今朝の夢

12月某日

幸せだと思ってしまった。

最近、私と彼の名前が書かれたツリーのオーナメントを目にしてしまったせいだ。

四年くらい付き合っていた昔の恋人が夢に出てきた。

付き合っては別れてを繰り返してきたけど、本当に幸せだったのは1年くらいだと思う。

幸せだった事よりも悲しかった事の方が沢山あったはずなのに、幸せだった事が忘れられない。(これが思い出は美化されるってやつだ)

夢の中で手を繋いで、彼の地元を歩く。

私は今でもあの街が好きだ。

錆びれた商店街があって、いろんな話をしながらあてもなく歩いた。それがとても楽しかった。夏にも冬にも愛しい思い出がある。

夢の中で、私達は彼の実家に行こうとしていた。
私は、もうあの2人に顔向けできないよ。そう言った。

本当にいろんなことがあった。
でも、私は今でも彼の事を大切に思っている。
だからといってこの先の人生では関わる事もないだろうし、関わりたいとも思わない。そう思ってた。過去に積み上げてきた問題があまりにも大きすぎるから。

なのに、夢の中で彼と手を繋いだ私は凄く嬉しかったし、幸せだと思ってしまった。

目が覚めた私は、幸せだと思った事が
なんだか悲しかった。

「思い出は宝物。」

彼がふと言った言葉。当時、若くて宝物と思う思い出が思い浮かばなかった私は、私にも宝物と思える思い出ができるといいなと思っていた。

今では、彼と過ごした記憶が宝物の一つになっている。

今、目の前にない事達が思い出となる。
それはやっぱり、切なくもあるけど
愛しいものだ。

思い出は宝物。

私は死ぬまでにどんな宝物を集められるのだろう。

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