ある日のこと(プリン)

今日は、プリンを作ろう。そう決めています。

牛乳と卵と砂糖があればできちゃうやつね。今朝は子どもに「今日の夜は、プリンを食べよう」と言って、保育園へ送り出した。なんとなく、美味しいデザートを食べさせたくなったのだ。

双子は美味しいものにかんたんに釣られる。食べ物で子どもを釣るのはよくない、と何度か子育ての記事で読んだけど、食べ物に釣られる二人をわたしは心底かわいいと思っている。唐揚げ、グラタン、カレー、シチュー、しそご飯が好きな双子。昨日、新しい炊飯器を買ってご飯を炊いたら、今日の朝いちで炊飯器のフタを開けて、おいしそう、と言った双子。わたしが疲れていると、おかあちゃんのご飯はいつも美味しいね〜、と言ってくれる双子。昨日、初めて自転車に乗れた双子。

甘やかしてやりたい。めちゃくちゃに甘やかしてやりたい。

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先日、夫に半年ほど悩んで言えてなかった不満を伝えた。

発端は子どもが「おかあちゃんは○○ちゃんがいちばんだいじだよね?」と言って「そうだよ、大好きだからね」と言うと「でもとうちゃんは、ケータイがいちばんだいじなんだよねー」と言ったこと。

これがわたしにはショックだったのだけど、反面、まあそうなるよね…と思ったのだ。
夫はスマホゲームに集中しているとき、子どもに話しかけられても一瞬顔を上げたらすぐ集中している先に目線を戻す。会話はするけど積極的ではない。そしてこの半年でゲームに費やす時間が格段に増えたから、結果として夫が家族と目を合わせて会話する時間は大きく減った。わたし自身はそれを淋しく思ってたんだけど、子どもまでそう感じているということがショックだった。

意を決して「あのさ」と会話を始めたものの、くちから出てくることが本音とは限らない。わたしの本音(わたしと子どもがゲームによって夫にないがしろにされてる感がある)は「育児に積極参加してくれ」という隠れ蓑にすっぽり覆われていたから、初めに育児の話をしても夫に伝わらなかったし、わたしも夫の言葉にうまく返せなかった。「何が言いたいの?」と言われ「わたしもわかんねぇぇぇぇ」と思ってゴニョゴニョしてたら途中ではっと本音が出てきて「違った、違ったわ、ほんとに思ってることは違ったわ…」「ゲーム。ゲームだ。あなたがゲームばかりしてると会話できなくてさびしいし、ないがしろにされてると感じる」と伝えて、そこからは至極スムーズに話が進んだ。夫に子どもの発言を伝えるとショックだったそうで、この三連休は全くゲームをせず、常に家庭生活ファーストの姿勢でいてくれるから育児タスクがスムーズに実行できてすこぶる楽だったし、子どもが「とうちゃんとうちゃん」と懐いていてそれを見るのが嬉しかった。

半年もためてたことを言えてよかった、と思ったら、更に数年間言えてなかったことがあるぞと思い出した。「よし、受け止めるから言ってみ」と言われ、先程よりもスムーズに話し、これもお互いに明るく話せてすっきり。

わたしが夫に不満を言えないときって、わたしが夫を信頼していないときなんだろうな、と思い至る。言っても聞いてくれないだろうな、言うだけ無駄だなって諦めてる。「不満を言えば行動を変えてくれる場合しか、不満を伝えたくない」と思ってるって夫を信頼していない証だし、そもそもすんごい自分本位だな…

ずいぶん溜め込んでたから、これが身体の不調にもつながってたのかもなぁと思ったり。小学生から高校生まで続いてた頭痛がこの冬にまた現れたんだけど、子どもの頃も言えないことばっかりだったから、言いたくても言えないときに頭痛がするのかもしれないな。

言いたいことって言ったほうがいいな。わたしは失言して「性格が悪い」と思われるのが嫌だから不満や怒りにフタをしてしまうけど、やっぱり言ったほうがいい。この三連休、とっても楽ちんだった。いつもより、双子をかわいがって、ゆったり過ごせて、春もきて、いいおやすみだった。

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プリン。材料を混ぜて容器に流し込みまして。フライパンにお湯張って弱火で火を入れてたら、10分のつもりが20分以上加熱しちゃってプリンがスカスカになってもうたわ。カラメルソース大量にかけてごまかそうじゃないか。

どんだけ夫婦で話し合えても、どんだけ子どもがかわいくても、まあ、そんなもんよ。わたしはプリンをスカスカにしてしまうのよ。

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