#アキエゲート の追及① 安倍昭恵のスピリチュアル八紘一宇

連載タイトル変更について

これまで「カルト政権の淵源」という連載記事で書いてきましたが、スタンスを明確にするために、「#アキエゲート の追及」という連載タイトルに変更します。

首相夫人と取り巻きのカルト集団が、国政に介入している疑惑、それを私は「アキエゲート」と名付けます。選挙で選ばれてもいない、公務員ですらない巫女気取りの一私人が国政に関与し、民主主義国家の憲法秩序を崩壊させている。そして、それを安倍首相も知りながら放置しているのです。

民主主義を守るため、私はこの連載で、安倍政権の実像を皆さんに伝えていきます。

転載にあたって

これから、『月刊菅野完 Gesellschaft』に連載中の私の論考、「カルト国家の淵源」を、編集部の許可をいただき、大幅加筆・修正の上で、Noteに転載していきます。

なかなか入手しづらい媒体なので、こうしてアクセスしやすい形で公開させていただけることを、大変嬉しく思います。

既存の購読者に不利益にならないように、原則として有償での公開となります。初回記事(本記事)は無料とさせていただきます。

この論考を通じて、通常の政治分析とは全く異なる角度から、安倍政権の実態に迫っていきます。つまり、安倍昭恵を「巫女」として擁するある特定のカルト集団が、彼女を通じて政権へと介入している様を、豊富な公開資料をもとに解明していきます。

その過程で、昭恵が主導した伊勢志摩サミットの「宗教的意味」や、官公庁ぐるみで新興宗教の宣伝イベントを後援していたり、などの現政権の実態についても明るみになっていくでしょう。

なぜこの大変な時期に、このような論考を公開するのか、そのような批判があるでしょう。これまでの「厚労省データ批判」シリーズなどの、データや論理的整合性を重視する論考とどのように折り合いをつけるのか、わかりにくいかもしれません。

しかし今だからこそ、私は安倍政権が持つ「カルト性」についての研究が必要だと考えています。

日本政府はいま、新型コロナウイルスの脅威への対処に失敗しつつあります。その背景には、明らかに「科学的思考」の軽視があります。すなわち、データをとり、正しく集計し、それに基づいて仮説を立て、実行し、検証する、その姿勢が完全に欠落しているのです。

安倍晋三の発言を見聞きし、彼の出す政策を虚心坦懐に精査する限り、彼がせいぜい1ヶ月で、新型コロナウイルス感染が収束すると信じていることは明らかです。安倍は「戦後最大の経済危機」と言い、「経済のV字回復」と言いますが、そこにはウイルス感染という現実問題についての認識はほとんど1つも見当たりません。全住所に配布するマスクにしても、現実的な防疫効果はほぼないことは明白です。

そして、ウイルスが観念ではなく現実的な存在である以上、観念的な対処を積み重ねつづける限り、事態は悪化の一途をたどるでしょう。

現政権の意思決定は、科学的思考の対極にあるものです。自分が信じたい世界だけを見て、自分が信じる通り・自分が言う通りの出来事が起きると信じ、そのために情報も組織もねじ曲げる。そして都合が悪い事柄はすべて外敵のせいにする。これが「カルト」思考です。

私たちが生き延びるためには、今まず私たち主権者は、安倍政権とはどのように思考する集団なのかを知ることが大切なのです。

連載を開始する前に、一言

私の論考は、ほとんどすべて公開資料に基づくものです。ありがたいことに、今の時代、安倍昭恵を含めて多くの当事者が、WebサイトやSNSに多数の「一次ソース」を残しています。私の結論や推測が正しいのか、ひとつひとつリンクをたどって確認していただければと存じます。

以下、本論に入ります。

カルト政権の淵源① 安倍昭恵のスピリチュアル八紘一宇

森友学園事件以後、日本のファーストレディーはオカルトにかぶれていると言われている。しかし週刊誌の報道などで興味本位の記事は見られるが、その信仰について系統立てた解説は存在しない。

しかし昭恵夫人が国政に介入してきたことがますます明らかになりつつある現在、彼女の信仰体系と宗教的人脈を調査することは急務だろう。私たちの政府が、特定の意図をもったカルト集団によってハッキングされ、そのバックドアが国家公務員でもなく国会議員でもない一私人であるとするならば、それは民主主義政治の危機だからである。

安倍昭恵のインタビュー

昭恵夫人は様々なインタビューで赤裸々に自身の信念を語っている。

以下、インタビューの引用を行う。

大麻はただの植物ではなくて、たぶんすごく高いエネルギーを持っていると私は思うんです。『それは日本人の精神性にも関係している』という人もいる。日本古来の神様と結びつきがあって、伊勢神宮でも『新宮大麻』というものがあります。神道では、大麻は罪穢れを祓うものとされていて、天照大神の御印とされているんです。戦後、占領下の日本でGHQが大麻を禁止したのも、単にマリファナというドラッグが広がるのを恐れたからというだけでなく、『日本人の自然や神を敬う精神性を恐れて禁止したのではないか』という人もいます。何千年もの間、日本人の衣食住と精神性に大きくかかわってきた大麻の文化を取り戻したい・・・。(週刊SPA!2015年12月15日号

