9日目_My landscape【モンゴル/ナライハ】
2/2(木)
この曲を聴くとあの時を思い出す。
そんな曲がきっと誰にもあると思う。
私にもたくさんあるが、中でもBiSHの「My landscape」は格別だ。
社員旅行でミャンマーに行くまで一度も海外に行ったことのなかった私が、5年くらい前に1人でジンバブエに行った時によく聴いていた曲だ。
今でも英語はカタコトだが、それよりももっと喋れない当時、1人でアフリカに行くことは、私にとって「冒険」だった。
幸いにして親切な案内人を見つけることができ、ジンバブエの旅は無事終了したのだが、あの時の期待と不安が入り混じったドキドキを今でも思い出すのだ。
そう、BiSHの「My landscape」を聴くとね。
そして
今日はきっとこの風景をまた思い出すんだろうなと。
思い出してむず痒いようなこのドキドキを愛しく感じるんだろうなと。
そんなことを考えた日だった。
突然のキャンセル
突然のキャンセルと書いて、突然じゃないキャンセルなんてあるのかと考えたが、事前に結構匂わせてからキャンセルするとかはそれに該当するかもしれない。
みたいな。
余談はさておき、私の場合は突然だった。
チンギスハーン像を見に行くのに、一番安い(10,000円ちょい)ツアーを予約したのが悪かったのか、催行されませんと前日にメールが入っていた。
ちなみにメールにはキャンセルの理由として「ツアーガイドがコロナになってしまったので」みたいに書いてあった。
つまりやばい
チンギスハーン像はウランバートル中心地から東に55km。
とても歩いて行ける距離ではないし、タクシーで往復するのは手持ちがない。
※タクシーは1,000tg(=40円)/1kmが相場らしいのだが、観光客丸出しだからなのか、2倍くらいの値段で請求されることが多かった。
つまり、往復で110km×2,000tg(相場の倍)=220,000tg
・空港で1万円(=250,000tg)しか両替していない
・ホテル代(45,000tg=1,800円くらい)やご飯代も現金で払わないといけない
・他に手持ちの現金がない
・フライトが明日という状況でATMは極力使いたくない(万が一カードが吸い込まれて、返却に時間がかかったらだるいので)
という制約を持つ私は、全行程をタクシーで行くことができない。
どうするか
ということで、なんとか手持ちの現金だけで往復したい私は、たまたま発見したブログ↓を参考に途中までバス、途中からタクシーで行くことに。
まずは35kmくらい先の「ナライハ」という街までバス行かないといけない。
バスはどこまで行っても500tg(=20円)という驚きの安さなので、実質無料。
そこまで行けば残りは20kmくらいなので、倍の相場で請求されても余裕で払える。
ナライハ行きのバス
ナライハまではウランバートル中心地のスフバートル広場近くのバス停から黄色の4番または5番のバスに乗ればいけるらしい。
だが、一向にバスは来ない。
そして足の指先がめちゃくちゃ冷たくなってきた。
堪らなくなった私はその辺の人に「ここからナライハまで行けますか?」と聞いてみることに。
モンゴルは基本的に誰でも英語は喋れるという感じではなく、銀行とか空港にあるタクシー会社とか、そういう一部の人のみが喋れるらしく、私が声をかけたおばちゃんもモンゴル語で返してきた。
もちろん、全然わからないのだが、雰囲気で「ここには来ない」と言っているような気がする・・・!
両腕を使ってバッテンマークまで作られたので予感は確信に変わった。
しかしここまでは想定内!
上記のブログの筆者さんもここにはバスが来なかったと書いてある。
そしてもう3〜4km先の「Mongolia International University」あたりのバス停を目指すことにする。
3〜4kmくらい歩こうとも思ったが、寒すぎて無理なのでタクシーに乗った。(やはり相場の倍、6,000tg=240円請求された。)
そしてそのバス停で待つこと20分。
黄色の5番バスが来た!
一応バスの運転手に「ナライハ?」と聞き、「イエア」と答えてくれたのを確認しバスに乗り込む。
モンゴルのバスはスリが多いらしく警戒していたが、人も少なく特に問題はなかった。
そしてナライハ到着
ナライハではディズニーの氷像があり、この氷像がすごい透明度だったので見て欲しい。
ここからタクシーを探すのだが、思ったように見つからない。
歩き回ること15分。
愛想の良いおじいちゃんが止まってくれた。
ただの親切なおじいちゃん?
このおじいちゃんもモンゴル語だったので、実際には何を言っていたのかわからないが、先に結論を言うと実はこのおじいちゃん、タクシー運転手ではなかった。
「ここに行きたい」とチンギスハーン像を表示すると、「そこに行くにはここではダメだ」といい、車に乗るように促してくれた。
5分もしないところにタクシーが沢山止まっているスペースがあり、「ここだよ」と降ろしてくれた。
そして自分も車から降り、タクシーの運転手に「彼をチンギスハーン像まで連れて行ってくれ」と繋いでくれ、そのまま去って行った。
何者だったんだろう。
ちなみにそこからチンギスハーン像までの料金は、おじいちゃんが事前に聞いてくれていて、25,500tg(1,020円)とのこと。
距離は約24kmなので、ほぼ相場通りと言える。
今まで乗ったタクシーの中では一番安いし、おじいちゃんの去り際にお礼を渡そうとしたが「そんなのは必要ないよ」と断られたので、本当に親切なだけのおじいちゃんだったのだろうか。
とにかくありがとうございました!
ついにチンギスハーン像へ
このタクシー運転手も親切な人で、至ることで「ほら、もうすぐだぞ」とか「ここで写真を撮るといいよ」とか色々(モンゴル語で)話しかけてくれたたので、道中は暇をしなかった。
チンギスハーン像は、本当にそれ以外なにもないポツンとした所にあった。
あたりは一面雪景色。
青空がよく映える。
中に入るには20,000tg(=800円)必要で、中には資料館や民族衣装体験、展望台への階段/エレベーターがある。
My landscape
馬の頭部分からの景色を見て、今更ながらにやっと旅が始まったんだなと実感した。
ウランバートル→ナライハ→チンギスハーン像という行程ではなく
2020年、会社退職したのにコロナで延期になって、社宅から出てそのまま銭湯掃除で住み込みして、色んな人と出会ったり別れたりしながらついにここまでやってきたんだなという実感である。
旅が始まって明日で10日目。
こんな幸せな気持ちになるなんて自分でも思わなかったが、これから世界中で同じような景色を探していきたい。
ウランバートルへの帰還
そんなこんなで無事ウランバートルへと帰ってきた。
ちょっと散歩をしたが、寒すぎるのでゲストハウスへ戻ることにした。
ピロシキ作り
そしてゲストハウスに泊まっているメンバー(ロシア人)によって突如開催されるピロシキ作り。
そしてみんなで夜景を見に行った
こんな感じでゲストハウスの仲間と一緒に活動するのは初めての経験で、とても嬉しかった。
出発は明日
そんなモンゴルも明日出発である。
極寒の国から、常夏の国「タイ」へ向かう。
タイでは妻と合流して、新婚旅行みたいにするので楽しみすぎる!
つづく!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?