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ワークショップ6「Disruptive Innovation」

2021年度第6回レギュラーワークショップ 

 テーマ:「Disruptive Innovation」

ファシリテーター:
Miles Pennington教授 (東京大学生産技術研究所, DLX Design Lab)
Yu Uchikura氏 (DLX Design Lab 修士課程)

 スケジュール: 9月31日(木)、10月1日(金)10:00-17:30

プログラム詳細につきましてはこちらをご覧ください。


【2021 WS6 DAY1 9/30】

 2021年度第6回のi.schoolワークショップは、東京大学DLX Design LabのMiles Pennington教授をお招きして、デザインシンキングを活用して破壊的イノベーションを起こす手法を二日間にわたって学びました。

Day1では、デザインシンキングの歴史に関するレクチャーから始め、デザインシンキングに対してありがちな誤解から、デザインシンキングそのものが「一式の原則であって、単なるルールや指示書ではない」という結論が提示されました。次に、デザインシンキングの具体的な手順が紹介されました。


今回のワークショップもその手順を一通りおこないました。

デザインシンキングのプロセス
①「共感」→②「アイディアの発想」→③「プロトタイプ」→④「テスト」

Day1では、4チームに分かれて①「共感」と②「アイディアの発想」を中心に行いました。
私のチームでは「掃除機」をテーマに「共感」と「アイディアの発想」を行いました。午前中は「掃除機」のよいと思われる点とまだ改善できると思われる点についてそれぞれ共有したうえで、面白いと思われる使い方について調査しました。
その結果、「犬と猫のマッサージ機」、「子供の乗り物」などデザインされた用途と全く違う活用方法の存在が分かりました。論理思考だけでは導けない意外性が、面白さをもたらしてくれます。
午後にはDLX Design Labが開発した強制発想のコンセプトカードを使って「アイディアの発想」を行いました。

実現可能性とファンタジーの程度

の二つの軸でたくさんのアイディアが出されました。

その後、チーム内で最も気になったアイディアを一人一つ選んで、ほかのチームのメンバーに1対1で発表しました。異なる視点を持つ人からもらったフィードバックをもとにブラッシュアップしたものを、Day1の最後に発表しました。

発表では、倒れても中身はこぼれないボトル「The cup that never spill」と刃の形の掃除機「Dust Saber」を提案しました。Miles先生からコメントを頂いた後に人気投票を行いました。その結果として、Day2のプロトタイプ対象を「Dust Saber」に絞りました。

今回のワークショップでは強制発想の手法で論理的思考の限界を超える可能性を認識できました。ワークショップ参加してくださったメンバーの皆も、誰もが面白いアイディアはどうやって生まれてきたか、それぞれ自分なりの答えを持てた様子です。
Day2では、実際に手動かしてアイディア発想を行うということでより有意義な時間になるだろうと確信しました。

 
王琦
東京大学 工学部研究科 修士課程
ETH Zurich Mobility Student
2021年度i.school通年生

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【2021 WS6 DAY2 10/1】


Day2では、各チームからのフィードバックを元に最終決定したアイディアをワークシートにまとめる作業から入りました。
ここでは3つのキーとなる要素を議論の中から丁寧に抽出することで、アイディアの輪郭を共有しました。

その後はオンラインで、各自がアイディアをプロトタイピングするという工程に入っていきました。質は気にせずとにかく作ってみることで、その後の議論の対象が手触りのある質感へと変化したのを実感しました。

例えば

「これだと持ちにくい」
「滑り止めのためのグリップが必要」
「サイズはこの程度の方が扱いやすい」

といった実際の製品がないと改善が難しいものに対する議題を早めに出すことができました。
講師のMiles先生も「早めに失敗を重ねること」の重要性を説いており、その後も何度も小さく改善を繰り返しながら、最適な形にするため、プロトタイピングの数をこなしていきました。

テスト段階に入ると、他チームからフィードバックをもらう時間を取ることになりました。ユーザーテストでは様々な属性の方々に実際に触ってもらい体験してもらうことで、異なった視点や改善案を取り入れることができます。それを再現するため、「遊び好きな子供」「厳しいお父さん」など各々がロールプレイの役になりきって、チーム同士でお互いのアイディアにフィードバックをしました。ユーザーの声を聞くことで、利用シーンを想定しながらリスク回避や更なる活用方法なども発見できます。それらに注目して、最後はまたチーム別にアイディアの改善に取り組みました。

最終発表は、完成したアイディアについてスキット形式でプレゼンテーションを行いました。各チーム、しっかりとフィードバックを基に修正・改善しており、ユニークで楽しいアイディアが出揃いました。

「Dust Saber」
「Portable Toaster」
「Make-up Printer」
「Hair Scan」

の4種類のアイディアが展開され、その講評と評価にはDLX Design Labのメンバーの方々にもお越し頂きコメントを頂くことができました。

今回のワークショップではやはり手を動かすことの重要性を認識したメンバーが多かったのではないでしょうか。また、実際に発想したアイディアが形になっていく過程に楽しさを感じるメンバーも多く見られた有意義なWSとなりました。


安藤智博
拓殖大学 国際学部既卒
2021年度i.school通年生

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