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 日本の取り戻すべき精神性は、私は縄文時代にあると思っている(日刊ゲンダイ2017年3月8日 東京・文京区内のセミナー)
 安倍:私は、本当にこれから日本が世界をリードしていかなきゃいけないと思っているんですよ。
西田:客観的には難しいように思います。経済もそうですし、私がいる大学の世界も、ドンドン世界ランキングが下がっているんです。これはなかなか厳しいですよね。頑張って現状維持することも難しいという感じがします。
安倍:でも、日本に対する世界の注目は、非常に集まっていると思うんですね。オリンピックもそうだし、文化も。
 西田:訪日観光客は増えていますね。
安倍:新しいイノベーションが生まれているし、可能性として、日本はとてもポテンシャルが高いと私は思っています。その日本の精神性が世界をリードしていかないと「地球が終わる」って、本当に信じているんです。(BLOGOS 西田亮介のインタビュー 強調は筆者)

予め強調しておくが、彼女が信じる内容の真偽について真剣に検討する必要は、個人的には全く感じられない。しかし、日本における最高権力者の一人がどのような信仰体系を持っているのかは、真剣に検証していく必要がある。これが本連載における私のスタンスである。

したがって、「昭恵は○○である」と私がいうとき、それは「昭恵や周囲の人間がそのように信じている」という意味を省略して書いている、と理解してほしい。

ともあれ、これらの発言は荒唐無稽だが、ある意味において、内在的に一貫した主張をもっている。それを私の責任で要約するならば。

「縄文」時代の日本人は、大麻が神々とを結びつけ、高い精神性によって世界を統治していた。戦後抑圧されてきた縄文の精神性―大麻―を解放することで、日本は再び世界をリードする役目を担い、そして世界を救済する・・・

これが、安倍昭恵の信念である。この信仰体系を、私は「スピリチュアル八紘一宇」と呼ぶ。

「シャーマン」昭恵

しかし、この信念は、いかなる宗教なのだろうか?先の、西田亮介とのインタビューで、昭恵の信念体系を知る上で鍵になることを語っている。

西田:宗教をお持ちなんですか?
安倍:キリスト教の学校で育ったんですけど、今は別にキリスト教というわけじゃなくて、どちらかというと神道です。アメノウズメから取った「UZU」という名前の飲食店を神田でやっているんですけど、渦を起こしていきたいという思いがあるんですよね。
(中略)
安倍:私は、大きな自然の一部であって、“動かされてる感”がすごくあるんですよね。主人もよく言うのですが、総理大臣は努力でなれるものではなくて。政治家の中で努力してる人はいっぱいいますし、他を蹴落としても、ポストを掴もうという人達もたくさんいますから。 
そこで総理大臣になるっていうのは、“何か持ってる”“何か別の力”だと思うんですよ。「神」という言い方をしなくてもいいんだけど、なんかこう、“大いなる力”が働いていると私は思ってい。その力にある意味流されてるというか、乗っかっているのかなと、私は感じます。 
西田:“大いなる力”に流されて、様々な方にお会いになっていると。
安倍:あと先祖を信じていて。
(中略)
森永太一郎(筆者注 昭恵の曾祖父)は佐賀の伊万里出身なんですけど、今も私は九州の方に向いている感じがしちゃうんですよね。そこに立ち返って行っているような。誰かの意志がいつも降りてくる感じ。 
例えば、大本教の出口なおさんとか
。(BLOGOS 西田亮介とのインタビュー 強調は筆者)

昭恵は、自分と夫(安倍晋三)が「大いなる力」によって動かされていると信じている。そして、昭恵自身については、単に動かされているだけではなく、自分に「誰かの意志が降りてくる」と語っている。すなわち、昭恵は人間ならざる何者かの「依代」である。

だが昭恵が自分に降りてくるという、大本の出口なおとはいったい何者だろうか。

大本は、19世紀末、京都で生まれた古神道系新興宗教である。否むしろ、「生長の家」や「真光」「世界救世教」など主要な神道系新興宗教は大本から別れたものであり、その意味で新興宗教の祖とも言える存在である。

大本には、出口なおと出口王仁三郎の2人の教祖が存在する。大本の初期に重要な位置を占めたのが、鎮魂帰神法という神降ろしの術であるが(大本信徒連合会「鎮魂の姿勢」)、そこにおいて、出口なおは神の依代たる「神主」、出口王仁三郎は降りた神を判定する審神者であった。

