<伊勢滞在記(3)>永島信也 伊勢神宮と伊勢の信仰

今回の伊勢滞在、14日間二見浦に宿泊でした。

二見浦駅出たところに鳥居が。情緒がすごい。

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外宮
伊勢市駅出てすぐ。いわゆる外宮周辺エリア。今回の滞在ではここが中心となりました。
まっすぐ参道を進むと外宮へ。
伊勢訪問は2回目で、前回は内宮のみだったので、外宮は初参拝。
内宮は明るく柔らかい印象でしたが、外宮は張り詰めた空気と厳しさのある雰囲気。個人的にとても居心地の良い空間でした。もともとあまり神社を撮ることが少ないので今回も神社内の写真は少なめです。実際の空気感は是非訪れて感じて頂きたいです。

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月夜見宮
伊勢市駅を出て右方向、北西に進むと月夜見宮。
ツキヨミノミコトは謎の多い神様で、アマテラスオオミカミ、スサノオノミコトと比べると祀られている神社が少ないです。
外宮は全体的に自分の肌に合っている感覚がありましたが、月夜見宮は伊勢の中で一番好きな神社になりました。

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伊勢市磯町にある磯神社
祭神はアマテラスオオミカミですが、この神社の獅子舞には七起こしの舞というスサノオノミコトとヤマタノオロチの伝説がモチーフの神事があるようです。伊勢にはスサノオノミコトを祀る神社が不自然に少なく、それについては諸説あるのですが、そのあたりを体感するのが今回の旅の目的の一つでした。(磯神社は道の狭い集落の中にある神社なので訪れる際はご注意を。駐車場はあります)

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松下社
蘇民将来伝承の地。
蘇民将来とはスサノオノミコトと鍾馗の伝説が混ざった感じの物語。伊勢にはスサノオノミコトを祀る神社が少ないですが、蘇民将来の伝説は今も注連縄として地域に根強く残っています。
ちなみに出雲ではアマテラスオオミカミを祀る神社が少なかったりします。(とはいえ伊勢のスサノオノミコトほどではないし、伊勢神社という名前の神社もいくつかある)

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宿屋の注連縄
お店や民家にも飾られている所が多い。正月だけでなく年中飾るのだそうです。

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松尾観音寺
二つ池の龍神伝説
僕にとって龍というモチーフは重要なもので、その伝承の地は必ず訪れたかかった。地図で見るとお寺の近くに同じくらいの大きさの池がちょうど人の肺のような形で並んでいます。

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本堂の屋根には龍がいます。

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二つ池の西池
道路沿いから見えます。

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この日は五十鈴ヶ丘駅から松尾観音寺を経由して内宮まで歩きました。

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途中、五十鈴川駅を横切る

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内宮近くの月讀宮
外宮の月夜見宮と漢字が違う。
社殿が4つ並んでいました。平日にもかかわらず内宮は人が多かったのですが、ここは少し離れているのでとても静かでした。ここもお気に入りの場所です。

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上田神社
伊勢では数少ない、スサノオノミコトが祭神の神社。
月讀宮と比べてもその扱いが小規模なのがわかります。

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宇治神社
内宮の駐車場からさらに奥へ進んだところにある神社。足神さんとも呼ばれており、健康健脚のご利益があります。

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飛石
穴場スポットとしてオススメされた。宇治神社からさらに奥へ進んだ場所にあります。内宮の喧騒をはなれとても落ち着いた場所。ここで五十鈴ヶ丘駅を出てから2時間くらい。

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内宮参拝
今回内宮へは初めて参拝。
前回訪問時に感じたイメージと同じく、明るく柔らかな雰囲気でした。
そうは言ってもやはり正宮は威厳があり。前に立つと身が引き締まりました。伊勢市周辺の神話にまつわる場所を巡り、この日内宮参拝を終えて、今回の伊勢市滞在の一区切りとなりました。

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天岩戸
滞在終盤にレンタカーを借りて天岩戸へと行きました。
幻想的な鳥居

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外宮内宮とはまた違う、険しい山の自然。

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山道から一本入った場所ですが、入りそびれるとなかなかUターンもできないので注意。時間も限られていたので風穴へは行けず。それはまた次回へと持ち越しです。少しやり残しがあるのもまた一興。


滞在中、外宮へ通う形になっていたので度々参拝していましたが、やはり自分にしっくりくる場所でした。次回は外宮近くで宿泊をして朝一の参拝もしたいです。たまたまタイミングよく見れた月夜見宮の朝の神事もとても厳かで素晴らしかったです。


ナガシマ神話与太話
伊勢神宮は皇室のために作られたもの。日本のイメージで太陽というのもあるが、いわゆる高貴な人のための神社だった。なのでスサノオノミコトのイメージはあまりそぐわなかったんじゃないか。
出雲はいわゆる地方の力を持った人々の間で栄えていた。だから立派な神社が数多く点在してる。スサノオノミコトの荒々しい神話も地域性との親和性が高かった。
出雲大社の歴史はそれほど(イメージほど)長くはないようだが、要はそういった地方の権力者が一念発起して作ったとかそういう話なんじゃないかなぁ。縁結びって要は家庭とか家族とかそういう話で、出雲はそういった人々に寄り添う形で神話や神社を形成していったのかなと。

やっぱり伊勢神宮まわりの成り立ちは天皇のため、高貴な人のためのものだから、出雲に比べて気品の高さを感じた。

余談ではあるが、二見浦に滞在していると海が結構穏やかで、スサノオノミコトとあまり繋がらないなぁと思った。昔はまた違ったはずだが、そもそも湾だし。海に対するイメージは出雲と伊勢は全然違うはず。

この辺りは個人的な想像なので話半分で読んでいただければと。

伊勢市に滞在して、伊勢の神々に対する姿勢みたいなものをダイレクトに感じて、出雲との比較ができて、新しいイメージが生まれた。
本当に来てよかったなぁ。

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永島 信也(Nagashima Shinya) 彫刻家
https://twitter.com/nagashimachine

【滞在期間】2020年11月19日〜12月2日

※この記事は、「伊勢市クリエイターズ・ワーケーション」にご参加いただいたクリエイターご自身による伊勢滞在記です。
伊勢での滞在を終え、滞在記をお寄せいただき次第、順次https://note.com/ise_cw2020に記事として掲載していきます。(事務局)