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「カメラを止めるな!」を語る:vol.8〜ようやく会えた上田慎一郎監督。そして、「わからなさを信じて進む」ということ。

どうも、いしかわごうです。

「カメラを止めるな!」を熱く語るシリーズの第8回目です。

『カメラを止めるな!」の8テイク目は、8月27日に池袋シネマロサで鑑賞しました。

この8テイク目はカメ止め鑑賞以外の目的があった回でした。

・・・というのも、同じシネマロサで大橋隆行監督作品の「さくらになる」上映後、「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督とのトークショーが行われるというのです。

 これまでカメ止めのキャストとは触れ合ってきましたが、実は上田慎一郎監督本人とはお会いしたことがなかったのです。今回は監督同士のトークショーですが、シネマロサならば、イベント後のファンサービスもあるかもしれないということで、池袋に足を運んでみることにしました。

 東京は、相変わらず信じられない猛暑続きだったのですが、この日は本気で暑かったですね。池袋の駅前を少し歩いただけで汗がだくだくになってしまいました。

■「カメラを止めるな!」と「さくらになる」のハシゴ鑑賞

 ちなみに「さくらになる」は20時30分開始で、「カメラを止めるな!」は18時開始。ハシゴ鑑賞も可能だということがわかり、窓口で無事にチケット購入しました。

 18時の映画開始時間までは少し時間があったので、池袋タイムズスパに行くことに。ここのサウナと水風呂で「ととのえる」のが鑑賞前のルーティーンになっているのですが、あまりにも汗だくなのでユニクロに寄って着替え用のTシャツと下着を買ってから向かうことにしました。

・・・ユニクロ館内ではテレビがロケを行っていて、松本伊代さんや南海キャンディーズの山ちゃんがいました。収録の合間に、「本(天才はあきらめた)、読みました!」と声をかけようか迷ったけど、遠慮してかけられなかったですね。難しいっす。

 そんなこんなで、タイムズスパでととのえてから、ロサに。
最初は「カメラを止めるな!」を鑑賞。8回目です。いつも思いますけど、倒れ込んだ助監督を受け止める長屋くんの場面、後ろにはセーフティーネットもないみたいだし、実はけっこう危ないですよね・笑。

 恒例のサプライズ舞台挨拶には、やはり上田監督も登壇。キャストは吉田さん、山口さん、曽我さんでした。

 近頃、上田監督が愛用している黄色のTシャツは、ファンにもらったものだと明かしてました。キャストからは、レンズに血がついたトラブルや組体操の話などの裏話でした。

 ちなみに上映中、隣に座っていた女性が前半部分からクスクスと笑っていたので、「リピーターだな」と思っていたんですよ。舞台挨拶で「初めて見た人?」と聞かれたときに、めっちゃ挙手してて「マジか?」と思いましたね・笑。

■上田監督のサインをゲット!

 舞台挨拶後は、いつものようにファンサービスも。

ようやく上田監督と写真が撮れました。見た通りに、明るい人でした。サインもゲット。

■「さくらになる」を観る

上映が始まるまではわりと時間があったのですが、突然のゲリラ豪雨で、まるで外に出られず・・・・館内で雨宿りしていたんですが、ツイッターを眺めていたら、ちびまる子ちゃんの作者・さくらももこ先生の訃報が飛び込んできました。これから「さくらになる」を見るときに・・・。

「さくらになる」は、或る日突然、人の身体から桜が咲き、そして死ぬという謎の病が蔓延した世界の話です。

原因も対処法も見つかっていないため、「発症すると桜になって死ぬ」ということが当たり前となっていて、それを淡々と受け入れる人、抵抗する人、動揺する周囲の家族などなど、様々な人間模様を描いた作品です。ただ、全体としては、わりと淡々と描写されながら物語が進んで行く・・・なんだか掴み所がない不思議な映画でした。

