四十にして惑わず。
割と便利な1980年生まれ。
2000年にハタチになり、それを超えると、計算は簡単。
2010年は20+10で30歳、そんな感じで2020年には40歳。
例えば適当に。2047年は、20+47で67歳。2038年なら58歳。
秒速計算ができるぐらいだ。
どんな時に役立つかと言えば、「あれ、俺って今何歳だっけ?」という、どうでもいいときだけですけれど。
40を過ぎるといろいろ大変だ。
書きたかったのはそんなことではない。
もう少しキラキラ輝かしい話。
昔々、仙台市で行われた「'87未来の東北博覧会」開催時には、新小学1年生として、学校の校庭でクラスで集合写真を撮られ、未来を担う世代として紹介された。たぶん、宮城の同級生たちはみんな同じ。
当時、大人たちが描いた未来というものが、なんか良かった。
ほとんどマンガやアニメの想像図だが、
都会も田舎もビルだらけ。まちなかの空にはチューブが張り巡らされ、その中を車が行き交っていた。車は変形し、簡単に空も飛べるようになっている。
変な服を着た理想の家族が「夏休みは火星旅行!」なんて計画を立て、お手伝いのロボットが夕食を運び、働かなくてもいい夢の生活が送れると紹介されていた。
そのような中で昭和平成を過ごしてきた自分の世代。うさぎ跳びや素振り千本、罰のグラウンド10周、あいさつ声出しを経験した最後の世代であっただろうとも思う。
もうすぐ41歳。いい歳だな。
そんなことをふと考えたのは、プロ野球選手、松坂大輔の引退のせいだ。
先日、何の脈略もないところで、こう言われた。
「秋山さんって松坂世代だったんですか?同級生だったんですね!10歳ぐらい上だと思ってました」。
自分の老け具合は別にして、久しぶりに聞いた「松坂世代」という言葉。
長嶋茂雄や王貞治、キングカズこと三浦知良ら、各競技を代表する皆さんがいかに偉大でも〇〇世代とは言われない。
1998年夏の甲子園、PLとの延長17回の熱戦。イチローからの奪三振。松坂自身のインパクトはもちろんだが、同じ学年にあれほど個性豊かな選手がそろったことが奇跡だったということだ。
火の玉ストレートの阪神・藤川球児、横浜・巨人の主砲、"男"村田修一、赤田、矢野、古木、森本、寺本、杉内、木佐貫、久保、新垣、小谷野、平石…。挙げればきりがない。
数多くの同世代のプロスポーツ選手が少なくなっていくたび、自分の年齢を意識するようになったが、その中心にいた松坂が引退するという。
携帯電話に表示された速報ニュースに少し寂しくなった。
若いときは、40代というのが、はるか先のように思えたが、自分がそうなってみれば、中身はそう変わっていない。あいかわらずのアホのままだ。あの時、大人に見えた40代もアホだったんだな、きっと。
ただ、今回、松坂に選手としてのピリオドが来たように、時間は止められないと改めて気づかされた。世間からは、もはや若手とは認識されない年齢になったんだな、とも。
徐々に感じてきたことだが、今回、否応なしに認識させられた。
今更、歴史に名を残そうとは思わないけれど、幸いにも自分は、何をしたいか、何をするかも決まっている。
いつか見てろよ、と気合が入る。
そんなことを思わせる松坂世代という言葉。
自分以外にも、松坂を勝手にライバル視していた同級生たちは、たくさんいるんだろうな。
笑えるし、チカラももらえる。
今はただ、これまでの松坂の頑張りに敬意を表したい。
満身創痍でのプロ野球生活、ご苦労様でした。
少しだけ休んだら、これからも俺達に気合を入れてくれ。
10年経っても、20年過ぎても
「やっぱり松坂世代は違うな」と言われるよう頑張るから。