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タンバリン鳴らして歩く2023/09/30〜10/06の日記

(ちょこっと宣伝コーナー)

10/8(日)、東新宿の雑遊にて『満ちたい人たち』という演劇を上演します。
筆者の石田は脚本と演出をしています。また、この公演を主催する「ぼちぼちやる派」という劇団の主宰でもあります。

満員電車にすがって生きる、人と関係を結ぶのが下手な人たちが奮闘するお話です。
最後は優しいハグで終わります。

ぜひ観に来てください!

2023/09/30(土)

午前、下北沢へ行きました。観劇三昧ラボというお店を訪ねるためです。観劇三昧は舞台作品の配信やグッズ販売など、小劇場に関連した事業をやっている会社です。下北沢に実店舗があり、そこでは台本やDVD、劇団のステッカーなどのグッズが購入できます。また、芝居をやる側はチラシを置いてもらうことができ、しかも置くと観劇三昧ラボのSNSで情報拡散までしてもらえるのです。ぜひ私も…ということで、チラシを持っていきました。写真に写すためのサインを求められて緊張しました。普通に、テスト用紙に書くのと同様に自分の名前を書いてきました。かっこいい筆記体のサイン、作らないといけないのかしら。

昼からは「満ちたい人たち」の稽古でした。小屋入り前のラスト稽古。音響、照明担当のかたにも来ていただき、タイミング等を確認しました。

今回の稽古場のよいところは「このセリフは言い切れなかった」「無理がある」「ついていけてない」と俳優が教えてくれて、そのことについてみんなで考えて話してくれるところです。そういう場になってくれたことがとても嬉しいです。脚本と演出のことを私は暴力的だと思っています。俳優に何を話すか、どんな心であるかを強いて、心身を規定するからです。今回は本もあり演出家もいるので逃れられないのだけど、俳優本人の感覚や思考を共有しながらやれてよかった。

ところで、私自身も自分の感覚や思考をかなりオープンに話していたのですが、そこでパッと理解されないものがたくさんあると気づけたのも面白いところでした。私はいつも分かって欲しいと思いながらモノを作っているので、みんながわかってくれそうな素材を組み合わせて脚本を書いているのですが、実際は全然分かられていないことがあると気づきました。気づいた時、気が遠くなりました。こんなに気を揉みながら書いても分かってもらえないのか。自分では気づかないまま、他人から見ると宇宙語にしか見えないものを作ってしまっていないか? それは独特の世界観! とか、シュール! とか言われて嗜好されるかもしれませんが、私はそれが作りたいわけではないのでした。そんなことを考えていたら、友人に「どうして万人に擦り寄ろうとするのか、もっと甘味を加えようとせずに自分の感覚を表現したら面白いのでは」といった主旨のことを言われました。私は……作り続けるためにお金を得たいし、みてくれるファンもほしい。それもたくさん! そのためには甘味をつくる技術が必要だし多くの人に分かるように書かなきゃいけない。だから私はちゃんと修行をしなくてならないんだ。でも、本当にストレートな自分の表現をやってみるのはいいかもしれません。そこから見えるものがあるかもしれないし。普段と別の場所で「分かってくれる」誰かと出会えるかも。もしそんなことが起きたら、嬉しくて眠れなくなってしまうかもしれません。

2023/10/01(日)

公演の衣装を買うために古着屋をはしごしました。やることがいっぱいあるのに、朝思いついた「サボテンを新しい鉢へ移動させる」というタスクをどうしても消化したくなっちゃって、徒歩30分と遠くにあるホームセンターまでいきました。隣のスーパーにも寄って、ひとりで持つには重すぎるレジ袋を抱えて帰りました。

種から育てたサボテン。右の小さな鉢に4本生えていたうち、3本を大きな鉢へお引っ越しさせました。

2023/10/02(月)

会社で内定式がありました。オンライン参加の内定者の顔をノートパソコンの画面にうつし、それを別の社員が抱え、内定証書を持った代表の前に持っていく場面がありました。サロメの1シーンっぽかったです。