■大橋隆行監督と上田慎一郎監督のトークショー

 上映後は、大橋隆行監督と上田監督のトークショーが始まりました。

なぜかカメ止めTシャツを着用してくる大橋監督。

トークショーは、上田監督がインタビュアーになるような対談形式で進んでいきました。まずは感想から。

「初見ですぐに話せる映画ではないですよね。なんというんですかね・・・・・感想をすぐに言うのがなかなか・・・僕が作るような映画とは違うので。エンターティメントや娯楽映画なら、『ここが優れている!』、『ここが言いたい!』とすぐにわかる。うまいとか下手とかじゃないところでやっている・・・洗練されてますよね」(上田監督)

そして「なぜ人がさくらになる映画を撮ろうとしたのか?」という質問が、大橋監督に。

「自然に動き始めた企画。そもそも桜をモチーフに何かを撮ろうとしていた。人体から桜が咲く・・・その絵が見えたときに何か面白いなと思って、それをどう物語にするのか。ずっとやっているテーマが桜と死で・・」(大橋監督)

 ・・・という感じで対談が始まっていったわけですが、全部は紹介できないのでポイントだけ。興味深かったのが、さくらになる病の詳しい設定をせずに、大橋監督が作品を撮っていたことです。わざと曖昧というか、ボンヤリさせている節があって、逆にその「わからなさ」、「掴めなさ」が大橋監督の味なんでしょうね。

 ここらへんは、自分と真逆のスタイルだと上田監督は言います。

「自分は設定を作ることが楽しくなるタイプ。さくらになるにはどのぐらい時間がかかって、さくらの解毒剤みたいなものがあって・・・とか、そういうところに楽しさを求めてしまう。『わからなさを信じて進む』というのを感じた。わからないままやっていたんですね」(上田監督)

■わからなさを信じて進む。

 上田監督の言う「わからなさを信じて進む」と大橋監督のスタイルというのは、すごく勇気がいることでもあります。だってわかりにくいことで「ついてこれない人」、「理解できない人」を置いてけぼりにしてしまう可能性がありますから。言い換えると、見る人を「信頼している」ともいえるし、「ついてこれない人は知らない」という潔さもあります。

 そして対談は、ラストシーンの描写について。やはりこの映画の全てが、そこに凝縮されていました。あのラストシーンを評して、「最後に力があった」と上田監督。

「どこで終わるかと思って見ていたら、『これ、クライマックスや!』と思った。だって、大橋さんがはしゃいでるもん(笑)。そして最後に『さくらになる』って出てきた。それが言いたい映画やったなと。ラストシーンの直前まで、『なんだこれは?』になる」(上田監督)

「その『なんだこれは?』を、ラストで全部挽回してやろうという・・・それについてこれない人は、ごめんなさい。これに喜んでくれる人がいたら、うれしいですね」(大橋監督)

■みんなで「グー!」ポーズ

 トークショー後の写真撮影では「さくらになる」のキャストも登壇。そして残っていたカメ止めキャストも登壇してくれました。「さくらになる」の「グー!」ポーズ。

 そして、全員でカメ止めの「ゾンビポーズ」も。

テイク8は、ちょっと今までとは違った鑑賞記でした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

以上、「カメラを止めるな!」を語るシリーズの第8回目でした。

※「カメラを止めるな!」を語るシリーズのバックナンバーはこちらです(「いいね!」や「オススメ」をしていただけると嬉しいです)。

・「カメラを止めるな!」を語る:vol.1〜出会いと初鑑賞を振り返ってみる。

・「カメラを止めるな!」を語る:vol.2〜手に負えないことをしないで、何が映画だ。

「カメラを止めるな!」を語る:vol.3〜最高すぎる空間だった「絶叫ナイト」を振り返る。

・「カメラを止めるな!」を語る:vol.4〜人生のカメラを止めるな! それがアツアツポイントです。

・「カメラを止めるな!」を語る:vol.5〜カメ止めTシャツをゲットするまでのあれこれ。

・「カメラを止めるな!」を語る:vol.6〜映画監督とサッカー監督の話。

・「カメラを止めるな!」を語る:vol.7〜日暮真央の頬にあった絆創膏の謎を探れ。


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