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ウサギのことわざ 前編
ウサギのことわざで真っ先に思い浮かぶものは、
二兎を追う者は一兎をも得ずではないでしょうか。
二つの目標を同時に追求しようとすると、結局、どちらも取り逃がしてしまうことのたとえ。
実はこちらの「二兎を追う者は一兎をも得ず」は西洋のことわざが翻訳されたもので、日本人にもなじみ深いウサギを例えにしていたからか急速に広まり、元々同じ意味を持つことわざ「虻蜂取らず」を凌駕し現在に至ります。
ウサギが虻と蜂を駆逐する、食物連鎖を考えれば妥当な流れですが絵面を想像すると結構シュールです。
そんな日本人に大人気のウサギさんなら、ことわざが他にもあるだろうと調べてみたらやっぱりありました。
一挙にご紹介します。
兎の登り坂(うさぎののぼりざか)
得意分野で実力を発揮することのたとえ。また、条件に恵まれて物事が調子よく進むことのたとえ。
兎は前足が短く、後ろ足が長いため、坂を速くかけのぼることが得意であることから。
「兎の上り坂」とも書きます。
脱兎の勢い(だっとのいきおい)
きわめて迅速なさま。
「脱兎」は、逃げていく兎のことで、非常に速いもののたとえ。
由来は孫子の兵法の一つ『孫子・九地』の「始めは処女の如く、敵人戸を開く。後は脱兎の如く、敵拒ぐに及ばず(始めは処女のように慎み深く、後は脱兎のように素早く攻撃すれば、敵は防御できない)」から。
兎のひり放し(うさぎのひりはなし)
仕事の後始末をつけないこと。
「ひり放し」は、糞をしっぱなしの意。
兎は糞の後始末をしないところから。
お食事中の方ごめんなさい。
兎の耳(うさぎのみみ)
隠し事や人の知らない事件や噂などを巧みに聞き出すこと。また、その人。兎は耳が長く、非常に聴力が優れており、左右の耳を別々の方向に向けて全方位の音を聞くこともできることから。
ウサギ耳を付けた古畑任三郎や杉下右京を想像してはいけません。
兎に祭文(うさぎにさいもん)
いくら意見や忠告をしても、何も効果がないたとえ。
「祭文」は、祭りの時などに神にささげる祝詞のこと。
よく聞こえる耳を持つ兎であっても、祭文を聞かせたところで、言葉がわからず無駄になることから。
由来からすると「馬の耳に念仏」よりは「宝の持ち腐れ」のほうが同義語になりそうです。
兎波を走る(うさぎなみをはしる)
月影が水面に映っているさまのたとえ。また、仏教の悟りにおいて、浅い段階にとどまっている人のたとえ。
波が白く輝いて、兎が走っているように見えることから、月影が水面に映るさまをいう。
兎は象や馬に比べ、水に入る度合いが少ないことから、大乗仏教では、悟りの浅い段階にとどまっている者をいう。
まさかのダブルミーニングです。
ウサギはイメージしやすいからか、「兎」が含まれることわざが予想外に多かったので前後編二つの記事に分けさせていただきます。
今も昔もウサギは大人気です。
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