#アキエゲート の追及④ トンデモ宗教イベントを政府ぐるみで支援させたのは、例のアノ人？
いきなりですが、まとめ
今回の記事、かなり長くなるので、140字以内でまとめます。
ほぼ全省庁が後援する「Fujisan地球フェスタ WA」は、「300万年前世界支配した富士王朝復活」を謳うトンデモ新興宗教「不二阿祖山太神宮」の宣伝イベントだった。政府を後押しし憲法の政教分離原則を違反させたのは、元名誉顧問・安倍昭恵氏の線が濃厚。 #アキエゲート
「#100日で崩壊する政権」でおなじみの漫画家・ぼうごなつこさんが以前、漫画にしてくれていたので、そちらもご覧ください。なつこさん、いつもありがとうございます！
「カルト政権の淵源」改め「アキエゲートの追及」
連載のタイトルを「カルト政権の淵源」から「アキエゲートの追及」に変更しました。その理由を説明します。
検察庁法改正案の反対運動が政権を追い詰める中、安倍首相の刑事責任をしようという流れが強くなってきました。
5月21日、全国の弁護士、法学者ら600人が、公選法違反（寄付行為）などの疑いで首相と後援会幹部の計３人の告発状を東京地検特捜部に提出しました。
これは右や左、保守・左翼というイデオロギー闘争ではありません。むしろ、法を壊そうとする権力者と、近代的な法治国家を守ろうとする市民との闘いなのです。
安倍政権による国家の秩序破壊。その象徴とも言うべきが、首相夫人の存在です。
昭恵夫人が、「縄文を取り戻して日本が世界をリードする」と本気で信じていようが、巫女気取りで自分に神が降りてくると公言しようが、それは個人の自由です。
しかし昭恵（以下敬称略）は、その信仰を背景に、総理官邸に専用執務室を持つ複数人の秘書を従え、省庁や各国大使館に働きかけているのです。そして、夫・安倍晋三が、総理大臣として夫人の動きを事実上黙認している。
こんなことが、民主主義国家として、許されて良いのでしょうか。
現代において類例といえば、正直、朴槿恵大統領が親友である祈祷師に国政を相談し便宜を図っていた、崔順実国政壟断事件、通称「崔順実ゲート」事件以外ちょっと思い当たりません。
日本においては、親友である祈祷師にあたるのが、巫女・安倍昭恵というワケです。なので、それに習って私は、この事件を「アキエゲート」と呼びたいと思います。
これは、単なるカルトではなく、民主主義を守る闘いであるというスタンスをより明確に伝えるために、連載タイトルを変更します。
Fujisan地球フェスタ WA
皆さんは、Fujisan地球（ちだま）フェスタ WAというイベントをご存じでしょうか。
2014年から毎年開催されているが、昨2019年の大会には、神奈川県厚木市で5月19日と9月29日に、10月14日に神奈川県伊勢原市と、分割して開催されました。
イベントの主旨は、「美しい地球と和の心を子ども達に」をテーマに、「日本人の心のふるさと富士山」から 「一つの大きなWA（和・輪・環）を広げ、未来の子ども達に争いのない美しい地球を残す」こと。
このフェスタの目的は
１．世界を救う 日本の稲作漁労文化
２．未来の子ども達に残したい、美しい地球と世界平和に繋がる和の生き方
３．地方の創生
１を読めば、日本の稲作漁労文化を「縄文」と書いてますから、要するに富士山から縄文文化を発信し世界を救うというのがこのイベントの主旨だと読めます。
ちなみに今年2020年は、東京・富士山で行う予定ですが、5月下旬時点で詳しい情報はほとんど載っていません。きっと「愛と感謝でコロナがパッと消える」ので、無事開催されると思います（笑）。
無名イベントを後援する錚々たる面々
さて、全国的に知られているとは言えないこのイベントですが、協賛者はすごいことになってます。
昨年の協賛者を分類してみます。
政府官公庁
内閣府 文部科学省 経済産業省 農林水産省 防衛省 厚生労働省 環境省 観光庁 総務省 消防庁 外務省
地方自治体
神奈川県 茨城県 千葉県 熊本県 長野県 厚木市 伊勢原市 御殿場市 阿蘇市 牛久市 相模原市 愛川町 南足柄市 平塚市 綾瀬市 三浦市 茅ヶ崎市 海老名市 座間市 寒川町 清川村 秦野市 小田原市 富津市 逗子市 袖ケ浦市 塩尻市 いすみ市 白子町 大綱白里市 沼津市 立川市 稲城市
