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[Director’s Note] 王朝物語

“う◯こ”を食べた話

 私は彼女に恋をしている……しかし、私の思いは彼女には届かない。この思いに煩わされていたら吾が身が滅びてしまう……好きになって貰えないのなら、 なんとか嫌いにならなければならない。嫌いになるにはどうしたら良いだろう ……?そうだ!“う◯こ”を見れば良い、どのような美女でも“うん◯”はする、ソレを見さえすれば彼女が特別な存在であるという幻想は消え失せるだろう…… 私は何としても彼女の“うんこ”を見なければならない!

 芥川龍之介の『好色』という小説の主人公宮中随一の色男と名高い平貞文とい う男が、本院侍従という女性に恋するあまり辿り着いたこの考え、皆様はどう思うでしょうか?変態的?乱暴?滑稽?
 しかし思い出してみて頂きたいのです。遥か昔、恋に焦がれていた時の自分を 、その時の自分がどれほど滑稽であり、今から振り返れば合理性に欠けていたかを……。そしてまた、そのように周りのことが見えなくなる、一つの対象に思い 悩み夢中になった時期の素晴らしさを…… 。

 この演劇を、身を焦がすような恋をした、そしてこれからするであろう全ての 男女に捧げます。

 本日はご来園ありがとうございました。

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