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『経営12カ条』(稲盛和夫)ブックレビュー

2024年一発目のブックレビュー。何にしようかなと少し悩んだんだけど、悩んだからこそ好きな人の本からにしようってことで、結局つまるところの稲盛和夫さんです。もうね、稲盛さん“らしい”内容となっております。書いてあることはシンプルであり、まさにプリミティブ。勿論、『生き方』ともリンクする点が多々あります。
曰く、「経営12カ条は『人間として何が正しいのか』という普遍的な基準に基づく」(P3)。早速行ってみましょう。 


第1章:事業の目的・意義を明確にする

公明正大な事業の目的・意義こそが従業員の共感・協力を得られる(P25)・『全従業員を幸せにする』が根幹。結果としてこれが株主貢献や業績に繋がる(P33~34)
┗だからこそ堂々と従業員を叱ることができる(P40)

ビジョンが“正しい”からこそ従業員がついてくるし、『全従業員を幸せにする』が含まれるからこそ、愛を持って真剣に部下を叱ることができると。これは深く納得。

第2章:具体的な目標を立てる

・夢溢れるビジョンを掲げ、説き続け、それを果たす個別の目標を立てるべし(P51~52)
・尺取り虫の歩みのように、1年ごとの計画を立てる(=中長期計画はいらない)(P56)
┗目標共有のため、目標を立てるところから参画してもらう&結果が翌日にはわかる仕組みを作る(P62)
・企業とは、経営者の器以上には大きくならない→経営哲学をもて(高い山に登るなら、そのための準備と考えが必要)(P65) 

第3章:強烈な願望を心に抱く

・潜在意識に入るまで強烈に思い続けるべし(P71)
・強く思い、誰にも負けない努力を重ねることで実現する(P82)
「清らかな人間ほど、目標も人生の目的も汚れた人間よりはるかに容易に達成できる」byジェームズ・アレン(英・思想家)(P86)

⇒ジェームズ・アレンってこの本で結構出てくるのよね。いいこと言ってくれてるわぁ。

第4章:誰にも負けない努力をする

全力疾走でフルマラソンを駆け抜けるべし(P92)。地道な一歩ずつの努力の積み重ねが大切(P94)
・全力で取り組む→仕事が好きになる→全力で取り組む・・・のサイクルが生まれる(P98)
・「成功を手にできない人たちは、自身の欲望を全く犠牲にしていない人たち」byジェームズ・アレン(P101)

⇒『全力疾走でフルマラソンを駆け抜ける』ってなんかカッコいいよな~。全力⇒仕事が好きになる⇒全力のサイクルも好き。まず一歩目は好きでも嫌いでも全力で取り組んでみることなのよね。んで、その原動力はビジョンへの腹落ちってところかな。

第5章:売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える

・会社発展期こそ高収益企業とするチャンス。リアルタイムにわかる管理会計システム(アメーバ経営)が必要(P106)
┗いかなる時も土俵の真ん中に身を置き、確実に勝利を収める経営になる(P124)

⇒この本でいわゆる経営手法っぽい内容はこの5章と6章のみ。リアルタイムの管理会計システム、、、すげぇ。

第6章:値決めは経営

・値決めをする瞬間に、仕入れやコストダウンについても考えるべし(P133)

 第7章:経営は強い意識で決まる

・経営には従業員の共感が必要
┗常日頃からビジョンを伝えて希望を持たせ、飲み会で結束する(P146)
必死の思いを伝え続け、経営者が必死な姿で挑み続ける(P150)
・頭で考え状況判断で諦める人(状況対応型)ではなく、信念で可能性を信じる人(原理原則型)であれ(P155)

 ⇒経営者の必死な姿って大事よね。常に余裕な涼しい顔の経営者より、ギリギリのところで闘っている経営者の方についていきたい気がする。

第8章:燃える闘魂

・どのような環境でも闘争心を持ち、自分の会社や従業員を守る責任感を持つ(P166)
・ただし凄まじい闘志は諸刃の剣。だからこそ人間性を高めよ(P173)

⇒闘志は諸刃の剣、だから人間性を高める必要がある・・・昨今の政治家や企業不祥事を見てもそう思う。

第9章:勇気をもって事に当たる

・会社のために最も良かれと思う判断を、(しがらみに臆せず)真の勇気を持って断固として下す(P180)
・知識(理性のレベルで知っている)<見識(知識が信念まで高まっている)<胆識(見識+勇気)(P182)
・自身の過ちは素直に認めよ(P184)
自身が正義を貫いているという信念があってこそ、真の勇気が湧く(P187)
・大義を持ち、集団を守ろうとする愛の心を持て(P189)

第10章:常に創造的な仕事をする

・今日より明日、明日より明後日と改良しているか(P194)
・『能力を未来進行形で考える』(高い目標でも未来のある一点で達成することを決めてしまう)(P196)
・楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する(P202)

第11章:思いやりの心で誠実に

・相手を大切にし、思いやるという利他の行為は一見すると自身が損をするようでも、長いスパンで見れば必ず素晴らしい成果をもたらす(P216)
利他とは愛。利他を目覚めさせるには学ぶしかない(利己は本能なので学ぶ必要がない)(P218)
・経営者は自ら汗水を流して尽力することで、従業員と家族を守り抜く(P223)

⇒利他の心ですよ、いわゆる。たまらんね、このへんは。

第12章:常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で

強い思い(「何としてもやらなくては!」)の一方で、ポジティブな思い(「必ず素晴らしい未来が開ける」)を抱くこと。=人生の鉄則・経営者として生きる要諦(P228)
┗その行いで2つの他力(周囲の協力+この世の偉大な力)を得る(P229)
・「自分こそが自分の人生の創り手である」byジェームズ・アレン(P237)
┗素直な心は素晴らしい宝(P235)

 ⇒思いを強く・前向きになることで、他力を得る・・・これ、めちゃめちゃわかる。自身の持つ力は限られているけど、本当に凄い人は周りを巻き込んで大きな力を生んでいる。

 というわけで、“思い”や“人間性”をベースにした経営をモットーとする稲盛さんのカッコ良さ際立つ本でした。
24年一発目、上々のブックレビューかな。今年も、いい本を読むぞ!

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