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共同親権におけるもめ事の回避。進学など重要事項の決め方

現状の離婚後単独親権制度でも、父母で子育て(共同養育)ができている人たちも稀にいます。

千秋さんと遠藤さんの元夫婦は、親権は千秋さんですが、子どもは遠藤さんの家に週1回泊まって、子どもが父母と良好な関係を続けています。また、お互いに再婚していて幸せそうです。これが共同親権の国では当たり前のようになっています。

ただ、日本ではこうした関係は1%未満でしょう。月2回以上の「面会」で約5%のみなので、月4回の宿泊は1%いかないと思います。

ではなんで、できないかというと、日本は共同親権ではないからです。まず、親権者の気まぐれで、この関係は崩壊します。また、それぞれの再婚相手が反対すると崩壊します。だから、全員が賛成しないと続かないのです。

一方、共同親権だと、父母の両方が嫌なら続きませんが、父母の片方でも希望すれば続くわけです。再婚相手の意思は「他人」なので、関係ありません。ですから、基本的には父母の子育ては続きます。


では、父母で子どものことについて、話が決まらなかったらどうするのでしょうか?

まず、子どもはパパの家とママの家を交代で行きますから、日常生活のことについては、パパといる時はパパが、ママといる時はママが決めます。

ただ、進学や入院などの重要事項は双方が絡みますから、合意が必要です。合意できなかった場合は裁判所が決めるわけです。

ドイツの例ですが、どっちもどっちという微妙な争いの場合、ママが週6、パパが週1なら、一緒にいる時間の長いママの方が状況を良く分かっているだろうとみなして、裁判所はママの意見を採用するようです。そうすると、落としどころが見えるわけですから、微妙な案件で議論になった場合は、裁判をするまでもなく、パパが妥協するようです。

しかし、引っ越しは、双方の合意が必要です。遠くに行かれると、父母双方が子どもに関わることが難しくなりますから。引っ越しは合意がなければ、裁判所に申し立てしても基本的には認められないでしょう。

共同親権の国は、このように工夫して、離婚していても、子育ての意思決定ができるようになっています。実際のところ、共同親権の国では、重要事項の決定はたいした問題になっていません。



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