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「明日、春が来たら」 (リーグ第3節・湘南ベルマーレ戦:1-1)

 等々力陸上競技場での湘南ベルマーレ戦は1-1。ドロー決着でした。

得点は、今季湘南から新加入した瀬川祐輔による恩返し弾です。相手のクリアミスが転がってきての絶好のパスになりましたが、それを冷静に決めました。

「アンラッキーな形で僕の前にボールがこぼれてきました。ファーストタッチで相手の前、ゴール前に運べて、落ち着いてゴールを決めることができました」(瀬川祐輔)

 瀬川祐輔にとっては、嬉しい移籍後ゴールとなりました。

「あとは結果ですかね。結果を出して信頼してもらえるようになると、僕も良さが出てくると思ってます。走ってもパス出てこなかったら意味がないので」

 彼自身、そんなふうに結果が欲しいと試合前から常に言い続けていました。アタッカーである彼は個人で打開するタイプではなく、周囲に使われて生きるタイプです。そして幾多のクラブを渡り歩いてきた彼は、自分が上手く使われるためには、そのメリットを示さなくてはパスが出てこないことを熟知しているようでした。そうした信頼を勝ち得るために結果が必要だとよくわかっているんですね。だから、早く結果が欲しかった。

それだけ彼に自身にとっても価値のあるゴールだったのではないでしょうか。

試合は勝ち切れませんでした。試合全体を考えると、チームとしての取り組みに対する課題を提示されたような試合でもありました。

ただ前節は山田新が初ゴール、今節は松長根悠仁がプロデビューし、瀬川祐輔が移籍後初ゴールを挙げました。2試合連続先発した大南拓磨も、最終ラインで奮闘しています。

新加入選手が存在感を見せているという意味では、そんなに悲観する必要もないし、収穫だってあると思っています。そんなことを踏まえたレビューになっております。ぜひ読んでみてください!

なお、プレビューはこちらです。

では、スタート!

■「マンツーマンでつかれているので、パスだけでは苦しかったのかなと思います。3バック気味にしても3人がプレッシャーをかけてくる感じだった。なかなか前進するのが難しかった」(佐々木旭)、「はっきりと裏に蹴って、陣取りゲームじゃないですけれども、自分たちがラインを押し上げる。低い位置じゃなくて高い位置で守備をするっていう回数を増やさないといけない中で、そこが曖昧になってしまった」(大南拓磨)。それでも繋ぐのか、思い切って蹴るのか。前半の判断が曖昧になってしまった原因は?

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