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弓矢由来の言葉たち
古来からの伝統的な遠距離武器と言えば『弓矢』です。
鉄砲が幅を利かせるまでは戦場で長い間ブイブイいわせていました。
という事は我々が現在使っている言葉にも影響を及ぼしているはず!
そんな『弓矢由来の言葉たち』をご紹介します。
手の内(てのうち)
1 てのひら。たなごころ。「手の内に汗を握る」
2 勢力の及ぶ範囲内。支配下。「天下を手の内に収める」
3 腕前。手並み。「手の内を拝見する」
4 心の中で考え、計画していること。「相手の手の内を読む」
由来は、
弓道では、「手の内」とは、弓を持つ手の使い方の技法を表します。
特に左手は重要とされ、使い方によりどの流派に属しているか、或いはその人が上手いか下手かがひと目で分ってしまうのです。
更に、熟練した弓道の名手は、左の手のひらにマメができていて、このマメの状態見ればその人の腕前が分ります。
その為に、優れた弓の使い手は決して「手の内」を人に見せないことから、「手の内を明かす」=「自分の秘密を教える」という言葉が使われる様になったのです。
上手に「手の内を隠す」相手には手を焼きますね。
筈(はず)
㋐当然そうなるべき道理であることを示す。また、その確信をもっていることを示す。「君はそれを知っている―だ」「来ない―はない」
㋑その予定であることを示す。「今日届く―になっている」
由来は、
はずは、本来、弓の両端の弦の輪をかける部分や、矢の端の弓の弦を受ける部分のことである。
このうち、矢のはずは弦とぴったり合うようになっていることから、当然そうなることを「はず」と表すようになった。
「手筈を整える」の「手筈(てはず)」も同じ由来です。
図星(ずぼし)
見こんだところ。目あてのところ。思い設けた的。思うつぼ。急所。
由来は、
図星は、矢の的の中心に描かれた黒点のこと。
この図星を狙って弓で矢を射るところから、急所や狙いどころの意味となった。
さらに、思惑や指摘などをピタリと当てる意味でも、図星は用いられるようになった。
「ズビシッ!」という擬音も同じ由来……かは不明です。
手薬煉を引く(てぐすねをひく)
十分に準備して機会を待つ。あらかじめ用意して待ち構える。
由来は、
手ぐすねを引くの「くすね(薬煉)」とは、松脂(まつやに)を油で煮て練り混ぜたもので、弓の弦などを強くするために塗られる粘着剤である。
この薬煉を手に塗ることを「手ぐすね」と言う。
合戦の前、十分な態勢で待ち構えるために、薬煉を手に取り弓の弦に塗ることから、十分に準備して機会を待つことを「手ぐすね引いて待つ」と言うようになった。
伸るか反るか(のるかそるか)
成否は天にまかせ、思い切って物事を行うこと。いちかばちか。
由来は、
のるかそるかは矢師の矢作りに由来する言葉で、「のる(伸る)」は「長く伸びる」や「真っ直ぐ伸びる」の意味で、「そる(反る)」は「後ろに曲がる」を意味する。
矢師が矢を作る時、「のため型」と呼ばれる竹の曲がりを直す物に入れ、竹を乾燥させる。
そこから取り出した竹が、真っ直ぐに伸びていたら矢として使えるが、少しでも曲がっていたら使い物にならず、捨てなければならなかった。
矢師が「のるかそるか(真っ直ぐ伸びるか曲がるか)」と、成否を気にしながら竹を取り出したことから、運を天に任せて思いっきりやることを「のるかそるか(伸るか反るか)」と言うようになった。
「乗るか反るか」は間違い。
今回は以上です。
直接「弓」「矢」が入る言葉は外しました。
日常でも多用する「~なはず」にちゃんとした由来があったとは。
日本語の奥深さ、恐るべしです。
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