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再び「子供を絶対に自殺させないために」

私は昨年のこの時期、「リフレク帳96」として、「7月の指導は『9月1日』を念頭に置いて 子供を絶対に自殺させないために」という題名の記事を投稿した。

今回も全く同じ趣旨の投稿をしたいと思う。

理由は言うまでもなく、最低でも夏休み明けの子供の自殺者数を0件にしたいからだ。

文科省のホームページによれば、「令和5年の児童生徒の自殺者数は507 人(暫定値)と昨年と同様に高い水準」であったという。
(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1414737_00007.htm)

そして同年の月別自殺者数を見ると、10月が最も多く61人、9月がそれに続き54人であり、夏休み明けの自殺を防ぐことが変わらず喫緊の課題であることがわかる。
(https://www.mext.go.jp/content/20240227-mxt_jidou02-000034230-01.pdf)

もちろん子供の自殺は、一人の教師の力だけで防ぎ切れるものではないし、逆に全てを抱え込んではいけない。
状況に応じて、必ず保護者や学校内外の組織と力を合わせて取り組まなくてはいけない。
だが、一人の教師にもできることはある。
しなくてはいけないことがある。

だから私は、昨年の「リフレク帳96」では、一人の教師というレベルから可能なこととして、次の内容を示した。

1 自殺をしてはいけないことを真剣に伝える
2 子供をつかむ
3 4月からの学習への充実感、達成感を感じ取らせる
4 相互評価の場を設定する
5 実現可能な夏休みの生活表にさせる
6 気になる子への事前指導をしておく

今回もこれらを推進すべきであるという考えに変わりはない。

ただ、こうした「援助」がなかなか行えない状況にあるという教師がいるならば、急いで次のことを付け加えておきたいと思う。

それは、夏休みを迎えるまでの間に、どの子供とも可能な限り多くの会話をしておいてほしいということだ。

どんな話題でもいい。
学校生活に関する話題が見つからないなら、「今日も暑いね」の一言でもいい。
子供が、「何を突然?」という顔をしても気にしないでほしい。
「あなたが9月1日に再び足を向ける学校という場所には、私という話し相手がいるのだ」ということを、どの子供にも感じ取らせてほしいのだ。ほんの少しでもいいから。

だから、あなたという教師が学級担任ならば、「夏休み前の残された毎日は、必ず学級全員の子供と言葉を交わす!」という目標を立ててほしい。

あなたが教科担任ならば、「授業で訪れた学級で、必ず全員の子供と言葉を交わす」ことを目指してほしい。それが無理ならば、一人一人に向かって、例えば顔を見ながらだけでもいいから、「フィードバックを返す」ことに挑戦してほしい。子供は教師を見ている。見ていないようで見ている。こちらが、「自分に話しかけている」ということは、絶対に感じるはずだ。

「あなたは一人ではない。学校には、私という話し相手がいる」と、どの子供にも感じ取らせてほしい。

一人の教師にもできることはきっとある。

9月1日の子供の命を守ろう。