ちなみに、出口なおに降りてくる神は「艮の金神」を名乗っていたが、それを出口王仁三郎は国祖・国常立尊であると審神している大本信徒連合会「二人の教祖」

大本において、出口なおは神を宿す「巫女」であった。昭恵がそれを理解しているならば、出口なおが降りてくる昭恵自身も、巫女を自認している可能性が高い。

しかし、昭恵にはいったい「どの神が降りてくる」(と思ってる)のだろうか。それは、今後の原稿で明らかにされるだろう。ただ、自分の店の店名の由来を、アメノウズメから取っていることには注目しておきたい。

ご存じの通り、日本神話においてアメノウズメは、天照大神が天岩戸に隠れたときに裸で踊り、岩戸が開くときに決定的な役割を果たしたと言われる神である。ともあれ、「天岩戸開き」こそ、昭恵の信念と行動を理解する上で非常に重要であることは、読者の記憶にとどめておいてほしい。

安倍晋三が信じるもの

注意してもらいたいのは、安倍晋三と安倍昭恵は、夫婦といえども別人格だということである。したがって、互いの信念体系は異なる。昭恵は、先のインタビューで、晋三について次のように証言している。

主人自身も特別な宗教があるわけじゃないんですけど、毎晩声を上げて、祈る言葉を唱えているような人なんですね。
西田:何をお祈りされているんですか?
安倍:感謝の言葉を。
西田:それは誰に対してですか?
安倍:神様なのか、先祖なのか、分からないですけど。何か自分の力ではないものに支えてもらっていることに対しての感謝を
西田:どこに向かって?虚空に向かってなんですかね?
安倍:分からないです。多分、自分に言い聞かせているのかもしれないけど、よく分からないです。(BLOGOS 西田亮介とのインタビュー 強調は筆者)

安倍昭恵は、明らかに安倍晋三の信仰をよく理解していない。それは逆もしかりで、晋三もまた、妻のことは理解できている節が見られない。

ただし、二人の信仰は客観的に見れば、「日本を取り戻す」など、かなり近いところがある。信仰系統でいえば、どちらも広義の大本系である可能性が高い。

上のインタビュー記事を読んで、著述家の菅野完は、生長の家の「神想観」という瞑想方法ではないかとTwitterで指摘したことがある(凍結済みアカウントより)。確かに、神想観には次のような文言があり、それは昭恵の証言と符合する。

この大調和の実相の世界にいて吾神の子として神より
無限の生かす力の供給を受けつつあるのである。
神の無限の生かす力自分の中に流れ入る流れ入る流れ入る・・・・。
満たされている。生かされている。満たされている。生かされている。
ありがとうございます、ありがとうございます・・・・。
もはや吾れ生くるにあらず、神のいのちここにありて生くるなり。(生長の家青年会「最高の人生を創る瞑想方法 ―神想観―」

菅野完が『日本会議の研究』で指摘する通り、安倍晋三の側近・ブレインには衛藤晟一や稲田朋美、伊藤哲夫や百地章など、生長の家原理主義者が多くを占めていることから、この推論には不自然なところはない。

先にも述べたが、生長の家の教祖である谷口雅春は、生長の家を創設する前、大本の専従活動家であった。大本から分かれた宗派の多くがそうであるように、生長の家もまた大本と同じ「万教帰一」(すべての宗教は根っこが同じである)を説いている。

ちなみに、神想観について、先の引用元によれば、最も簡略な方法は以下の通りらしい。

『わがたましいの底の底なる神よ。無限の力よ、湧き出でよ!』
と呼びかけて、「私は無限の力に護られているんだ!人間、力は無限力だ」と数回心の中で一心に繰返す方法は、私達が疲れなくなる、そして無限の働く力や無限の勉強する力が湧いてくる最も簡単な神想観です。(生長の家青年会「最高の人生を創る瞑想方法 ―神想観―」

その最も大切な点は「「善一元なる神」との一体感を深めること」、「感情の底の底から内なる神との一体感を深めて、“神をわがもの”とする」ことにある、と言われている。

常識的に考えて、この類いの万能感は、万が一にも政治に持ち込まれてはならないものであることは付言しておこう。

読者の皆様へ

月刊菅野完に掲載された初回原稿をまとめてアップしようと思ったのですが、加筆しているうちにあまりに長くなったため、次回に分けることにしました。

次号まで無償公開とさせていただきます。けっこう細々と資料代がかさむため、気に入ってくださった方、応援してくださる方は、サポートをいただけると嬉しいです。

ちなみに最近一番悲しいことは、Amazonでオカルト本ばかり買ってるため、自動でこの手の本ばかり薦められることです。ベゾスさん、お願いだから僕をカルト信者のような目で見ないで!(<被害妄想)

本記事を気に入ってくださった方は、是非マガジン「カルト政権の淵源」にご登録をお願いします。

次号は、この記事です。

「とある首相夫人と禁断の預言書」



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