いせフィルム

ドキュメンタリー映画の自主製作・自主上映をしている「いせフィルム」のnoteです。できることをやっていくなかで迷い悩みながら上映会の企画・開催、映画の制作をしています。伊勢監督のコメントや上映後トークをアップし、会場へ来ることができない方にも発信していけたらと思っています。

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ドキュメンタリー映画の自主製作・自主上映をしている「いせフィルム」のnoteです。できることをやっていくなかで迷い悩みながら上映会の企画・開催、映画の制作をしています。伊勢監督のコメントや上映後トークをアップし、会場へ来ることができない方にも発信していけたらと思っています。

    マガジン

    • カントクのつぶやき

      伊勢真一カントクのつぶやきです。月1で更新しています。 「カントクのつぶやき」がはじまったのは1999年。 ツイッターがはじまるずっと前から、カントクはつぶやいていました。 月に1度のつぶやきは今も続いています。 これまではHPで掲載してきましたが、いろいろな方に読んでもらい、シェアしてもらえるよう、noteでの掲載をはじめました。 メイン画像にあるのは伊勢カントクが長年愛用しているスニーカーを模したイラスト。 自主上映会はもちろん海外の映画祭でも、いつでもどこでも伊勢カントクはコンバースと一緒なんです。

    • 映画や上映のお知らせ

      伊勢真一監督、いせフィルム関連の映画・上映などの情報をお知らせいたします。 *公式サイトの上映情報はこちらからご確認ください。→ https://www.isefilm.com

    • 上映後トーク集

      伊勢カントクがさまざまなゲストやお客さんと語り合った、上映後トークの記録です。 *内容は抜粋して掲載してあります。

    最近の記事

    辛夷(こぶし)

    2023年 3月のつぶやき  夜空を見上げたら、真白い花が闇に浮かんでいた・・・  「おう、辛夷だ!」  もう十数年前に旅立ってしまった映画仲間で、花狂いの友、渡辺哲也のことを描いたパーソナルドキュメント『白い花はなぜ白い』を創ってから、白い花が好きになった。春を告げる花は、桜よりも「辛夷」だ、と私は思う。何とも言えず好きだ。  『白い花はなぜ白い』は、世の中的にほとんど知られていない伊勢真一作品。そんな、あまり知られていない自作のひとつ『ゆめみたか〜愛は歌・田川律〜』

      • 2024春公開予定!次回作『大好き〜奈緒ちゃんとお母さんの50年〜』製作・上映支援 映画会 vol.1 [4/2日.下北沢ラ・カーニャ]

        “奈緒ちゃんシリーズ”第5弾となる次回作 『大好き 〜奈緒ちゃんとお母さんの50年〜』 を応援する映画会です。 2023年  4月2 日(日) 13:30〜『奈緒ちゃん』 16:00〜『やさしくなあに 〜奈緒ちゃんと家族の35年〜』 *各回 上映後、伊勢真一 監督と西村信子さん(奈緒ちゃんの母)のトークあり。 [会場]下北沢 ラ・カーニャ(東京都世田谷区北沢2-1-9 第二熊崎ビルB1) [料金] 各回トーク付:2,000円(税込) 一日通し:3,000円(税込) [ご

        • 「田川さん、ありがとう!」田川律さん追悼上映会 [4/1土.下北沢ラ・カーニャ] 

          1月に逝去された田川律さんが主役の映画『ゆめみたか 〜愛は歌 田川 律〜』を上映します。 2023年 4月1 日(土) 14:00 〜 / 17:00 〜 上映後トーク:伊勢真一 他 木戸銭:2,000円(税込) 会場:下北沢 ラ・カーニャ(東京都世田谷区北沢2-1-9 第二熊崎ビルB1) [ご予約]Tel. 03-3410-0505 Mail. lacana1980@mac.com ホナ、さいなら 田川さんは 映画の中で生き続ける。 歌い続ける・・・  とにかく

