★(後編)21世紀型になるための10のキーワード〜アフターコロナ時代に伸びるコツ

石田勝紀です

昨日に引き続き、有料記事で出す予定だったものを、編集して無料で公開しました

今日は、後編です。昨日のをご覧頂いていない方は→こちら ね

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1.  論理と感性
双方重要ですが、論理(ロジック)は後付け論理であることが少なくなくありません。また主に、論理は、人を説得する時にわかりやすいため使われる手法の一つと考えてもいいでしょう。しかし、実際は、はじめに感性が出て、後からそれを理屈で組み立てる場合もあります。これを勘違いし、初めから論理だけで思考すると、誤った道を選択しても気付かず、思わぬ結果を招くことになります。論理思考優先型の企業を研修していると、話をうまくまとめているように聞こえるものの、中身がないということが少なくありません。感性を使えば、「おかしい」と判断できることでも、論理優先型で思考すると正誤の判断すらできないことになります。


2.「仕組みに合わせる」と「仕組みを作る」
人が作った仕組みに合わせるためには、言われた通りできる人間さえいればいいことになります。しかし、それは今後A Iやテクノロジーが代替することが予定されていますし、現在のようなコロナ禍では、ますます従来の仕組みでは対応できない状況です。人間ができること、それは仕組みを作ることであり、それができる人間を「考えることができる人間」と言います。しかし、これまで学校教育はじめ、考える教育を受けることが少なかったため、今は企業内で考える教育を行うことや、仕組みそのものを作る会社が伸びている傾向にあります


3.「反省」と「振り返り」
「反省」という言葉はネガティブに印象を伴います。また、子どもの頃、反省文を欠かされても書くことが目的となり、反省していないという経験をお持ちの方もいるでしょう。21世紀型では、「振り返り」と言います。つまり、うまくいったことも、うまくいかなかったことも振り返るということです。その目的は「学び」です。学びは成功からも失敗からも学べます。


4.「P D C A」と「即実行」
P D C Aは企業では欠かせない運営モデルです。確かに重要ですが、日本の場合、このサイクルを回すことが遅いことやP D C Aが回っていないという根本的問題を抱えているところもあります。現在、これまで研修で指導してきた企業で伸びている企業は「2サイクルで回す早さ」も持ち合わせています。つまり、「面白い→実行」という2サイクルです。ベンチャー企業はこのサイクルで一気に加速してきました。もちろんその後、P D C Aの4サイクルへ移行しますが、その速度は2サイクルエンジン並みの速さで意思決定、実行が行われています。


5.「知識の獲得」と「知識の活用」
言わずと知れた違いです。知識は何のための獲得するのかといえば、活用するためですが、資格を取ること(知識の獲得)や研修を受けること(知識の獲得)で終わる人が少なくありません。これも学校教育の弊害の1つかも知れません。21世紀型経営の人たちは、はじめに「何をしたいか」があり、そのために「知識を獲得」します。


6.「ピラミッド型組織」と「ネットワーク型・コミュニケーション型」
ピラミッド型組織は機能的で効率的であるため、これまで脈々と組織の型として存在してきました。これが十分機能するためには、指揮命令系統が明確で、上からの指示を忠実にこなしていく必要があります。その前提として、部下は自分事として物事を考えることができる必要があります。指示で動くだけでは現代のような時代の転換期では難しいことでしょう。そこで、21世紀型企業は、表面的形こそピラミッド型ですが、実態はプロジェクト型、ネットワーク型となっていることが知られています。プロジェクト型、ネットワーク型の特徴は、上下関係よりもフラットな関係にあります。そこではプロジェクトリーダーが存在するだけで、あとは役割分担と協調性によって支えられています。


