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原題と邦題 その良し悪し

ディズニー映画『ミラベルと魔法だらけの家』のTVCMを見ていて「そういえばこの映画の原題ってなんだろう」と疑問がわきました。

海外の映画だと、原題(オリジナルのタイトル)と邦題(日本でつけたタイトル)が違うことはよくあり、特にディズニーは多いので今回もきっとそうだろうと思っていたらビンゴ。

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『Encanto(エンカント)』でした。
映画の舞台が南米コロンビアということもあり公用語として使われているスペイン語で「魅惑・魅力・魔法・魔力」という意味だそうです。

『アナと雪の女王』も原題が『Frozen』とシンプルでしたし、他にも
『ベイマックス(原題「Big Hero 6」)』
『塔の上のラプンツェル(原題「Tangled」)』
『シュガー・ラッシュ(原題「Wreck-It Ralph」)』
『プリンセスと魔法のキス(原題「The Princess and the Frog」)』
などなど。

海外ではできるだけシンプルに、でも観終わった後に納得できるようなタイトルという印象を受けます。
対して日本では、タイトルを聞くだけである程度内容が想像できるように付けているように思います。

日本でディズニー映画は小さな子供に向けてのセールスが強いので「わかりやすさ」を優先するのも納得です。
『Frozen』のままでは「アナ雪」のあそこまでの盛り上がりはなかったかもしれません。

だがしかしBut、この世には許されざる邦題もあり、あろうことかMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)にもあります。しかも二作品も。


その一『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』
原題は『 Guardians of the Galaxy Vol. 2』です。

「Vol. 2」と「リミックス」では意味が違います。
この邦題を聞いてすぐに続編だと認識する人がいるでしょうか?
原題の通りこちらの映画は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の正真正銘の続編です。再編集版ではありません。
しかも原題のタイトルにある「Vol. 2」は単なるパート2という意味の他に、作品内のとあるアイテムと関係しており非常に重要な意味を持っています。

これは酷い、最悪です。
タイトル詐欺といっても過言ではありません。
責任者出てこい案件です。


その二『マイティ・ソー バトルロイヤル』
原題は『Thor: Ragnarok』

そもそも「マイティ・ソー」自体が邦題であり、原題は「Thor(ソー)」なのでツッコミどころ1つ。
まあ、これは「ソー」だけだとカタカナ表記の場合に物足りなさを感じるかもしれないから百歩譲って見逃しましょう。

ですが、「バトルロイヤル」と「Ragnarok(ラグナロク)」の違いは見逃せません。
前述の「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーリミックス」とは違い嘘はついてません。
たしかに「バトルロイヤル」要素はあります。

バトルロイヤルとは、

3名以上の個人またはチームが同時に戦い、自分または自分たち以外はすべて敵という状況の中で、失格にならずに最後まで生き残った個人またはチー
ムを勝者と認めるというもの。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

なので、「ルールのある試合」を指す言葉だと思います。
どちらかと言えば平和的で小規模なイメージです。

対してラグナロクとは、

元来の語義は「神々の(死と滅亡の)運命」であり、北欧神話の世界における終末の日のことである。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

神々の熱き戦いです。
めっちゃ破壊的で壮大なイメージです。

もともと「Thor(ソー)」という作品は北欧神話がモチーフです。
この映画の内容も「ラグナロク」をテーマにしています。
必要不可欠な副題なのです。
こちらも責任者出てこい案件でしょう。


MCUもディズニー傘下なのにどうしてこのような悲劇が生まれてしまったのでしょうか・・・。
邦題を手掛けた会社や担当者が違うと言われてしまえばそれまでですが。

ベストなのは原題そのまま改変無し!なのですが、もし変えざるを得ないのであれば、本家ディズニーを見習ってMCU作品の邦題も作品を理解した上でのものにしていただきたいと切に願います。


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