          • 「しあわせのようなもの」

            2023年 2月 1月29日(日)。日比谷図書館のホールで映画生活50年の記念上映会を企画し、150人近い方々が集ってくれた。上映作品は長編処女作『奈緒ちゃん』と最新作『パスカルズ〜しあわせのようなもの〜』。最新作はお披露目上映だったので、ドキドキだった。  感想はいつもながら映画以上に豊かなイメージを語ってくれています。私の映画は作品そのものよりも感想の方が素晴らしい、と口の悪い仲間は言うけど、本当にそうだ。 映画が観た人の心の扉を開けて、イメージを引き出しているんだか

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            新作は「音楽ドキュメント」

            2023年 1月  あっという間の50年だった。  夢中になって駆け抜けて来たからなあ…。  何でもありのドキュメンタリー映画創りだったけど、いつの頃からか「ヒューマンドキュメンタリー」と、私の作品群は呼ばれるようになる。酒が入った時などに時々口にしたのは、「音楽ドキュメントとスポーツドキュメントの傑作を遺してくたばりたいなあ…」という繰り言だ。ガキの頃から、音楽とスポーツが好きだったからね。  で、映画生活50年の新作は、音楽ドキュメント。傑作であろうと駄作であろうと

            「50年」

            2022年 12月 「私は生きることより思い出すことのほうが好きだ。 結局は同じことなのだけれど」 (フェデリコ・フェリーニ) フェリーニはさすがにいいこと言うなあ…。 映画を創ることは“思い出すこと”そのものだもの。 歌を唄うことも“思い出すこと”か? 今や、国民的歌手とも言えるユーミンが、音楽生活50年だったようで、色々なところで取り上げられている。たいしたもんだ、50年にわたり第一線で活躍してきたんだからなあ。 かくいう私も、2023年に映画生活50年を迎える。

            上映のお知らせ:2023年 1月8日・29日《日比谷図書文化館》

            《ドキュメンタリー映画上映会》 伊勢 長之助 没後50年追悼上映会 2023年 1月 8日(日) 会場:日比谷図書文化館 B1F 日比谷コンベンションホール 11:00〜 『いまはむかし 父・ジャワ・幻のフィルム』 『世紀の判決 ー 東京裁判』 13:30〜 『新しい製鉄所』 『森と人の対話』 上映後トーク:伊勢真一 (映画『いまはむかし』監督)・他 ゲスト 〈料金〉11:00の回:1,500円/13:30の回:2,000円 *1日通し 3,000円もあります  *障

            「映画の中で生き続ける」

            2022年 11月  「わたくしは死んではいけない わたくしが死ぬとき あなたがほんたうに死ぬ」  つい最近の新聞紙上で、永田和宏さんという歌人が亡き妻のことを歌った短歌が、目に止まった。  丁度インドネシアでの、自作『いまはむかし 〜父・ジャワ・幻のフィルム〜』の上映巡業から帰った頃だった。戦時中、父が三年半にわたってインドネシアで国策映画を創り続けたことを描いた映画だったので、もう遠い昔に死んでしまった父が行きたかったに違いないインドネシアを、80年ぶりに再訪する旅

            『いまはむかし』インドネシア巡業ツアー便り その9《御礼編》

            11/14(月)〜11/23(水)までの『いまはむかし』インドネシア巡業ツアーは、多くの方々のお力添えで実現し、正味8日間で6回の上映ができました。 コーディネーターと通訳を担ってくれた高地さん(ジョグジャカルタ)と油井さん(ジャカルタ)、通訳の沼沢さん(ジョグジャカルタ)とスーシー・オンさん(ジャカルタ)、ありがとうございました。 ジャカルタの宿を提供していただいた柿沼さん夫妻、ジャカルタでの上映を応援してくれた山崎さん、J2NET、ひまわりの会、水柿さん(JABATO

            『いまはむかし』インドネシア巡業ツアー便り その8《最終回》

            ジョグジャカルタからジャカルタを巡り、8日間で6回の上映、そのどの上映も満員でした・・・ いつも集客に苦戦している我が作品としては、上出来の巡業だった。 観てくれた方々の八割が若い人たちだったこともうれしかった。ほとんどの人が感想をネットに送信してくれたのも・・・(インドネシア語なので、まだ読めてませんが愉しみです。) 生前は必ずしも仲の良い父子関係ではなかった親父とのキョリが半歩近づいたような気にさせる旅でもあった・・・死んでから50年経ってからの仲直りかな? 初めての

