雪道の歩き方
「なんだべ。
道路、黒ぐなってっから、濡れでるだけだと思ったっけ、
たっぺ張ってるんだべや。危ねぐ、ガードレールに刺さるところだ」
「そいづが、ブラックアイスバーンだ。
ニュースでいっつもやってっぺ。
んめは、新聞読まねがら何も分かんねんだ」
この季節、石巻ではよくある会話だと思います。
自分は、雪道や凍結路の運転が大嫌い。
免許を取って20年以上になるが、まったく慣れない。
「冬が嫌いな理由トップ10」を挙げるとすると、
○1 9999点 雪道の運転
○2 2213点 石油のポリタンクの重さ(1個20キロ)
○3 2210点 半端なく冷たい石巻の風
……こんな感じになる。
宮城県石巻市。東北地方というだけで、雪のイメージを持つ方も多いと思いますが、降雪量はそんなでもないのが特徴です。
だからこそ、大雪はプチパニックなのです。
降ったばかりのふわふわの状態は、割と大丈夫。
急ブレーキ、急ハンドルさえ気を付ければ、ほとんど問題がない。
まずいのは、ブラックアイスバーン。
前日の夕方や夜に強めの雨が降り、
未明から晴れて放射冷却で冷え込んだパターンに多い。
上のおじさん2人の会話にある通り、
道路は黒くなって濡れているように見えるだけ。
実際、日が差せば解けていくが、
風が通る場所や日陰、地熱の無い橋の上などはかなりの確率で凍っている。
それに気づかず、スピードを出していると、大変なことになる。
事故が最も多くなるのが、シーズン初めの凍結初日。
滑ったまま交差点に突入したり、カーブで横転して田んぼに突っ込んだり、
ガードレールに突き刺さったりということになってしまう。
目の前でそんな状況となり、何度か警察や消防に電話をしたこともある。
北国に住む上でのサガと言えることだが、
いまだに緊張しながら運転している。
なかでも最も嫌な雪道のパターンは、
圧雪を通り越した氷の轍(わだち)。
こうなると、スタッドレスタイヤなんかも全く無意味。
ハンドルをまっすぐ0度。静かにアクセルを入れても、
なぜか斜めに進行していくなんてことも少なくない。
車が友達の自分の仕事。公共交通機関には頼れない地域がら。
あー嫌だ、と言っても何も始まらないし、何も終わらない。
覚悟を決めてハンドルを握る冬の毎日。
雪国といわれる北海道とか、日本海側の方々はすごいな。
と、尊敬してしまうぐらいに、冬は憂鬱な日々を過ごしている。
そんな中で、ネットニュースの見出しになっている
東京で10センチの降雪!警報級!
大げさだと鼻で笑う雪国の人の気持ちも分かるが、
緊迫する気持ちも分かるという複雑な心境。
タイトルにしていた雪道の歩き方。
それを知りたいと読んでいただいた方に申し訳ないので、
生意気にもお教えすると、
自分の場合は歩幅を小さくして、足の裏を全てつける。
カチカチに凍っているところは、
歩くたびに少しだけ、かかとを回転させ、
滑る前に滑らせるという感覚。
後ろに転んで後頭部を強打、が最悪なので、
転ぶなら前にという想定で、
手をフリーにして歩けば問題はないと思われます。
どうぞ関東の皆さま。お気を付けて。
南岸低気圧は石巻も積雪になるので、自分も備えます。
雑文失礼。それではまた。
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