教育委員会
神奈川県 茨城県 熊本県 長野県 山梨県 厚木市 伊勢原市 御殿場市 阿蘇市 牛久市 相模原市 愛川町 平塚市 海老名市 座間市 寒川町 清川村 逗子市 秦野市 小田原市 富津市 塩尻市 町田市 木更津市 君津市 大綱白里市 茂原市 堺市 袖ヶ浦市 千葉県 市原市 いすみ市 白子町 立川市 稲城市 大阪市
11もの政府官公庁が後援しています。
「省庁コンテスト」のページを読めば、『我が家のおむすび』作文コンテスト・『日本の自然と伝統文化』フォトコンテストなどを開催し、記念品を贈呈しています。この記念品は、どこから予算が出ているのでしょうか？
これだけの教育委員会が後援していますが、このイベントが公教育現場に関わってしまっていることを示唆しています(後述）。
また2016年・2017年の「子どもサミット」に関しては、これら官公庁が後援している他、他国大使館が関わっています。
2018年のフェスタ参加大使館をご覧ください。
そして顧問として名を連ねる政治家の面々です。自民党を中心に、１９年４月時点の名簿で、６０名もの現役国会議員が役員名簿にリストインしています。
これも見やすく変換してみました。
トップである名誉顧問には、石破茂・谷垣貞一（前衆議院議員）。やや日刊カルト新聞の藤倉義郎によれば、現在の安倍政権で名を連ねているのが、以下。
田中和德・復興大臣、武田良太・国家公安委員長、竹本直一・IT担当大臣、西村康稔・経済再生大臣。副大臣では義家弘介氏（法務）、牧原秀樹氏（経産）、御法川信英氏（国交、内閣府、復興）。政務官では中谷真一氏（外務）、青山周平氏（文科、内閣府、復興）
野党では、維新の足立康史や、国民民主党の前原誠司の名前が見えます。
興味深いのは公明党関係者。上田勇・公明党政務調査会会長代理や、 古屋 範子・公明党副代表、斉藤鉄夫・公明党幹事長の3人が入っています。これ、良いのでしょうか？
でも、良い子の読者は、絶対に党と学会にチクっちゃダメですよ！ダメったらダメですからね！！
消されたFirst Lady
ちなみに、「縄文で世界を救う」「祈り」といえば、例のあの人が関与していそうなものなのに・・・と思ったあなた。そうです、実は2017年まで、名誉顧問に安倍昭恵が入っていました。
これが2017年Fujisan地球フェスタ役員名簿（2017年9月22日時点）
それが、10月11日には、安倍昭恵の名前は完全に消えています。
ちなみに2016年・2015年の役員名簿自体、公式サイトからその時点で削除されました。今は安倍昭恵の痕跡は、Fujisan地球フェスタ公式サイトには一切残っていません。
この間、何があったのでしょうか？日刊ゲンダイなどの報道があったのが、2017年9月26日です。
その報道後、名前が消え、肝心のフェスタには昭恵夫人どころか国会議員も1人も現れなかったとか。
・・・昭恵さんに会えるのを楽しみにしていた人、すみません。タレコんだの、じつは私です（笑）。
フェスタと「不二阿祖山太神宮」の関係
後援組織だけ見れば、もはや国家を挙げての一大イベントと言っても過言ではありません。その割に、国民的知名度は非常に低い。
実は、2017年までは地球フェスタの後援団体に、大手マスコミや地元マスコミが多数入っていました。2017年は読売新聞や朝日新聞・西日本新聞など、2016年と2015年には毎日新聞社が入ってます。
実際、先の日刊ゲンダイなどで報道されたのが2017年ですが、翌2018年から、全マスコミが手を引いている状況です。私が知る限り、イベントとしての報道もほぼなくなりました。
逆に言えば、なんでこんな幼稚な（＜断言）イベントに、政府観光庁や自治体や国会議員が絡んでるのでしょうか。
まず、大会実行委員長である渡邊政男は、別名を渡邊聖主と言い、実は「不二阿祖山太神宮（ふじあそやまたいじんぐう）」なる新興宗教の教祖です。
大会パンフレットと、あるサイトでの教祖様としての対談の顔写真を見比べれば一目瞭然です。まあ、そもそも対談で、渡邊政男＝渡邊聖主と書いている訳ですが（笑）。