2023/10/03(火)

先日、パートナーが知人を家に呼んでホームパーティをしました。知人のかたがたは、パートナーが私と住んでいるのを知っているので、いつも「家を空けてくれたお礼」といって各種様々なお菓子を置いて行ってくれます。今日は最新の貢ぎ物であるプチタルトをお茶とともにいただきました。毎週パーティしていってほしいです。

2023/10/04(水)

公演で使うためタンバリンがどうしても欲しくて、渋谷の街を歩き回りました。楽器屋にもドンキにもタンバリンはなく、購入できず。タンバリンってそんなに需要ないんですか?

タンバリンを諦め、キンコーズへ。公演会場で販売する台本を印刷しました。自分の台本を冊子にするのは初めてです。これまでデータだったものが物質になるのは楽しいなあと思いました。今回で冊子の作り方を覚えられたのも嬉しかったです。もっと色々作ってみたくなりました。

2023/10/05(木)

家の近くでタンバリンを購入しました。選択肢がなく、想像よりちょっといい値段のタンバリンを買うことに。一生ものです。

タンバリンを袋に入れて歩いていたら、キャッチのお兄さんに「居酒屋どうですか? 〇〇楽器、からの居酒屋!」と声をかけられました。スルーして歩いていたら、足に当たってタンバリンがシャンと鳴って、それを聞いたお兄さんが「タ、タンバリン……?」と困惑した声を出しました。不意のタンバリン、素が出ちゃうよね。

ひとりで、今度上演する一人芝居の稽古をしました。むむむ。動きをなぞるようになってしまい、いわゆる役に入った状態が作れませんでした。実は以前、台本を書き上げた直後に人前で演じてみたことがあったのですが、その時は役になりすぎてしまい、次の日までずっと役に半分身体を乗っ取られたみたいになりました。今度はさっぱり身体に役が入ってくれないのです。なぜ? とりあえず、もう少し稽古しなければ。

2023/10/06(金)

今日は会社の合宿がありました。チームビルディングのために、みんなで山奥とかに行ってアクティビティをします。今の会社に入る前は半信半疑でしたが、こういったイベントは本当に業務を円滑にします。遊びが仕事に入り込むのは重要なことです。

私は合宿で毎回、趣味の延長線で撮影係をやらせてもらっています。今回は昔買ったミラーレスを引っ張り出して、写真を撮影して回りました。気づいたのは、私が撮る写真はかなり「舞台っぽい」ということ。舞台の写真は、あまり俳優や小道具のアップを撮りません。その場の人の配置、身体の向き、何をしているところかが分かるように、複数人が入るようにしたり、動きの途中を切り取るように撮ったりすることが多いです。私はほとんど人のアップは取らず、誰かが話したり一緒に作業したりする様子を遠くから撮ることが多いようです。写真を創作のメイン手段として選んでいる人と、たぶん私は視点が違う。これまで写真を撮ることに苦手意識があったのですが、それは他の人とアウトプットが違って見えることに何となく気づいていたからなのかもしれません。私の写真は、改めてみたら悪いものではありませんでした。自分ではとても良い、と思えています。

望遠レンズが好きです

合宿は泣く泣く途中で抜けさせてもらいました。小屋入り初日だからです。劇場で音響や照明をつくっていく作業をしました。私は客席で、あれこれとわがままを言う仕事です。こうして演劇をしていると、わがままのアウトプットに第三者を挟むことの尊さを感じます。一段、良いものができる気がしています。私が影分身して演劇をひとりで全部作ったら、舞台はもっとつまらない空間になるはずです。みんな、いつもありがとう、何回言っても足りないくらい心から感謝しています。

総括

頭の中、芝居、芝居、芝居! って感じの1週間でした。いつもそうなんですが、いつにも増して。

もうすぐ上演の日です。劇団の、旗揚げ公演! ここから私はたくさん、いい舞台を作りたいと思ってます。みんなで、お祭りみたいに騒ぎたいです。

来週もよろしくお願いします🤸

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