いせフィルム
伊勢真一カントクのつぶやきです。月1で更新しています。 「カントクのつぶやき」がはじまったのは1999年。 ツイッターがはじまるずっと前から、カントクはつぶやいていました。 月に1度のつぶやきは今も続いています。 これまではHPで掲載してきましたが、いろいろな方に読んでもらい、シェアしてもらえるよう、noteでの掲載をはじめました。 メイン画像にあるのは伊勢カントクが長年愛用しているスニーカーを模したイラスト。 自主上映会はもちろん海外の映画祭でも、いつでもどこでも伊勢カントクはコンバースと一緒なんです。
伊勢真一監督、いせフィルム関連の映画・上映などの情報をお知らせいたします。 *公式サイトの上映情報はこちらからご確認ください。→ https://www.isefilm.com
伊勢カントクがさまざまなゲストやお客さんと語り合った、上映後トークの記録です。 *内容は抜粋して掲載してあります。
2024年 4月 桜が咲いて、散って… 毎年のことながら、あっという間だなあ、と地面に落ちた花びらを見る。 散り際がいい、という思い入れで、軍国主義の時代に桜のイメージは利用されたみたいだ…「死んで来い!」ということだ。 桜は、花を咲かせて散っただけ、ただ懸命に「いのち」を生きただけで、その在りようを見て人は、美しいと素直に思っただけのことなのに。 小賢しい奴が、「政治」に都合よく利用したんだな。 昔も今も「政治」は、利用することばかり考えているんだ…。生きと
2023年 11月 長編映画の処女作『奈緒ちゃん』の上映が始まった頃、上映後のトークが大の苦手で、「話をしたり、文章を書いたりするのが得意でないから映画を創っているんで、話しは下手ですが勘弁してください…」と前置きの言い訳をして話をしていたっけ。 自主製作・自主上映の映画創りをやり続ける中で必要にかられて話をしたり、文章を書くようになり、この頃になってようやく苦手意識を乗り越えることができたような気がする…。場慣れして図々しくなっただけかもしれないけど。 人前で話を
2024年 3月 撮影が始まって、今年で42年…。 まさか、こんなに長く撮り続けることになるとは、思ってもいなかった。 障がいのある姉の長女、姪っ子の奈緒ちゃんと家族の普通の日々を、何日間か撮ってまとめようと、ちょっとした思いつきから始まった企画…。「映画」と呼べるほど立派なもんじゃない、ささやかなプライベートムービーのつもりで。 主人公の奈緒ちゃんは「長くは生きられない…」と医者に言われるほど、重いてんかんと知的障がいを併せ持っていたから、せめて、元気なうちにその姿を記
2024年 2月 昨年6月に「がん」の手術をしてから、毎月のように病院通いをして、経過観察を受けてきました。主に転移があるかどうかをチェックするためです。今のところ転移は無くホッとして新年を迎えた矢先、金沢巡業の雪解け道で、スッテンコロリン、右肘を骨折してしまった。 ほぼ一ヶ月、ギプス生活を余儀なくされ、新作『大好き〜奈緒ちゃんとお母さんの50年〜』編集のラストスパートにブレーキがかかってしまった。映画の神様が与えている試練、と受け止めてはいるけれど…。 自分で始め
2024年 3月 9日(土) 会場:本郷台“あーすぷらざ” 5階 映像ホール (神奈川県立地球市民かながわプラザ) 〒247-0007 神奈川県横浜市栄区小菅ヶ谷1-2-1 Tel. 045-896-2121 URL. http://www.earthplaza.jp/ 東日本大震災から13年後の今年。正月元旦に北陸地方で起きた震災は、未だに被害の全貌が掴めぬ状況が続いています。13度目の3月11日を目前に、「3.11」の記録と記憶を描いた二本の自作ドキュメ
2024年 1月 能登半島の震災は、まだ被害の全貌がワカラズ、ただ心配に心配を重ねるばかり…。そんな思いを抱えながら、正月7日、新年最初の上映会が、横浜市の泉公会堂であった。映画『奈緒ちゃん』シリーズの撮影の舞台、私にとっては言わばホームグラウンドだ。三十年近く前に「奈緒ちゃん」が完成した時、最初の完成上映会をやった場所で、次回作『大好き〜奈緒ちゃんとお母さんの50年〜』も、5月11日(土)にここでお披露目をする予定だ。 新年早々、満員のお客さんになれば、と願っての上
2023年 12月 今年も懲りずに映画を観せることに取り組んだ一年だった…。「コロナ」以降、いせフィルムが自ら主催する自主上映が多くなった。自分たちが上映をやり続けることで、自主上映活動を焚き起こそうと考えてのことだ。 けれども、まだまだ客足は戻って来ていない。やればやるほど赤字が増えるばかり、という状況が続いている…。 行けるところまで行くのだ。 自主製作も自主上映もツベコベ考えずに、やるっきゃないのだ! 逆算して人生を考えることが出来るほど利口じゃないのだから。
