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【コラム】『保険使えません』どう伝える?


接骨院で健康保険を使って施術を受けるには条件があります。

接骨院では急性及び外傷性の『骨折•脱臼•捻挫•打撲•挫傷』に対して健康保険を使用して施術を受けることができます。
(骨折•脱臼は初回処置のみ。2回目以降は医師同意必要。)


健康保険を使用できる条件はこれだけです。

では反対に健康保険の対象外となるのはどういったものでしょうか。

〜健康保険の対象にならない場合〜
◇単なる肩こり、筋肉疲労
◇慰安目的のあん摩•マッサージ代わりの利用
◇病気(神経痛、リウマチ、五十肩、関節炎、ヘルニアなど)からくる痛みやこり
◇脳疾患後遺症などの後遺症
◇過去の交通事故等による後遺症
◇症状の改善が見られない長期の治療
◇医師の同意のない骨折や脱臼の治療(応急処置を除く)
◇仕事中や通勤途上におきた負傷

ご覧のようにたくさんあります。

実はこれをどう考えるかが非常に大切だと考えていて、『接骨院だけ縛りが多くて不公平だ!』と考えていては元も子ありません。

私はこれについて、保険が使えるかどうかは別として接骨院は様々な痛みや身体の不調、困ったことを相談できる場所として地域に認識されていると考えています。

つまりそれだけ頼られているからこそ、健康保険の対象外の疾患や症状の方もたくさん来院されるのです。

柔道整復師がケガの処置に限らず、フットワーク軽くいろんな症例に対応できるからこその問題点だったりする訳です。

なんでも対応できますよ!保険使えますよ!と世間に広く認知されてしまった接骨院の在り方が問題な訳です。

こういった背景を考慮すれば、患者さんからすれば『とりあえず保険使える場所』という認識で接骨院に来て当然なのです。

さて本題ですが結論、私は患者さんに対して保険が使えないという説明をする時はこう言います。

『接骨院はケガに対して保険が使えます。〇〇さんの症状はケガではないので保険を使うことができません。施術を受けることはできますが自費での対応となります。よろしいですか?』


これがシンプルで良いと思います。これまで散々いろんな言い回しを考えて実践しましたが、これが1番伝わり、誤解を生むことが少ない言い方でした。

なぜ誤解を生んでしまうのか、患者さん心理を元に考えてみましょう。

前述したように患者さんは『接骨院=保険が使えるところ』という認識で来院される方がほとんどです。

そういった認識に加え、痛みや不調でなんとかしてほしいという気持ちで来院されているにも関わらず『保険使えません』というのはある意味、門前払いされたように感じる方もいらっしゃるのです。

『施術を受けることはできますが』という一文を添えるだけで、この門前払い感を和らげることができます。

例えば口コミや紹介で来院されている方であれば、ある程度期待値を持って来院されているので制度に対して理解があれば問題なく自費でも受診して頂けると思います。

そもそもこの説明で理解が得られず、怒ったり不機嫌になるような方とは恐らくミスマッチなので毅然とした対応をされると良いです。

他に健康保険適用のルール説明においてよく使うのは、

『このルールはうち独自のものではなく、国が定めたルールです。』


前述した内容をお伝えすると『他の接骨院ではやってくれたのに』と仰る方もいます。

そういった場合に効果的に伝わる言い方で、他の接骨院でやっていたのが問題だったということを認識してもらうことが出来ます。

【だったら前の接骨院に通えば良いじゃん】と言えばそもそも論になりますが、以前の接骨院に対して治療や態度などなんらかの理由で転院しようと来院しているので他所を引き合いに出すのではなく、国が認めたルールなんだから従ってくれ、という思いを込めたセリフです。

これでも文句言う方は、、、根本的にミスマッチなんでお断りした方が良いかも知れません。


接骨院は本当にいろんな方がお見えになります。

接骨院と患者さんがミスマッチする場合の多くは、『治療効果』よりも『金銭面』が満足度に大きく寄与している方です。(院のコンセプトにマッチしていれば良いと思いますが…)

誤解を生むような表現を避けつつ、キッパリと言い切り毅然と対応する。

法令を遵守しつつ、適切に伝えて接骨院を運営して下さいね。

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