            『いまはむかし』インドネシア巡業ツアー便り その7

            映画『いまはむかし』の撮影の主な舞台となった、父・伊勢長之助が1943年から3年半を過ごした撮影所、当時の日本映画社ジャワ支局を再訪した。 ほぼ、八十年前の面影そのままだった・・・ スタジオの壁に在った日本占領時の「ロームシャ虐待」抗議のレリーフは外されていた。 戦後のインドネシア映画界の中心的存在だったイスマイル監督の肖像写真が大きく飾られていた。父のアシスタントとしてプロパガンダ映画の製作に携わり、戦後も来日する度に父のもとを訪れ、師弟関係は続いていた。私も何度か食事を

            『いまはむかし』インドネシア巡業ツアー便り その6

            インドネシアの中心、ジャカルタでの上映一日目は、インドネシア語版と在留邦人向けの日本語版との二回上映、全部で150人程の方々が観に来てくれました。 『いまはむかし』に登場する映画人、カディルマンさんは2014年に他界されていて、そのご家族が足を運んでくれました・・・ 親父が旅立ってから、来年で50年、 『いまはむかし』の企画を立ち上げて35年、 始めてインドネシア、ジャカルタ取材をして20年、 完成して1年あまり、 撮影させてもらった多くの人が、今はもう、この映画の中にしか

            『いまはむかし』インドネシア巡業ツアー報告 その5

            今日(昨日)は、映画祭をエスケープして古都・ソロを訪ねた・・・ 80年程前、親父がジャカルタの撮影所での国策映画創りの合間をぬって、ソロを訪れたことが、つい最近わかったからだ。 今回の通訳・コーディネーターをしてくれているインドネシア現代史の研究者、高地薫さんが、ある偶然からソロにあるマンクヌガラン宮殿の芳名帳を目にすることができ、80年程前の「伊勢長之助」という親父の名前を見つけてくれたのだ・・・ 筆跡はマチガイなくクセのある親父の字だった。 親父に「来い!」と言われたよ

            『いまはむかし』インドネシア上映ツアー便り その4

            三回目の上映も、満員御礼でした。 やはり、ほとんどが若い人たちでした。 きっと、これまで観に来てくれた若い衆がネット上で拡めてくれているのですね・・・ありがたい。 昨日は、インドネシア語版で上映したのですが、今日は英語版、明日のジャカルタでは日本語版での上映もやります。 どのバージョンでも、映像ならでは、という表現で伝わるように出来ている傑作なのですが、Q&Aで、 「とてもいい映画だと思ったけど、時々ワカラナイところがある」 と感想を言われて、すかさず持論で応える。 「時々

            『いまはむかし』インドネシア上映ツアー便り その3

            日本で言えば七月初旬の感じでしょうか・・・ 夜は本場のスコール。 上映中にも雷が響き、「アレ?」と思い、 コーランが聴こえてきて、映画の音とダブり込む。 二回目の上映は、ジョグジャカルタ芸術大学。 ほとんどのお客さんが学生諸君で、上映後の二時間近くにわたる大学の生徒たちとのパネルディスカッションを最後までしっかり聞いて、鳴り止まぬ拍手をしてくれた。 確実に、届いたと感じさせる上映だった。 上映後、ほとんどの学生が「感想をメールします!」と私に約束して帰って行った。 Q&A

            インドネシア上映ツアー便り その2

            ジョグジャカルタの映画祭での第一回目の上映。 ドキドキでしたが、大好評でした。 お客さんのほとんどが若い人たちでした。 80年前のインドネシアの姿を初めて目にした驚きからか、 どう受け止めていいのか、すぐには反応出来ない、という様子でしたが 映画が終わった時には大興奮、大拍手でした。 私のインドネシア語のスピーチも伝わったみたい・・・。 インドネシアを舞台にしたドキュメンタリーを インドネシアで、インドネシアの人々と共に観ることの体験を カラダ一杯に受け止めて来ようと思い