渡邊政男は、「NPO法人 地球と共に生きる会」会長、「みんなの富士山学会」会長、「富士古代史考古学研究所」所長を名乗っています。
2020年大会実行委員・事務局のうち16人が「地球と共に生きる会」のメンバーであり、本部事務局長・濱谷京子は「地球と共に生きる会」副理事長です。
「地球を守る会」公式Webサイトは、（http://www.chidama.net/chidama_top.html）、表向き別ページなのですが、Fujisan地球フェスタのドメイン（www.chidama.net）の一部になってました。
以上のことから、フェスタ実行委員会の母体は、「地球と共に生きる会」であると断言できます。
さて、「地球を守る会」の主要な活動は、「天・人・地が大調和した『地球農法』」の田植え・収穫」です。渡邊聖主名義の著書「【世界最古】不二阿祖山太神宮 もうこれ以上はない日本根本の秘密」では「神農法」と呼ばれています。
「FUJISAN地球フェスタWA」の関連イベントである、恒例の「神農法」を使った稲やマコモ収穫祭は、富士吉田市内にある不二阿祖山太神宮の神田で行われています。
不二阿祖山太神宮御神田では、平成26年より、FUJISAN地球フェスタWAの関連イベント「親子稲作体験 お田植え祭・収穫祭」を行っております。
（不二阿祖山太神宮 不二国際御神田）
そもそも、「地球を守る会」と「不二阿祖山太神宮」は、ほぼ一体の存在であることが、関係者の証言でわかっています。
不二阿祖山太神宮に電話をかけて、現在の宗教法人「不二阿祖山太神宮」の成り立ちを聞いてみました。
「渡邉政男・大宮司は、東京の生まれですが富士山の裾野に養子に来て、その後40年間、宮下文書の研究をされてきました。そのことから、不二阿祖山太神宮の再建に着手されたのです。はじめは任意団体“地球と共に生きる会”として数人のメンバーでスタートし、2002年にNPO法人格を取りました。この頃から不二阿祖山太神宮の再建は始めていましたが、神様事を手がけるには宗教法人が必要だということになり、2009年に宗教法人になりました。山梨県は、かつてオウム真理教があった地でもあるので、宗教法人を取得するのにかなり時間がかかりました」（担当者）
（やや日刊カルト新聞 強調は筆者）
不二阿祖山太神宮のトンデモ教義
さて、不二阿祖山太神宮は、どのような宗教なのでしょうか？
これがホームページです。頭痛にならない自信がある人だけが、見てください（笑）。
Webサイトには、こんなことが書かれてます。
始原神であり唯一神、宇宙の創造神たる「富士太神(不二太神)」を祀る日本最古の神宮である。不二高天原の御世は、凡そ三百万年前から二百万年前、此の地で国常立天皇により興され、富士太神(不二太神)を皇祖皇大神宮 別祖太神宮に祀り、祭政一致の神都として繁栄していく。（不二阿祖山太神宮 御由緒）
不二阿祖山太神宮は、富士山の東北麓にある日本最古の神社で、富士山麓に栄えた超古代文明の富士王朝の中心を成した天皇家縁の太神宮です。
（不二阿祖山太神宮 再建と意義）
何を言ってるのか脳みそが追いつかない？
良かった、あなたは正常です（笑）。
こんなものを理解できてしまうヘンテコ馬（自己嫌悪）が、教祖様の本「【世界最古】不二阿祖山太神宮 」の内容も含めて、かいつまんで解説します。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
宇宙エネルギーが降りてくる聖山・富士山。その麓、不二阿祖山太神宮で、今から300万年前～200万年前、富士王朝が栄えていた。
その中心にいる天皇は、日本を支配するのみならず、世界を支配する「世界天皇」だった。日本人はメソポタミア文明を築き（！）、世界中のピラミッド発祥の元となった。
この富士王朝の日本に、崇神天皇の大和朝廷（神倭朝）が入り込み殺戮を行った。その2代後、日本武尊が東征し、富士王朝の残党をみんなやっつけたが、阿祖山太神宮の血脈だけは残された。
不二阿祖山太神宮は、富士山の鬼門にあり噴火エネルギーを抑えているので、以後、阿祖山太神宮が衰微すると富士山が噴火し、再建されると治まった。