7.「気合・根性・努力」と「楽しい・面白い・ワクワク」
「気合・根性・努力」型のメンタルを昭和的と呼ばれることもありますが、心当たりがある方も少なくないのではないでしょうか。何しろ、2019年の総務省の統計によれば昭和生まれは人口の3/4を占めていますので、多くのメンタルが昭和的であるのも無理はありません。もちろん、気合、根性、努力が悪いことではありませんし、それが大切である時もあります。しかし、21世紀型では、それだけではなく、「楽しい、面白い、ワクワク」の要素を取り入れると成功すると言われています。
2015年にアイルランドにあるGoogleのヨーロッパ本社に訪問したとき、社内を見学させてもらい、社員にプレゼンをしてもらいました。そこでは、一言で表現すれば「ワクワクを創出している企業」と感じました。人も空間も全てが「クリエイティブでワクワク」で統一されている印象でした。デスクだけが並んでいる殺風景なオフィスとは全く異なります。


8.「受信型」と「発信型」
これまでの時代は、「受信型」でした。例えば、新聞やテレビによる一方通行型の情報収集が基本でしたが、現在はS N Sはじめ双方向型の情報のやりとりが主流になりました。受信型の欠点は思考停止状態になることです。学校の授業を思い出してみればわかることです。一方通行型の講義形式では、意欲があり問題意識を持っている人にとっては意味がありますが、そうではない人にとっては、ただの「退屈な授業」であり、一方通行の「刷り込み」として機能してしまいます。21世紀型企業では、受信型ではなく、発信型をとっています。つまり、部下は上司の情報を一方的に受け取るだけではなく、自らも上司に発信をしてコミュニケーションをとっているのです。

9.「偏差値・学歴型」と「価値観型」
確かに偏差値や学歴を必要とする職業はあることでしょう。医者になるには医学部へ進学する必要があり、そのためにはかなりの勉強量を必要とします。しかし、筆者が研修してきた21世紀型の企業では、偏差値、学歴よりも価値観を重視した採用を行なっています。つまり何を大切にしているかという価値観です。その価値観が企業の価値観を合うのかどうか、それが非常に大切になります。社員は「自分のやりたいことがこの会社できるのか?」という視点を持っており、企業側は「この人のやりたいことと我が社が目指すことは同じなのか?」という視点を持っています。偏差値が高いから、学歴がいいからという理由だけで採用する事による悲劇話は、これまでいくつもの企業から聞いています。


10.「スキル重視」と「デザイン重視」
有名な話に次のようなことがあります。「日本のメーカーは、技術者集団が上位にいて、下にデザインチームがいる。Appleはデザインチームが上位にいて、下に技術者集団がいる」
スキルもデザインも重要です。ロジカルシンキングと対照的な言葉にデザインシンキングという言葉があります。近年、M B A(経営学修士号)よりもM F A(美術学修士号)取得者を海外の大企業は採用しているという話を聞いたことがあるかもしれません。その背景には、経営もデザインが重要で、ロジックを組み立てるだけ、スキルを寄せ集めただけでは、もはや経営が難しくなってきていることを物語っています。スキルよりもどのようにデザインしていくのか、これが21世紀型企業に見られる特徴の1つです。


以上、20世紀型と21世紀型のキーワードを中心にまとめてきました。これらをご覧いただければわかると思いますが、20世紀型は、これまでの教育システムです。したがって、そのような教育を受けてきた人が、急にやってきた21世紀という新しい時代の流れに適応できないのも無理はありません。

しかし、できないというのではなく、「新しいキーワードを取り入れてやってみよう」という試みが重要であると考えています。企業は大きければ大きいほど舵取りを変更することは難しく、人も自分の持っている価値観に固執し、新しい価値観を受け入れることは難しいことでしょうが、難しいと言っている場合ではなくなってきました。

以上のような内容が一つでもご参考頂ければ幸いです。


<石田勝紀・21世紀型経営者会> 次回 10/24(土)21時

10月テーマ「21世紀型プロモーション〜自分をどのように知ってもらうのか?」

フリーランス、個人事業の方、これからビジネスを始めてようと思っている方、これからのアフターコロナに備え副業を伸ばしたい方を応援する会員制の「石田勝紀・21世紀型経営者会」を行っています。毎月のテーマに沿って、学んで行きます。ともに新しい世界を作っていきましょう〜
 
10月体験の詳細について→こちら

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