越境リーダーシップ

越境リーダーシップ

小林さんからいただいたお題。

この言葉自体がもしかしたら商標登録されているとかあるかもしれないから、そういう意味では勝手なことはかけないかもしれないんだけど、

「越境」と「リーダーシップ」は、普通に一般用語なので、その辺からちょっと考えてみたいと思う。

今、ビジネスの文脈で「越境」っていう言葉が結構出てきているな、と思う。

すごく単純化して言ってしまうと、1社での行き詰まりを感じていて「越境しなきゃ」みたいな雰囲気があるんだと思う。

これは、本質的に何が起きているかと言うと「付加価値の源泉」「競争力の源泉」みたいなことのシフトが起こっているってことだと思っている。

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「情報」が競争力の源泉だった時は、越境というのはむしろリスクでしかなかった。機密情報が漏れないようにすることが、競争力を維持したり高めたりするうえでとても大切だ。

メーカーがすごい技術を開発した。この技術で特許をとれば10年は大儲けできるぞ。

そういう時には、その「機密情報」を秘匿することこそが、まさに競争力の源泉になる。そういう文脈の時に「越境」なんて言葉は出てこないでしょう。

そうじゃなくなってきてるから「越境」みたいな話が出てくる。

1社だけの情報やアイデアでは、付加価値を創造できない。創造性の源泉の一つは多様性だ。自社と違う考え方やデータに触れて、創造性を発揮したい。そう思うから、越境ということが出てくる。

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でも当然だけど、越境したら情報の機密性は損なわれるし「この特許で、うちの会社は10年安泰だ」みたいなことは難しくなる。

自社だけの利益を・・・という会計単位の発想では「越境」ということは実施できない。

創造性は欲しい。だから越境はしたい。でも生まれたアイデアから出る利益は独占したい、ということはどうしても矛盾している。

そこで、リーダーシップってことになるのかなと思う。

僕はリーダーシップっていうのは「矛盾を引き受ける」みたいな側面があると思っている。「クリエイティブテンションを引き受ける」みたいに言ってもいい。

これまでの「自社に閉じた会計の考え方」と「自社に閉じない創造性の生み出し方」という命題から逃げない。取り組む。そこにこそ新しい何かを構築しようとする、そういうことが”越境リーダーシップ”みたいなことなのかな、と。

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