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社会システム研究⑤~金利が売買高(GDP)を増やそうとする

三次産業までいくと「GDPが増えた方が豊か」か「GDPが増えなくても豊か」か、それが分からない世界に入っていきます。とにかくGDPが増えればいい、というわけではない世界です。

しかし、今の社会システムでは「どちらでもいいよね」ではなく「GDPが増える方向に社会が動いてしまう」ことになっています。

それはなぜかというと【金利】が存在しているからです。

金利は、単純に性質として「増えよう、増えよう」とします。

10%の金利がついていて、100万円を借りると(金融機関からすると貸し付けると)、110万円に増やして返済する必要があります。

この金額をが増えていくことを「経済成長」と呼んでいて、「経済成長をする必要がある」と政府が施策を打っていけば、それは当然「GDPを増やす方向」に社会が傾いていくことになります。

今、多くの国がこの「中央銀行システム」を採用しています。日本も、日本政府が100%出資して日本銀行を設立して(明治のことです)、中央銀行システムを開始しました。(逆に言うと、それ以前は日本に中央銀行はなかったわけです。幕府発行通貨、藩発行通貨などの多様な通貨が流通していたようです。)

人口が増えているフェーズで、一次産業二次産業に成長の余地があるときには、中央銀行が金利をつけて、市場に貨幣を供給していくシステムは、それほど大きな問題は起こりません。

しかし、三次産業のフェーズに入り、人口増加が止まると(日本の出生率が2を切り出したのは1974年です)、この金利システムは難しくなってきたはずです。

ちなみに、「2021年3月期の日銀の収支報告書によれば、金利収入は2兆2,179億円でした。」←これはChatGPTに聞いてみました。

国家予算が100兆円ほどなので、2%くらいは金利収入で賄っている、ということになります。

近年「ゼロ金利政策」が続いていましたが、これは当然と言えば当然のように思えます。ゼロ金利政策というのは、要は「お金を借りてくれる人がいない」ということなんですが、二次産業の成長が必要だった時代は「車を製造する工場を作るから、設備投資のためにお金を貸してくれ」という会社があったわけです。

しかし、一次産業二次産業が飽和してくると、そのような必要性が減ってきます。

だから「お金を借りてまで設備投資する」というのが減るのは自然なことでしょう。

日本全体に、だいたい道路も敷いた。国民が一家に一台所有するくらいの工場設備はある。となれば、設備投資のための借入すること(それはつまり、社会に流通するお金の送料を増やすこと)は減っていきます。

GDPが増えてはいけないわけではありませんが、別に増えなくても構わない。むしろ人口減少フェーズに入るのであれば、GDPは減少するのが自然、、、ということです。

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