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検証!体重の重い人飛ぶ!?説【ゴルフ】【物理エンジン】

こんにちは!異世界体育です。

先日、PGAツアー選手のブライソン・デシャンボー選手が優勝しましたね。優勝の決め手は、ここ半年の増量による圧倒的飛距離アップだと言われています。今季、なんと平均飛距離323ヤードで飛距離において世界一位!!あのキャメロン・チャンプ選手をも上回っています。

今回のテーマは「体重の重い人は飛ぶ」説の検証になります。PGAツアーでは定説となりつつありますが、体重1kgにつき2ヤード飛距離がアップすると言われています。はたして本当にそうなのか?物理エンジンを使って実験していきます。

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検証!体重の重い人飛ぶ!?説【ゴルフ】【物理エンジン】 1-24 screenshot

重さを変えるのは、胴体、左腕、クラブとします。筋力は変えずに、重さを変えることによって、ヘッドスピード、ボール初速度、ミート率にどのような影響があるのか実験していきます。ちなみに、それぞれの部位の重さは、成人男性60kg相当としています。

重さを変える前のヘッドスピード、ミート率、ボール初速度は以下となりました。

ヘッドスピード:12.61[m/s]
ボール初速度:17.17[m/s]
ミート率:1.362

胴体を重くしてみる

まずは、胴体35kgだったのを+10kgして45kgにして実験してみます。

検証!体重の重い人飛ぶ!?説【ゴルフ】【物理エンジン】 2-10 screenshot

ヘッドスピード:12.60[m/s]
ボール初速度:17.18[m/s]
ミート率:1.363

ごくわずかですが、やはり胴体が重くなった分ヘッドスピードが落ちました。しかし、ボール初速は上がっており、結果、ミート率が向上しています。

胴体が10kgも重くなったのに、ヘッドスピードがほとんど落ちなかったのは意外ですね。これは、慣性モーメントを考えれば納得できます。

慣性モーメントとは、物体の回りにくさを表す物理量です。スイングのような回転運動を考えるときに必ず登場します。大きくなるほど、その物体は回りにくいといえます。この慣性モーメントは、質量が軸から遠くに分布しているほど大きくなります。つまり、胴体は、腕やクラブと比べて、回転軸に近い場所に位置するので、重くしてもスイングという回転動作への影響は少ないと考えられます。

腕を重くしてみる

左腕4.8kgを+1kgして5.8kgとしてみます。最初は+10kgとしようとしましたが、スイングが壊れて実験にならなかったので、+1kgとしました。

検証!体重の重い人飛ぶ!?説【ゴルフ】【物理エンジン】 3-18 screenshot

ヘッドスピード:12.56[m/s]
ボール初速度:17.14[m/s]
ミート率:1.365

ヘッドスピード、ボール初速が落ちてしまいました。ですが、ミート率は上がっています。

やはり、腕は回転軸から離れているので、わずかに1kgの増量でもヘッドスピードにもろに影響がでてしまいましたね。

クラブを重くしてみる

最後は、クラブ0.3kgを+0.1kgして0.4kgとしてみます。

検証!体重の重い人飛ぶ!?説【ゴルフ】【物理エンジン】 4-18 screenshot

ヘッドスピード:12.15[m/s]
ボール初速度:16.70[m/s]
ミート率:1.374

やはり、腕と同じで、クラブは回転軸から離れているので、わずかに0.1kgの増量でもヘッドスピードが大きく落ちてしまいました。しかし、今までの中で一番のミート率となっています。

実験まとめ

結果をまとめます。

        通常      胴体+10kg  腕+1kg     クラブ+0.1kg
ヘッドスピード:12.61    12.60             12.56            12.15
ボール初速度 :17.17     17.18            17.14            16.70
ミート率   :1.362     1.363             1.365            1.374

やはり、回転軸から遠い部位ほど重さの影響が大きく、ヘッドスピードが落ちてしまうことがわかります。しかし、逆にミート率は向上することも分かります。

増量による飛距離アップは、筋量アップによる筋力アップの影響だと分かりました。単純に増量したからといって、簡単に飛距離は伸びないということですね。

では、飛距離を伸ばすにはどの部位を鍛えればいいのでしょうか?結果から、スイング軸に近い部位を鍛えるのが良いと考えられます。なぜなら、筋量アップ(体重増加)による慣性モーメントの増加を抑えることができ、なおかつ筋力アップによるスイング回転速度の向上によるヘッドスピードアップが期待できるからです。

鍛えるべき筋肉とトレーニングは以下となります。

大臀筋:スクワット、デッドリフト
脊柱起立筋群:デッドリフト
広背筋:デッドリフト、ローイング
体幹筋群:アブローラー、プランク、スクワット、デッドリフト

こう見ると、デッドリフトをやっておけば必要な筋肉を鍛えられそうです。ちなみにPGAツアー選手のトレーニング動画を調べてみると、ローリー・マキロイ選手がデッドリフトを取り入れています。なので効果の実績もあるようです。

<!注意!>
デッドリフトはフォームが崩れると、腰を怪我してしまいやすいので、正しいフォームを身に着けた上で、十分に注意して行ってください。また、デッドリフトにより筋力アップしたからといって、すぐには飛距離はアップしません。スイングで使うためには、正しいスイングを身に着けた上で、瞬発力を発揮する必要があります。デッドリフトによって身に着くのは、瞬発力を発揮するための土台となる筋力です。瞬発力を身に着けるために、クリーンやジャンプトレーニング、素振りなども平行してやり込み神経系を鍛える必要があります。
体幹筋群は、BIG3をやるだけでプランクなどの体幹専用トレーニングよりも強く動員されるという研究結果もあるようなので、デッドリフトを取り入れるならわざわざやらなくても問題ないトレーニングだと考えられます。

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