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三つの方法を付け加えて保護者面談をもっと充実!

「ヒント帳 99」では、保護者面談において、私が大切にしてきたことを五つのポイントにまとめてお伝えした。

今回は、私が大切にしていたことをさらに三点付け加えることで、保護者面談がより充実したものになるように応援したい。


1 「手ぶら」で面談しない!

保護者面談では、「手ぶら」で保護者に向かうことを絶対にしないように常に心掛けてきた。

ノート、ペーパーテスト、ワークシートファイル、発言の記録、図工の作品などの資料を必ず用意した。

「事実」を目に見える形で示さなくては、伝えたいことが伝わらないからだ。

保護者に伝わらない面談をしては、信頼が得られないのではないかと考えていた。

もちろん、「見せる物」がない子供の「事実」もある。

それらは、具体的に言葉で伝えられるようにしておいた。

ちなみに、図工作品をじっくり見せている時間が取れそうもない時は、廊下に掲示・展示し、面談の順番を待つ間や面談後に見てもらえるようにしておいた。
他の子供の作品と比較できることも、この方法の「利点」の一つである。

掲示や展示の準備が大変だとお思いだろうか。
そんなことはない。

そういう場合は、その日の面談予定の子供の作品だけを廊下に掲示・展示した。
準備、片付けが数分間でできる。

2 「事実」+「評価」を伝える!

上に、ノート、ペーパーテストなどの資料を用意する大切さを述べたが、これらの資料をただ見せるだけではダメである。

子供のしたことを言葉で話すにしても、ただ「事実」を伝えるだけではやはりダメである。

ましてや、それがよい表れであっても、「保護者の知っている事実」ならば、何の意味もない。
理由は言うまでもく、「保護者が既に知っている」からである。

重要なことは、保護者の知らない「事実」であっても、その「事実」を教師として自分がどのように「評価」したかを伝えることだと、私は考えてきた。

分かりやすくペーペーテストを例にする。

<80点>の算数のテストをただ見せても全く意味はない。

その<80点>のテストから何が読み取れるのか、どんな評価ができるのかを、私は語ろうとしてきた。

「残念ながら間違ってしまったが、授業で学んだ問題解決の方法を用いて文章問題を解こうとしている。学習をしたことを活かそうとしている主体的な態度がとてもよい。」

「以前はできなかったタイプの問題ができるようになった。技能が定着してきたことが分かる。」

「繰り返し練習にさらに取り組むことで、より力が伸びていくと思われるので、その指導に力を入れていきたい。」

など、<80点>から見えてくることは、少なくない。

これは、ペーペーテストに限らず、他の資料、その他の「事実」全てに共通していることである。

ちなみに、上に示した図工作品も同様で、その子ならではのよさを伝える。

だから、他の子との比較が効果的なのだ。
保護者に「絵・造形作品の見方」を伝えることで、子供の新たなよさに気づいてもらえるチャンスにもなる。

なお、こうした「評価」を「事実」に合わせて伝えることができるなら、保護者の知っていることを示すことも効果を上げられる。
ペーパーテストの例からお分かりいただけるはずだ。

3 保護者の話を傾聴する!

保護者によっては、教師に聞いてほしいことを抱えて面談に来る方もいる。

仮に教師にとって耳が痛い話でも、いや、そういう話ならなおさら、耳を傾けて聞くしかない。

誠意をもって聞くことで、理解し合える場合もある。

また、そうした内容でなく、子育ても含めた家庭内のことで悩みを抱えている保護者もいる。
教師が解決できる事柄でなくても、話すことで保護者が「楽になる」場合もある。
「ガス抜き」になることもあるのだ。

カウンセリングマインドで、傾聴したい。

言うまでもなく、他の教師や他の保護者、他の家庭の<悪口>は、すぐにストップしてもらわなくてはならない。
大問題に発展しまう恐れもある。


以上、保護者面談をよりよいものにするために私が心掛けていた三つの方法を付け加えた。

お役に立つならば幸いである。