2023年 10月 次回作『大好き~奈緒ちゃんとお母さんの50年~』の製作・上映支援カンパが、少しずつ増えています。額の多少にかかわらず、とてもありがたく、嬉しい。 カンパの額に応じて返礼として、パンフレットやDVDや、DVD-boxを差し上げることにしているのですが、「返礼の品は遠慮します」と言う方や「礼状も郵送料と手間が大変だろうから要りません」と言う方が結構います。名前を公表しないでほしい、と言う方もいる。 要は、見返りを求めているわけではない…ということでしょ
2023年 9月 7月14日、パリ祭の日に誕生した姪っ子の奈緒ちゃんが50歳に成った…。 障がいを持って生まれ、長くは生きないだろう、と言われた奈緒ちゃんの記録を撮り続けて41年目の夏…。撮影された膨大な映像の編集に取りかかりながら、撮り始めた頃のことを仕切りに思い浮かべる。 最初の構想は、五分間ぐらいのホームムービー。元気な奈緒ちゃんの姿を映像に遺したい…という素朴な発想だった。それにしては、私以外のスタッフは皆プロ中のプロ、と言っていいような、ベテラン揃いだったけど。
2023年 8月 手術し、退院して、一ヶ月半。ようやくカラダもココロも元気な時の状態に戻りつつある。ちょっと前からお酒も呑めるようになったし…。 このところは、新作『Pascals〜しあわせ のようなもの〜』の各地のミニシアター上映への巡業、仲間達と取り組んできた自主企画の上映、次回作『大好き〜奈緒ちゃんとお母さんの50年〜』のロケ、と駆けずりまわっている日々だけど、今一番時間をかけているのは、この春から始めた次回作のための応援、支援活動かもしれない。 カンパを募る
2023年 7月 「今、何時? まだ早過ぎる…」 幼い頃、奈緒ちゃんにカメラを向けるとヒトリゴトのように呟いていたコトバ。 もっともっと幼い頃、奈緒ちゃんには重度のてんかんと知的障がいがあり「長くは生きれない」と医者に告げられた、と私の姉である、奈緒ちゃんのお母さんから話を聞いていた。 自分に応援できることは、映画を創ることしかない…と心に決めて、本当にカメラを回し始めたのは奈緒ちゃんが8才の冬。 その頃にはダイブ元気になっていたけど、「長くは生きられない」とい
次回作「大好き〜奈緒ちゃんとお母さんの50年〜」製作上映支援映画会 vol.6 奈緒ちゃんシリーズ〈全4作品〉特集上映会! 場所:神奈川県 横浜・泉区 テアトルフォンテ 日程:7月14日(金) ★奈緒ちゃん50歳の誕生日! ■10:00〜 「ありがとう」 ※上映後、伊勢真一監督トーク ■13:00〜「やさしくなあに」 ※上映後、伊勢真一監督と西村信子さん(奈緒ちゃんのお母さん)、細谷亮太さん(小児科医・俳人)のトーク ■16:00〜「奈緒ちゃん」
映画「えんとこの歌」相模原上映会2023年 7月24日(月) 相模女子大学 グリーンホール 多目的ホール(小田急線相模大野駅 北口徒歩5分) ※ご注意※ いせフィルムから郵送でDMを受け取られた方へ 会場の都合により、日程が変更になりましたのでご注意ください! 誤:7月23日(日) 正:7月24日(月) ▼ご予約・詳細 ドキュメンタリー映画を上映する会・相模原 website https://sagamihara-jyoei.com/ “共に生きる”方向に私たちの社会を
厭戦 !!! 戦争は嫌だ。 ごちゃまぜ映画会 vol.88月6日、広島被曝の日に、戦争の記憶を描いた三本のドキュメンタリーを観て、 三人のカントクと語り合おう・・・忘れてはならない、「むかし」は「いま」だから。(かんとく・伊勢真一) ■日時 2023年 8月 6日(日) ■会場 本郷台 あーすぷらざ(神奈川県立地球市民かながわプラザ) 2階 プラザホール 〒247-0007 神奈川県横浜市栄区小菅ヶ谷1-2-1 Tel. 045-896-2121 URL. h
2023年 6月 5月の終わりから、随分沢山の夢を見た。あれは夢だったのか、「映画」だったのか、それとも私の記憶の断片だったのか…。 実は、5月の終わりに入院、手術をしてました。「がん」でした。何とか手術を終え、ようやく退院したところです。 その手術後数日、モーレツに眠り、そして夢のようなものを、浴びるほど観たんだ。あれは一体何だったんだろう…。まさしく、カオスという感じで、そのほとんど全てをキレイサッパリ忘れちまったけど。 おかげさまで手術はうまく行きました。
2023年 5月 紫陽花の季節。 日曜画家だった母が好んで描いた花だ。決して上手くはなかったけど。 母を疎ましく思っていた頃には、紫陽花を好きになれなかったけど、この頃は素直にキレイだ、イイナと想うようになった…。 この春は新作『Pascals(パスカルズ)〜しあわせ のようなもの〜』の上映と、次回作『大好き〜奈緒ちゃんとお母さんの50年〜』の製作資金集めのための上映会に、夢中になって取り組んでいた。 映像の仕事を始めてから50年、いつだって夢中だったから、ずっ