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Luminar3がポートレート写真にかなりおすすめな話

こんにちは東京都内でフォトグラファー兼フロントエンドエンジニアをしています、石亀広大と申します。
最近、Skylum社が提供しているLuminarという画像処理を使ってみまして、これがかなり有能だったので、ポートレート写真においてどう役立つのかを一フォトグラファー視点からそのポイントを3つに絞って書き綴りたいと思います。

その前に、Luminarについてちょっとだけ勝手に紹介します。

LuminarはSkylum社が提供している画像処理ソフトで、RAW現像から写真の管理まで幅広く使えるソフトです。

特筆すべき点はこの後もご紹介しますが、AI(機械学習)で世界中のフォトグラファーさんの写真を学習させその特徴量データを元に、めんどうな操作なしに写真をより綺麗にしてくれる機能があることです。また、各クリエイターさん独自のプリセットが公開されていて、購入することで手軽にそのクリエイターさんの作風を再現することも簡単に出来ます。

操作もかなりシンプルで洗練されているので、PC操作が苦手な人でも比較的簡単に扱えるんじゃないかと思います。

さて、ここから本題に入りましょう。

今回僕がおすすめするポイントは以下の通りになります。

・AIエンハンサー
・かなり細かくいじれるフィルター群
・色温度系フィルターとマット

「AIエンハンサー」 について

こちらは前述でも説明しました、AIがよしなに画像を補正してくれる機能です。AI自体は事前に世界中のフォトグラファーの写真を大量に学習し、良い写真の何が良いのかを特徴量として学習しソフトの中でその特徴量を元にインポートした写真を補正してくれます。補正するパラメータは彩度をいじっている時もあれば明瞭度、シャドウ・ハイライトなどを勝手にいじってくれます。

以下サンプルです(左:適用前、右:適用後フィルターMAX)

こちらはAIフィルターを適用しない画像と、適用しフィルターの効果をMAXにした画像です。

ご覧の通りいい感じになっていると思います。細かく解説するとモデルさんの肌がより白くなり背景の彩度と明瞭度が上がり全体として像がはっきりしバランスがよくなったかと思います。
これだけでもう完成なのでは?と思うこともしばしばありますがこれをスライダー一つ操作するだけでやってくれるのがLuminarの良いところです。風景写真だけでなく人物・ポートレート写真においてもこれは強力に効きます。

「かなり細かくいじれるフィルター群」について

先ほどはAIによって手軽に高品質に編集する機能の紹介でしたが、次はみなさんも気になっている「どれだけ自分好みに細かくいじれるか」かと思います。結論から言うと、フォトショップに負けないくらいあるいはそれ以上いじれると思ってます。

こちら、Luminarの起動画面です。画像処理ソフトをよく使う人を割とお馴染みのUIですが、特に右側の部分が処理のインスペクタになっています。

RAW現像、白黒、ビネット、トーン、明瞭度など必須となるものは揃っています。それに加えてHSL、色別のコントラスト・バランス、レンズ補正、部分補正、トリミングなどもちゃんと入っています。

(左が修正前、みぎが修正後のスライダー表示)

部分補正も優秀で、右目下のホクロが消えています。ワンクリックで部分補正もバッチリです。
一から自分で細かく設定することもできますが、ワークフローとしてはLuminarのフィルター使用 or AIエンハンサー→RAW現像や細かい設定→部分補正、のようなフローで現像が終了しちゃったりします。
現像やフィルターの使用だけでなく、部分的な補正もしっかり出来るので顔をアップで撮るようなポートレート写真でも大活躍します。

色温度系フィルターとマット

最後にポートレート写真の雰囲気を決める要素になり得る以下の項目について説明します。

・色バランス・・・ こちらはシャドウ・中間階調・ハイライト別にそれぞれ色温度を決めることができる機能です。フォトショだと明暗別色補正と言う項目に当たるものですが、Luminarではその色の種類を一色だけでなくシアン・マゼンタ・イエロー・ブルー・レッド・グリーンと細かく調節することができます。色バランスを使うことで昭和っぽい色あせた写真や海外写真でよく見るネオン街でのポートレートのような雰囲気を作ることにも一役買います。

・色温度分割・・・暖色系と寒色系の色温度をそれぞれ独立して強めたり弱めたりすることができます。通常のホワイトバランスや色かぶり、色温度の調整だけでは難しい調整がこれを利用すると出したい雰囲気に合わせた寒色暖色の色合いを別々で設定することができます。

撮影時の色温度の状況にもよりますが、背景と人物の印象を分けたいときに肌の色を見ながら背景の印象も決めなければいけません。そういった中で、背景の印象と肌の印象が同じ色温度に引っ張られてしまうとどちらかの色が意図した色にならなかったり肌の色がキツくでたりします。しかしながら、色温度を独立して指定することでモデルさんの色を担保しつつ違った色の背景「らしさ」を出すことが出来ます。

以下、色バランスと色温度分割を使って編集したサンプルです。

(左:加工前、右:加工後)


・マット・・・こちらは写真にマット感(白く掠れた感じ)を与えるもので、生っぽい写真が少し上品な印象になるフィルターです。写真のコントラストを絶妙に調節できるので、明らかに生っぽい印象を抑えるだけでなく色の主張が激しいときに落ち着かせることで全体としてバランスのとれた印象に仕上げることもできます。

(左:加工前、右:加工後)

こちらかなりわかりづらいですが、顔のハイライト・白レベルの向上、洋服の青が少しフラットな印象になっています。マット自体はそんなに主張するものではありませんので、隠し味的な感じで使うと良いかと思います。

まとめ

この記事での要点をまとめます。

・AIエンハンサーで下地〜ある程度の処理はすぐ出来る
・Photoshop並みのパラメータの多さで思い通り
・色温度系とマットフィルターで簡単に上質に仕上げられる

ここまで、Luminarを僕視点で解説してきましたが、他のソフトだと難しい処理もフィルターで手軽に思い通りに編集することが出来ます。ここで紹介した機能は一部にしか過ぎず、皆さんのワークフローをよりよくする多くの機能がまだまだあります。また、プロダクト自体もどんどんアップデートされていくので皆さんもぜひ使ってみてください!

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