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情報社会を生き抜くための本6「2020」(ロバート・J・シャピロ)

この本が書かれたのは2010年。副題は、「10年後の世界新秩序を予測する」だ。10年たった今年、予測した10年間の答えが出されたことになる。著者のロバート・J・シャピロは、アメリカ大統領選のときにクリントン、ゴア、ケリーと候補者の経済政策の顧問をしていた。

グローバリゼーションの最大の恩恵を受けるのが中国になる・・・なった。今や、自国主義で防衛に走るヨーロッパやアメリカに対して、グローバリゼーションの旗手となっているのが中国だ。その陰に格差が広がる中国国民を予測している。そのとおり。グローバリゼーションで世界平和になることはない。米国と中国が危機感を高める・・・中国は国内消費を伸ばしていかねば切り抜けられない・・・コロナ禍で、中国はその方向に舵をとることになった。未知なる要素が二つある。隠のテロリズムと陽の技術革新。などなど、予測がほぼそのままこの10年の流れになった。

注目したいのはアメリカと中国に関する対立構造の予測だ。そして格差の広がりだ。未来を切り拓くのは技術革新。イノベーションが世界で共有されることでしか人類は生き抜くことができないとしている。

単なる予測本ではなく、この著者の視点を学ばねばならない。情報社会は世界の国々が地政学的リスクも共有する。20世紀とは違う情報社会での自国主義やグローバリゼーションの展開を考えるということだ。国の意味も考える視点も必要かもしれない。国って何?・・・国よりも政治体制?・・・今年、アメリカは「対中国」ではなく「対共産党」に意識を変えた。





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