石川樹脂工業では、ロボットやAIによる作業の自動化を進めています。「人の手」を不用意に入れないことで省人化を進め、人が“人らしく”、人としての価値を発揮できるエリアでモノづくりに集中する。それは持続可能なモノづくりへの実践です。
こんにちは、石川樹脂工業専務取締役の石川勤です。3年前、弊社では工場にロボットを導入した新生産ラインを構築しました。これらのロボットシステムは、原料となる樹脂の切断や研磨の工程における自動化を実現しました。今回は、弊社のFA(ファクトリーオートメーション)の経緯を紹介したいと思います。
わたしの“ムチャブリ”を受けた二人──開発部のサブマネージャー北村匡浩さんとロボット事業部の森澤碩文さんに話してもらいました。
ロボット導入のはじまり
2018年、工場の機械はその半分が機能していなかった。26台ある成形機の内、稼働しているのが10台ほど。機械が故障していたわけではない。主な理由は、人手が足りないこと。
2019年5月、工場にロボットが導入される。国内外でロボット、ロボマシン事業を展開するファナック株式会社に依頼した。工場に設置されたロボットシステムを見て、北村さんは確信する。これが実際に機能すれば、成形時間が短縮され、かつ人が関わらなくとも効果的に稼働する。
北村さんと森澤さんはファナックのロボット講習を受けに行った。同じ理系でも、北村さんは電子系、森澤さんは工学系。二人ともロボットが専門というわけではない。そこで森澤さんは、ロボットの開発者から「一週間でハンドをつくってください」と言われる。ハンドとは、ロボットが製品を掴むパーツのこと。二色成形の工程を自動化する上で重要な役割となる。
「12月に5つのラインを導入する」
予算と納期の関係上、5ラインを一気に導入できる会社はなかった。北村さんは県内のロボット製造ができる企業を探し奔走した。8月に1社が見つかり、3台の導入が決まった。9月にもう1社、残り2台分の導入が決まる。その間、森澤さんは新たにハンドの設計を進めていた。
時間のないドタバタの中、突貫工事でロボットを導入し、5ラインが整った。設置自体は10月に終えたのだが、動かない。複数の、複雑な不具合が発見された。配管を整理し、デジタル板の配線を調整し、製品を運ぶ同線をプログラムし、夜中まで議論を重ねながら微調整を続けた。
2020年2月、晴れて5ラインが立ち上がった。
モノづくりをハックせよ
ロボットシステム導入が実現した背景には、石川樹脂工業のモノづくりの速度感、多様な課題設定、精度の高い意思決定が存在する。
これからの構想~どのような工場を作っていきたいか~
常にイノベーティブなモノづくりを続ける石川樹脂工業。最後に、その大きな一歩を支える北村さんと森澤さんの二人に「イノベーションとは何か?」を訊ねた。
現在、石川樹脂工業の工場はロボットが10台、8ラインまで増加している。生産性の高い性能のロボットにグレードアップし、さらなる未来を描いている。
石川樹脂工業株式会社では一緒に働く仲間を募集しています。