不二阿祖山太神宮がない状況では地球上の噴火エネルギーが増しているため、再建が必要なのだ。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
これが不二阿祖山太神宮の教義です。
そもそも300万年前ってアウストラロピテクスの時代なのですけど、猿人の天皇で良いのでしょうか（笑）。
ともあれ、このトンデモ教義が、安倍昭恵の「スピリチュアル八紘一宇」、すなわち「世界を支配していた超古代日本を取り戻し、世界を救済する」、の一バリエーションであることはわかります。
繰り返しになりますが、Fujisan地球フェスタの主旨も、「縄文文化で世界を救う」というものです。
実際、さきの教祖様の著書には、弊立神宮の宮司と会った話や、そこの石碑の「ひふみ祝詞」、五色人、大本と出口王仁三郎、そしてミロクの話まで載っています。（このあたりの話は、前回・前々回の記事を読めば理解できます。）
そもそも、弊立神宮の宮司と江本勝が書いた『地球隠れ宮一万五千年のメッセージ 』、われらが渡邊教祖が書いた「【世界最古】不二阿祖山太神宮」は、ヒカルランドという同じ出版社から出版されており、とある特定のカルト人脈への近さを示唆しています。
どうでも良いのですが、弊立神宮も不二阿祖山太神宮、どちらも「世界最古の神社」を名乗っているのに、よく会ったときに宮司同士で喧嘩しなかったものだなと感心します（個人の感想です）。
ともあれ、弊立神宮が依拠しているのは古史古伝「竹内文書」で、不二阿祖山太神宮が依拠しているのは「富士宮下文書」です。「宮下文書」とは、神代文字で書かれていた超古代文献を、秦の始皇帝に派遣された徐福が漢文に翻訳したもの、とされています。
もちろん、これは偽書であることは確定しています。なにせ、本来元旦（新暦2月11日）であるべき神武天皇の即位日を2月11日にしていたり（原田実 『偽書が描いた日本の超古代史』）、「大本営」や「元帥」という近代の言葉が使われていたりするのです（神奈川徐福研究会定例会資料 富士古文献（宮下文書）概要と真贋問題）
そもそも、宗教法人「不二阿祖山太神宮」は、2009年に設立された新興宗教でしかありません。
不二阿祖山太神宮の前身は「天住の会（あすみのかい）」というものですが、信者から勧誘を受けた人は次のように語っています。
「もう金額は覚えていませんが、様々な名目でお金を取る宗教だったことは覚えています。たとえば、天住の会にはお守りがあって、これを持つ者は“神の子”として認められ、神の子として認められないものはお守りを持つことができず救われないというんです。そして、このお守りを持つ人は、月々、使用料を払う。変わったシステムだなと思いました。ほかにも、ヒーリングを覚える勉強会や試験があって、その都度、費用がかかる。ヒーリングには1度に1人を癒せるパワー、10人、100人を癒せるパワー、1000人力パワーといった調子でいろんな種類があり、それぞれに勉強会や試験があるんです。ヒーリングができるようになると、薬の副作用や食品添加物の毒性を消せると言って、私を勧誘して来た知人は、薬やスナック菓子にせっせとヒーリングをしてました」
（やや日刊カルト新聞 強調は筆者）
月額サブスク制のお守りって新しいですね！
「普通に考えれば、1ヶ月で切れるお守りってチョー弱いじゃん！」って妻がツッコンでましたけど。
ともあれ、こんな拝金主義的な集団が、組織変更以来、「不二阿祖山太神宮」再建のための資金を募っているのです。
その金額は、第一次目標で30億円です。
ちょっときな臭くなってきました。Fujisan地球フェスタへの政府ぐるみの後援は、まさにこの「金集め」に荷担していないでしょうか？
お知らせ
ここからの有料セクションでは、
●Fujisan地球フェスタが不二阿祖山太神宮の宣伝イベントである証拠
●それどころか集金イベントである可能性
●日本会議ら保守人脈がスタート
●安倍昭恵が支援した経緯
●国家としての問題点
25日、ちょっとコアな人向け考察を追記しました。
●Fujisan地球フェスタの「裏の意味」
Fujisan地球フェスタは不二阿祖山太神宮の宣伝イベントで確定
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