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「適切な大きさ」と「社会的な課題」? ”プロボノ”活用2つのポイント

こんにちは。新潟県の地域おこし協力隊の推進に取り組む、石塚直樹(いしづかなおき)と申します。この度は本記事をご覧いただき、ありがとうございます。

地域に関わる人にとって「プロボノ」は良く聞く言葉で可能性は感じるけれど、どこか捉え切れず、実際の取り組みに踏み出せないままでいる人は多いのではないでしょうか。私もその一人です。2024年2月22日、新潟県長岡市+オンラインにて、サービスグラントの岡本さん、魚沼市地域おこし協力隊の米本さんのお二人の講師をお招きし、新潟県内の地域おこし協力隊を主対象とした「関係人口創出・地域の課題解決に向けたプロボノ活用勉強会」が開催されました。プロボノを活用した関係人口創出・地域の課題解決の2つのポイント(私個人の解釈含む)を学びましたので、レポートします。



プロボノとは?

「プロボノ」とは、「公共善のために」を意味するラテン語「Pro Bono Publico」を語源とする言葉で、【社会的・公共的な目的のために、職業上のスキルや経験を活かして取り組む社会貢献活動】を指しています(サービスグラントウェブサイトより)。英語に直すと「For Good Public」とか。うまく略せないけど、こちらの方が分かり易い感じも受けますね。

地域交流型プログラム「ふるさとプロボノ」

講師のお一人は「プロボノ」の力を通じて、社会課題の解決に取り組む非営利組織の課題解決を支援するサービスグラントの岡本さん。同社が地域社会の課題解決や地域経済の自立を応援する地域交流型プロボノプログラムとして2011年より取り組む「ふるさとプロボノ」について、事例紹介を頂きました。

地域交流型プロボノプログラム「ふるさとプロボノ」に取り組むサービスグラントの岡本さん。

ふるさとプロボノは地域活性化に取り組む地域内のコミュニティや団体と、地域外のビジネスパーソンをつなぐプログラム。開始して以降、これまで全国で多様な80件ものプロジェクトを推進。プロジェクトにおいて、仕事で培ったスキルや経験を提供する社会人と地域活性化に取り組む地域団体が、課題解決に向けて具体的な成果物を⼀緒に作っていく中で、地域と都市に新しいつながりが⽣まれています

プロボノを活用した「農作業シェアリング」

もうお一人は、魚沼市地域おこし協力隊の米本晋也さん。米本さんは、自身の活動フィールドである魚沼市の野菜直売処兼そば処「ものずき村」を核に関係人口を増やす新たな試みとしてふるさとプロボノを活用し、都市部に住む人たちに「農作業シェアリング」を呼びかける「ものずき村里山 応援プロジェクト」を立ち上げました。地域とビジネスパーソンの間に立ち、プロボノを活用した関係人口創出・地域の課題解決をコーディネートしています。地域での活用のコツを、コーディネーターの目線からお話を頂きました。

プロボノによる「農作業シェアリング」を展開する魚沼市地域おこし協力隊の米本晋也さん

プロボノを活用した関係人口創出・地域の課題解決のポイントは?

意見交換では、「お金はどう動くの?」、「プロボノで来ていただく方の旅費の考え方は?」「協力隊個人でプロジェクトを立てられるの?」、「マッチングがしやすいプロジェクトの特徴は?」など、実際にプロボノを活用した地域プロジェクトを進めるにあたっての質問が複数出されました。意見交換から、プロボノを活用した関係人口創出・地域の課題解決として、2つのポイント(①”適切な大きさ”のアウトプット(成果)のイメージを”具体的に”伝えること、②プロボノの性質を理解し、社会的な課題への関わりを明確に示すこと)が見えてきました。

ポイント①
”適切な大きさ”の成果イメージを”具体的に”伝える

一つは、「”適切な大きさ”のアウトプット(成果)のイメージを”具体的に”伝えること」です。プロボノを通して地域に貢献したい・関わりたいと考えている人に、入り口の段階で、「これは私では無理だ」ではなく、「これなら私にも出来そう」と思ってもらうことができるかどうか。そのためには、役割や責任範囲が大きすぎる「丸投げ」のプロジェクトや、例えば「コンセプトを立てたい」等、求められるアウトプットが「大きく抽象的」なプロジェクトは敬遠される傾向にあるとのことでした。

ポイント②
"性質"を理解し、"社会的な課題への関わり"を示す

もう一つは、「プロボノの"性質"を理解し、"社会的な課題への関わり"を明確に示すこと」です。プロボノ関心層は概ね社会的な課題への関心が高いため、例えば地域側が「売り上げを上げたい」ことが一つの目的のプロジェクトだとした場合、それだけでは社会的な課題との関りが分からないため、売り上げと社会的課題がどのようにつながっているのかを明確に示すことができれば、関心や参画を得ることができる可能性が高まるとのこと。また、プロボノとして参画して下さる方はリサーチが得意な方が多く、米本さんも一番初めのプロボノは、「農作業シェアリングではどのような人達をターゲットにするか」ターゲット設定をプロジェクトとして立ち上げ実施し、そのことが、現在の取組に繋がっているとのことでした。

参加者のお一人、小千谷市で農業に取り組む地域おこし協力隊の阿部さん

今回の勉強会では、関係人口創出・地域の課題解決の手法の一つとして、プロボノプロジェクトの大まかなポイントを学ぶことができました。それとともに、個人的には、今回学んだ「大都市圏のビジネスパーソンと社会的な課題を抱える地域社会のマッチングとしてのプロボノ」と同じくらい、その逆である「地元近隣のビジネスパーソンと地域課題のマッチングとしてのプロボノ」にも可能性を感じました。
ふるさとプロボノのウェブサイトでは、仕事で培ったスキルや経験を提供する社会人と、地域活性化に取り組む地域団体が、農山漁村や地域の課題解決に向けて作成した成果物なども掲載しています。ぜひ一度、ご覧ください。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!このnoteでは、今後も新潟県の地域おこし協力隊や地域づくりに関することについて発信していきます。スキ・コメントなど頂けますと嬉しいです!

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