方法:マイクロマネジメント、ティーチング(ただし、少しづつ自分で考えさせるような質問をしていく)

活用場面:若手や仕事できないタイプの人向け

通称:許可待ち人間

レベル2 知識適用段階

状態:過去の経験やマニュアルなどによって、ある程度自分で行動出来る段階。

特徴:平常時であれば、能動的に行動できる(杓子定規的な対応ならできる)。しかし、異常時においては自分で考えて行動できないため上位の指示が必要になる。

教育方法:マニュアルの場所や過去の類似案件のサンプルを渡すなどして、後はできる限り自分でやらせてみる

活用場面:最低限の知識や作法をわかっている人向け。

通称:マニュアル人間 ルーチンワーカー

レベル2.5 経験適用段階

状態:過去の自分自身の経験を活用し、能動的に判断・行動出来る段階。

特徴:ある程度業務経験を積んだことにより、過去に自分が経験した似たようなケースにおいて、迅速に判断・行動できる。ただし、業務の目的や意図を意識しているわけではなく「過去こうやったらうまくいった(思考停止)」という対応を繰り返しているだけなので、杓子定規的な対応という点ではレベル2と変わらない。

体感全体の5~7割はこの辺のフェーズ。だいたいの仕事はこのレベルがあれば十分にこなせる。年功序列が採用されるのも、大半の人間がこの段階なので長く生きている=経験豊富=仕事ができると思いやすいからだと思っている。ただ、当然ながらその能力は過去に経験した事に対してしか機能しないため、変化の激しい今の時代はこのレベルの価値が以前よりは低下しているのは自明だと思う。

教育方法:全く同じやり方ではなく、少しでも良いので改善するような行動を促す。レベル3に向けて、他にやり方はないか考える癖をつけさせる。

活用場面:そこそこ仕事を経験した人向け

通称:凡人

レベル3 論理形成段階

状態:自ら思考し問題解決をする能力がある状態。

特徴:知識や経験をそのまま使うのではなく、状況に応じて自分自身でそれら知識を組み合わせ構築しなおし対応ができる。現状把握を行い必要な知識と経験を組み合わせて問題に対処しようと思考するため、前例がない事案やイレギュラー等にも対応できるようになる。自律的・柔軟な思考ができる。この段階まで来ると、業務の目的や上司の意図を意識するようになる。ただし、この段階では与えられた問題(課題と条件)においてのみ発揮され、自ら課題や意図・目的を持つには至らない(所謂リアクティブな対応)。

教育方法:トラブル対応や新規のプロジェクトなど、経験やマニュアルが頼りにならない業務をさせる。

活用場面:職場で優秀と言われる人

通称:優秀な人

レベル3.5 上昇志向段階

状態:問題解決の際に差別化、プラスαを考えるようになる段階。

特徴:レベル3まででは、ただ問題を解決すれば良い(合格点取れれば良い)くらいだったが、この段階だとより品質を求めるようになる(可能な限り100点目指そう的な?)。ただし、この段階はあくまで実施者本人だけがプラスα出せれば良いという発想なので、属人化しやすい。

教育方法:プラスαの実績が単発ではなく、再現性のある形で実行できるよう自己分析させる。

活用場面:ハイパフォーマー向け

通称:ハイパフォーマー 

レベル4 意図形成段階

状態:与えられた問題を解決するだけでなく、自ら高い動機付け(成果思考)を持つことが出来る状態。
 
特徴:自ら問題定義しその場限りの解決ではなく、仕組みや環境の改善を行い(自分以外の人間にも適用できる)再現性を追求し始める。また、出来る出来ないの両極端ではなく、どこまでなら出来るのかといったように自ら課題を状況に応じて変容させることができる。職場環境を変質させ、成果の基準や限界を引き上げるため、組織を進化させる人材。

教育方法:権限を与えて、ある程度自由に行動させる。(ここまで来ると教育できるものなのか・・・)

活用場面:良く改善提案などしてくる超優秀な人向け

通称:スーパーサラリーマン

レベル4.5 限界突破段階

状態:既存ではこれが限界と言われていた品質を超える成果を上げようとする段階。

特徴:とても高い動機付けをもって、標準以上の品質だけでは満足できず、限界をも突破しようとする(100点じゃなくて、120点目指そう的な?)。
レベル4の段階でサラリーマンにはそうそういないよなあと思っていたけど、この段階だとほぼいないと思っている。偉人伝的なので、「町工場の職人が何年の研究の末画期的な部品を開発した」みたいなのをイメージした。

教育方法:長い目で見守る。予算を上げる。(もう予算が許す限り、金渡して頑張ってもらうしかないないんじゃないか?教育というか投資だな。)

活用場面:そもそもこんな人材めったにいない

通称:スーパー職人

レベル5 パラダイムシフト

状態:既存にはない認識をもって、新たな状況そのものを作り出す。

特徴:全く新しい価値観・視野を持ち、高い動機付けをもってイノベーションを起こす事ができる。「より早い馬ではなく、車を開発」とか「DVDの自宅配送レンタルではなく、サブスクによるストリーム配信」とか、そういう奴。他が「価格で勝負」「納期で勝負」「品質で勝負」とかやっている間にウルトラCでゲームチェンジ起こす人。

教育方法:たぶん、凡人には理解できないことを言っている奴なので、理解されない。そういう奴がいたら凡人から保護してあげる。

活用場面:凡人は天才を理解できないということを肝に銘じる

通称:イノベーター 天才

所感

普段頭の中で人にレベル付けしていた精度が上がる気がする。活用出来るかわからないけど、理論自体は面白い。ここ1週間程度勉強しただけなので、間違っていること書いているかも。あと、まだまだ本質への理解は浅い。この方法で評価するには評価者の技量もかなり必要な印象。日本人て管理職というかマネジメント全般ダメダメな印象あるからまた形だけになりそうな予感。被評価者にインタビューするスキルがかなり必要。日本人コミュ障だから無理じゃね?日本人て良く言えば優しい、悪く言えば事なかれの当事者意識皆無だから、他者を自分の責任で評価するとか無理だよねー。どうせできないんだから人事評価制度なんて余計なことしなきゃいいのに。




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