ものづくり体験は夏祭りの忘れられない思い出と共に[SIWR#22]
〜まちづくりを楽しく知ってもらう工夫②〜
「インターン・ワークショップ・レポート」は、大学生によるワークショップ現場の率直レポートです。2018年から冊子として発行してきたものをnoteでは新旧織り交ぜて紹介していきます。
note版#22は、堀越さんによる『さんかくベース夏祭り 缶バッチ・とうろうづくりコーナー(2018 年7 月29 日)』のレポートをお届けします。
夏祭りでものづくり体験のお手伝い
約8万人もの老若男女が夏の憩いを求めて訪れ、浴衣姿の来場者も目立った「第35回たまプラーザ夏祭り」。同日に、たまプラーザの次世代郊外まちづくり活動の拠点として2017年春に誕生した「WISE Living LabさんかくBASE」では、「さんかくベース夏祭り」を開催。ゆかたの着付け・撮影イベントや打ち水などを実施しました。
私は、そこで「缶バッチ・とうろうづくりコーナー」にスタッフとして参加。子どもたちを中心とした参加者の方々に、ものづくりを体験してもらいました。
それぞれの愛着が見える個性豊かな作品たち
「缶バッチ・キーホルダーづくり体験」は、こだわりや好みに合わせて、絵柄入り・塗り絵型・オリジナルの3種類の台紙から自由に選ぶことができます。とくに、小学校低学年くらいまでの子どもたちにはたくさんの種類から選ぶことができる塗り絵型の台紙が人気で、各々が気に入ったイラストを選んで色を塗っていました。
イラストのモチーフは、たまプラーザの街なかにある建物や公園、乗り物など。中でもロケット型の遊具がある公園のイラストや、うさぎや犬などのかわいい動物入りのイラストが人気を集めていました。また、高学年や中学生、大人は完全なオリジナルをつくる台紙を選ぶことが多く、中学受験に向けて家族みんなで合格祈願のキーホルダーをつくる姿もありました。
出来上がった台紙をマシンにセットして、力を込めてガシャン!とプレス。参加者の方たちが綺麗に出来上がった完成品を見て、歓声を上げて嬉しそうにする様子に、私も暑さを忘れて一緒に楽しみました。
子どもたちの目線で、夏の思い出を追体験
「とうろうづくり体験」では、子どもたちが思い思いのイラストを描き、つなぎ合わせた和紙を、保護者の方やスタッフと協力しながら、竹串や輪ゴムなど身近なものを使い、三角形のタワー状に組み立てました。花火大会や海水浴、虫採りなど夏休みに体験したことを絵にしているケースが多く、とうろうを通じて子どもたちの目線から見た瑞々しい夏の思い出を、私も追体験しているかのようでした。また、出来上がったとうろうと一緒に記念撮影をしたり、描いた絵を見ながら会話を弾ませる親子の姿に、イベントを通して、活発なコミュニケーションが生まれているように感じられました。
また、街路に灯ったとうろうの姿が、普段地域の人たちが行き交う街路をより明るく、安全なものにしようにという願いをこめているようにも見え、まるで、この街の明るい未来像まで照らし出しているようにも思えました。
子どもたちの「顔」が見えるものづくり体験
最盛期はスペースからあふれてしまうほど賑わった「缶バッチ・キーホルダーづくり体験」では、用意された色鉛筆やクレヨンをみんなで譲り合いながら、それぞれがオリジナルグッズをつくろうと目を輝かせて取り組んでいる姿が印象的でした。一方で、「とうろうづくりコーナー」では、終始和気あいあいとしながらも、一人一人がゆったりとした時間を過ごしているようでした。
自分がつくったものを通じて、経験したことや、住んでいるまちについて知る可能性を秘めているものづくり体験。イベントを通し、このまちに住む人たちの「顔」が見えてきたような気がします。
○インターンレポーター:早稲田大学 人間科学部 人間環境科学科 4年 堀越 まい(開催当時)
○ワークショップ名:さんかくベース夏祭り 缶バッチ・とうろうづくりコーナー(東急電鉄)
○開催日時:2018年7月29日
○実施場所:WISE Living Lab
○参加者:たまプラーザ駅周辺地域の子どもから大人まで
○テキスト校正・添削:鈴木徳子(Writer/Editor)
インターン・ワークショップ・レポート
「インターン・ワークショップ・レポート」は、石デ(石塚計画デザイン事務所)のまちづくりワークショップの現場を体験した大学生の率直レポートです。
現場の様子が丁寧に綴られているだけでなく、ほっこりする感想や、意外な視点もあり、プロのファシリテーターも当日を振り返って刺激を受ける内容が詰まっています。
2018年から冊子として発行しているものをnoteでも新旧織り交ぜて掲載していきます。
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