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小さな市町村の文化政策

「小さな市町村での文化政策について考えてみる。何が公(おおやけ)により保障され、何が個々で行うもので、何がその間(あいだ)なのか。」

"私の活動の問い"

全国の地方公共団体(およそ1,700)を人口で比べてみると、その中心値は3万人にも満たないくらいです。人口ベスト100の人口は26万人ほど。

この事実を踏まえて、私たちのアートライフを見てみると、想像するアート活動の多くは東京を代表する大都会とその周辺。そして、東京に暮らしているアート関係者が作る地域のアートプロジェクトが、日本のアートシーンだと言っても、そんなに間違っていないかなと思います。(もちろん何にでも例外はありますよ、例外は)

私の住んでいる東北のアートで、今一番熱い場所は青森県です。
弘前市出身の奈良美智さんが作品や本人の活動としても、この熱の温度を上げる役割を負っていますし、十和田と弘前の美術館においては、前森美術館の南條史生さんが少なからず関わっており、地域の美術館の枠を超えている世界での位置づけを持ったようなものになっています。


華やかなところを見ると、ため息が漏れるアートの世界ですが、多くのアートの世界はそんな華やかな世界ではありません。お客さんがほとんどいない博物館や美術館をよく見かけます。美術館だけでなく、文化芸術分野での支出は一般の家庭でも削られているのではないでしょうか。これは財政難が叫ばれる市町村においても同じだと思います。そして、この流れはどこかで改善される見通しはなく、支出を増やすにはそれぞれが知恵を絞りながら、対応していくしかない状況に見えます。


このような中で、「小さな市町村での文化政策を考えてみる。」を目標として、小さな地方公共団体の文化課で「文化芸術専門員」という珍しい肩書で働いています。公(おおやけ)が担う市民への文化芸術サービスとはどのようなものなのか。答えがあるわけではない問いだとは分かっていますが、3年間の活動の中のすべてにおいて、この問いを埋め込んでみようかと思っています。
たとえば、憲法25条「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」では生存権や福祉の文脈で捉えられることが多いですが、「生存」することには、すでに「文化的」な何かが含まれているのだと理解することもできます。いったいその文化的はなんだろう、と考えてみるのです。

私のnoteを呼んでくれる方々とこの問いに答えていきたいと思います。
仲間になってください。


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