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台湾ドラマ「ふたりの私」(她和她的她)

主演:ティファニー・シュー(许玮甯)、トビー・リー(李程彬)、パティ・リー(李霈瑜)、ジェニー・ウェン(温贞菱)、ディン・ニン(丁寧)、ジェイク・シュー(徐钧浩)
2022年 全9話(1話約50分)
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★☆
(写真=Netflix公式サイトより)

台湾ドラマでちょこちょこと見ていたティファニー・シュー、一度主演作を見てみたいと思っていたが、ちょうど昨年2本出たので、やっと一本視聴。

過去の記憶が蘇るパラレルワールドの物語

台北でヘッドハンターとしてキャリアを積んでいるティファニー・シュー演じるリン・チェンシー (林晨曦) が不慮の交通事故から目を覚ますと、なぜか数ヶ月前の過去に戻っていた。疎遠になっていた母、死んだはずの父と弟との田舎の実家での生活に戻っている。
高校時代からの親友とも会うが、なぜか他の人たちの記憶が、自分の中にある記憶とは違う。一見幸せそうに見える家族や親友たちは、実は意外な一面や秘密を抱えており、それらが次第に高校時代の教師の殺人事件とともに明らかになっていく。

複雑だが、なかなか凝った作りのサスペンス

『ブラッシュアップライフ』の近藤麻美ほどではないが、自分だけタイムリープして、数ヶ月間を生きるチェンシー。しかし、事故によって失われていたのは直近の過去だけではなく、高校生時代に遡る、性的暴行を受けた体験を自ら封印してしまっていたことが明らかになる。そのトラウマによって心理的な「解離」がチェンシーに起こっていたのだった。

そして起こった殺人事件。それによって様々な封印していた部分が明らかになっていく。
実際にあった事件にインスピレーションを受けたストーリーであるらしく、高校時代の回想から、現在の解離状態のチェンシーと彼女を取り巻く様々なストーリーまで、なかなかよくできていた。
数話観ただけではなかなか状況が把握しにくいが、「一体どういうことなの?」と知らず知らずのうちに物語に引き込まれてしまう。

ちょっとわかりづらかった二人の人物像

主演のティファニー・シュー、そしてなぜかゲスト出演扱いになっているアリッサ・チア(イエン・ションホワ-颜圣华-役)がとても良かったが、トビー・リーの一人二役にはちょっと納得がいかなかった。彼は現在ではチェンシーの恋人、そして過去では事件担当の刑事なのだが、ここはちょっと混乱した。私が何か見落としていたのか?
現在では彼のことがうざくて別れを告げるチェンシーだったが、本当は彼に救って欲しくて、過去には刑事の役として現れたのか?
ちょっとどういう意図だったのかが不明の一人二役であった。

もう一人、うやむやになってしまった感があったのがチェンシーの父親。現在ではイージョン(伊正)演じる父親とジェイク演じる弟は死んだことになっている。タイムリープにより弟のことは分かったが、父親がなんか消えてしまったような。。。

この2点を除けば、キャストはとにかく良かったし、ストーリーとしても面白かった。この『ふたりの私』という邦題、あるいは『彼女と彼女』というような意味の原題だが、これは解離したチェンシーという意味だけでなく、「チェンシーとションホワ」のことも指していたのではないだろうか。二人が過去は教師に、現在はションホワの夫ダニー(ウー・カンレン演)に虐げられ、やっと解放される、そんな意味も持っているのではないかと思う。

心理学的なテーマを扱ったドラマが好きな人や興味のある人には、『グリーン・ドア』同様オススメの台湾ドラマである。

こちらが予告編(英語字幕)。

こちらが主題歌のシャオユー(宋念宇)が歌う『破碎的完整 Shattered Fullness』♪


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